Cat and Lizard Bookstore

心理学を研究する大学教員が、本棚書店「Cat and Lizard Bookstore」で扱っている本を紹介します。

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心理学を研究する大学教員が、本棚書店「Cat and Lizard Bookstore」で扱っている本を紹介します。

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    Cat and Lizard Bookstoreと、このnoteの目的

    Cat and Lizard Bookstoreは、本屋といっても、立派な店舗を構えているわけではありません。とある本屋の一角を間借りして営業しています。 西荻窪という街に、BREWBOOKSという素敵な本屋があります。本だけでなく、ブリュワリーから仕入れたエールビールも一緒に売ってくれる、変わった本屋です。Cat and Lizard Bookstoreは、このBREWBOOKSの本棚の一部をお借りして営業している、本棚書店です。 Cat and Lizard Book

      • 研究者のブルースと熱い青春-前野ウルド浩太郎「バッタを倒しにアフリカへ」

        研究者になる方法と、博士課程の孤独研究者を目指すということの半分は、孤独との闘いだと私は思う。 ひょっとしたらこの記事を読んでいる人たちのなかには、将来なんらかの分野の研究者として生きていきたいという人もいるかもしれない。そういう人たちのために、まずは研究者という職業に就くにはそもそもどうすればいいのかを解説しておこう。 今の時代、研究者になるためには、まずは大学院の博士課程(博士後期課程)を修了し、博士号を取得するという道が最も一般的だと思う。また、博士課程に進学するた

        • 川崎になぜ目を向けるのか-磯部涼「ルポ川崎」

          なぜか遠い場所、川崎横浜に住んでいた学生時代も、東京に住んでいる現在も、川崎は近いはずなのに、どこか遠い。彼女との夏の恒例行事になっていたロックフェス「BAY CAMP」に行くときも、都内では上映が終わってしまっていた白黒版の「マッド・マックス 怒りのデスロード」を観にいった時も、電車に乗ってしまえばあっという間に着くのだけど、どうしてか、実際に家を出るまでにはかなりの気合いが必要だった。 東京や横浜に住みながら川崎を見るときの私たちは、なぜか「隣の街」ではなく、明確に「別

          • 私が授業でフロイトを扱わない理由-内田樹「寝ながら学べる構造主義」

            敷居を下げる天才私が内田樹を知ったのは、ツイッターだった。こう書くと、なんだかとても不勉強なようで恥ずかしいのだが、事実なので仕方がない。私は内田樹を、思想家としてではなく、「アルファツイッタラー」として知った。 内田樹はよく炎上している。それは彼が頻繁に、鋭い政権批判をツイートするからだ。私が最もツイッターをよく見ていた2010年代前半、私はまだ今ほど政治に関心がなく、政治関連のツイートもほとんど気にかけていなかった。しかしたまにフォロワーのリツイートでタイムラインに流れ

            現実の見え方が変わる一冊-ガーゲン「あなたへの社会構成主義」

            本書との出会い「社会構成主義」あるいは「社会的構築主義」という言葉を聞いたことのある人は多いだろう。そしてその中には、この言葉になんとなく拒否感を覚えたまま大人になった人も少なくないはずだ。かくいう私も、そういう人びとのうちの一人だった。 私はかつて、「心理学」という響きがなんとなくカッコイイからという、どうしようもない理由で選択した、とある大学の心理学専攻に身を置いていた。当時所属していたゼミは、なにをかくそう社会構成主義を基盤とした学習理論のゼミだったのだが、そんなゼミ