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加熱するスカウトサイトについて考える 前編

皆さん、こんにちは。カタリストエージェントの勝田です。
最近、テレビを見ていて転職のスカウトサイト各社のCMが格段に増えたと思いませんか?
実際にビズリーチ、リクルートダイレクトスカウト、doda Xなどの転職サイト大手を中心に毎日、目にしない日は無いくらいにCMが流れています。それだけ転職市場が活況と言える部分もありますが、やや過熱しすぎている印象があります。
そこで今回はこのスカウトサイトの乱立している状況について考えてみたいと思います。


加熱するスカウトサイト

冒頭のようなTVCMの効果もあり、各社のスカウトサイトは飛躍的に成長をしていることが予想されます。この点を最大手のビズリーチを例に昨年からの推移を見てみましょう。

《ビズリーチの例(昨年からの伸び)》
■スカウト可能会員数
・170万人→200万人
■ヘッドハンター数
・5,500人→6,100人
■導入企業数
・21,100社→24,800社

 ビジョナル株式会社 IR資料より抜粋

いずれの指標も大きく前年から伸びています。この傾向は他のスカウトサイト各社でも同様だと思われます。
スカウト可能会員数(=求職者)が増え、それに伴いヘッドハンターや導入企業が増えているということはスカウトサイトとして充実しているということは間違いないのですが、一方でこれだけスカウトサイトが加熱してくると実際はどのようなことが起こってくる可能性があるのでしょうか?

スカウトサイトの加熱によって起きていること

このようにスカウトがある意味で活況になってくると実際は以下のようなことが散見されるようになります。

《スカウトサイトの加熱で起きていること(一例)》
■1人の会員数に数百通のメールが届く
・特に、20代などの若手人材や専門性が高いスキルを持っている人などを中心に数百通のスカウトメールを受けているということが常態化しています。これはスカウトを送る作業をRPA(ロボティックプロセスオートメーション)を用いて、ロボットに自動送信させている会社が最近は増えていることも要因としてあります。

■同じ案件がいろんなエージェントから案内される
・最近、大手企業などを中心に大量募集する職種や注力するポジションなどに対してエージェント向けの説明会を実施するケースが増えています。特にコロナ禍のリモートの普及などに伴い、ウェビナー形式である意味気軽に実施することが可能となり、一つの求人の説明会に数十社のエージェントが参加することも珍しくありません問題はその多くのエージェントがやはり集客をスカウトサイトに頼っているので同じタイミングで一斉に当該の案件が打診されるという状況が発生するのです。

 

以上を踏まえると以下のような問題点が浮かび上がります。

一つはスカウト送信に対する返信率の低下です。今ままで10%前後を謳っているスカウトサイト各社のスカウトが、今は職種にもよりますが概ね返信率が5%以下に下がっていることも多いのではないでしょうか?
但し、これは参画するヘッドハンターが増えている以上、多少はやむを得ないことかも知れません。

もう一つはより重要な問題として、大量に同じようなスカウトメールが飛び交う状況において、果たしてメールを受け取る求職者が満足しているのか?ということです。

現状ではごく一部の企業やヘッドハンターを除いては、スカウトの数である程度は勝負するということが起きており、例えば、スカウトを専任で担当するリサーチャーと言われる人を活用したり、先ほどのRPAなどを活用する企業も増えていることと相まって、この傾向は一層助長されていると思われます。結果的にこのことが、更にスカウトメールが飛び交う循環を作り、結局は質の低下を招いていくという方向性が懸念されるのではないでしょうか?

以上、今回は加熱するスカウトサイトの現状や懸念点について見てきました。それではこれらを踏まえてヘッドハンター(=エージェント)としてどうしていくことが大事なのか?という点については次回に述べていきたいと思います。

転職・人材採用についてのご相談は是非、お気軽にお問い合わせください。


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