見出し画像

映画「血を吸う粘土」感想(ネタバレあり)

梅沢壮一監督の「血を吸う粘土」をやっとU-NEXTで鑑賞した。
爆裂に面白いので、感想を書く。

・あらすじ

田舎で美大向け予備校を経営するアイナ先生(黒沢あすか)は、ある日予備校の近くで丁重に包まれた「謎の粘土」を掘り起こす。ひょんなことからその粘土を美術の課題で使うことになったが最後、惨劇が巻き起こる・・・・・・。

・一言で言えば

売れない彫刻作家の怨念が粘土にこもり、その粘土が人を襲いまくって、血がいっぱい出て、パニックパニック!な映画。

・感想

こういうアタオカ血みどろ映画って定期的に見たくなるんよな。
呪いの粘土によって人がバタバタ死んでいく。血がドバドバ出る。
ほんで、特殊造形による登場人物たちの変形した身体が乱立する。
サイレントホラーとか最近流行りのフォークホラーとかジャンル色々あるけど、わかりやすくパニックになる破茶滅茶ホラーが個人的に一番しっくり来るな。

◆カカメちゃんが可愛すぎる

作中に出てくる人形のカカメ(以下、敬意を込めてカカメちゃんと呼ぶ)が絶妙に気持ち悪いけど可愛らしいため、愛着がわくんだ。
以下の画像は血みどろverだけど、本当は真っ白でとっても愛らしい見た目をしている。

画像1

カカメちゃんは売れない彫刻雑貨ミタヅカの念(怨念・執念)を一身に受け止めてできた人形。カカメちゃん、そんな運命背負わされてカワイソスなぁ・・・・・・。

◆キャスト・スタッフが最高すぎる

特殊造形のクオリティが高く、だからこそ最高にゲラゲラ笑えるのだが、クオリティが高いのは至極当然である。
特殊造形で有名な梅沢壮一さんが監督であり、制作協力に西村喜廣さんが参画しているからだ。

ほんで、役者陣も最高なんだ。
主人公のアイナ先生は黒沢あすかさん(狂気に満ちたやばい女をやらせたら神。冷たい熱帯魚とか。ちなみに「積むさおり」ではしおらしい妻役を演じており端的に言って超演技派)だし、
謎の男伏見は津田寛治さん(インディーズ映画で変態役を一番上手に演じる大俳優。例えば「下衆の愛」のあのシーンはみんなに見てもらいたい!)だし
ちょっと出てくるアイナ先生の元夫っぽい人は木村圭介さん(クライングフリーセックスのギドラ役)である。

◆ストーリー性も意外とある

あと、ストーリー性も高い。
一瞬しか出てこないがアイナ先生は多分東京の美大予備校で先生をしていたが、男女のいざこざで離婚?して田舎で予備校の先生してるっぽい。
で、アイナ先生のとこの学生たちが「東京の予備校の方が受かる確率高いよなぁ」って不満垂れ流すと感情むき出しで怒るんよな。
最後、呪いの粘土を、恨みのあるその東京の予備校に置いてこうとするんだが、すんでのところで泣きながらやめる。
パニック要素とじわじわくるストーリーラインが絶妙である。

こういう映画、日本でもっと受け入れられて欲しいなぁ。
ちなみに続編は昨年映画祭で上映された模様。早く観たい。

最後に、ネタバレ欲しい人用のストーリー詳細を残しておく。(超絶ざっくり)

・ストーリー詳細

アイナ先生(黒沢あすか)が粘土拾う→うっかり生徒カオリ(武田杏香)が使って自画像とか作る→粘土が夜にひとりでに動き出してハムスター殺す→ハムスターのみならず生徒レイナ(藤田恵名)を殺す→精神が粘土に取り込まれたレイナが別の生徒ユカ(牧原ゆゆ)の血を吸って取り込む→ユカがさらにまた別の生徒カンジ(篠田諒)の血を吸って取り込む
→カンジがさらに別の生徒アイコ(杉村桃花)とカオリを襲ってまさに血を吸わんとす!な時に謎の男(津田寛治)が火炎放射でその恐ろしい粘土モンスターをからっからに乾燥する。
→伏見(津田寛治)が過去の話をしだす。その粘土は売れない人形作家ミタヅカの念が込められている、と。ミタヅカは死に際に彼の念を込めて作った最後の人形をカカメと名付けた。怨念がこもっており危ないから、丁重に地面に埋めてたまに様子を見に来ていたのだと。
→そうこうしてるうちに乾いてない別の粘土がモンスター化(カカメちゃん)しカオリを取り込んだので伏見は火炎放射で殺す。→さすがにもう安心だべ、ってみんなで落ち着いてたら、突風が巻き起こり、舞い上がった粘土の粉を肺に入れてしまった伏見が肺内のカカメちゃんにやられて死ぬ。
→万事休す!な時にアイコとアイナ先生で力を合わせてカカメちゃんを倒す。
→2人でカカメちゃんをカラッカラに乾かして山奥に埋める
→山奥に埋められたカカメちゃん、山の湿気で水分を得たことにより完全復活。肥大化したカカメちゃんは街を襲って火の海にしていくのであった・・・・・・。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?