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読切・短編小説シリーズ

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【読切現代ホラー小説】ネタミガミ

【読切現代ホラー小説】ネタミガミ

 夕方、綺麗な赤と橙色の空が広がっている。踏切も、線路も、ずらずらと並んでる家の屋根も、沈みかけの太陽に照らされ、夕方の景色を形作っていた。

「そういや聞いてよ、この前部活の先輩がさ〜…」

 また始まった。菜奈の愚痴が。
 菜奈は昔はこんなこと言わなかった。明るくてまっすぐな、私には勿体無いくらいの友達だった。でも中学にあがってから、菜奈が吹奏楽部、私が茶道部に入ってから、菜奈は変わってしまっ

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【読切現代ファンタジー小説】つのっこ

【読切現代ファンタジー小説】つのっこ

 ある日、夢を見た。

 十畳くらいのだだっぴろい和室。座布団が二つ。片方は俺が座ってて、もうかたっぽはからっぽ。障子で囲まれてて薄暗い。
 ぺたぺた足音が聞こえてくる。白い足が、開いた障子から覗いた。足裏をぺたぺた言わせながら、足の持ち主が座布団に向かって部屋に入ってきた。
 長い銀髪。背丈は子供くらい。血の気のない白い肌、白い着物。赤いガラス玉の眼。そして額には、ラムネ瓶製の立派な二本の角。俺

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【読切現代ファンタジー小説】ヒスイサマ

【読切現代ファンタジー小説】ヒスイサマ

これは僕が、小学校の低学年ぐらいのころ、大晦日のときの話だ。

 朝から車に乗せられて連れてこられた祖父母の家は、かなり雪が積もっていた。祖父母の家はかなり古い古民家。軒下にはいつも、干し柿やら凍豆腐やらが目の粗い紐に括り付けられて何本も吊るされている。
「よう来たなあ」
 僕の祖父が、声をかけてきた。
「ただいま、父さん」
 父が言葉を返す。眼鏡越しに、優しそうな目が祖父を見ている。
「友樹、お

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