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あどけない出会いの話
ある山の中
温かい日差しの中でいた。
すると、毛並の美しい黒い狐が寄ってきた。
随分と昔からいるようだった。
『何か…?お帰りになられませんと
心配されますよ。』
と声を掛ける。
『お前の、その心のものを突いてみようか』
と、面白そうに言うその狐は笑っていた。
『要らぬことですよ。どんなものであっても
諌めることが良いんだよ。
これは、どういうことかと聞くか?
この場所と同じく、呼吸をするような
ものだよ。息吹のようなものだよ。
自然にあるものがそこに生きていることが
ごく自然な流れであるように…。
受け入れるということだと理解している。
心にあるものを諌めた先に見えるのは、
あなたも知っているはず…。』
そう答えると、狐はつまらなそうに息をついた。
『お前は何だ?』
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と聞く狐にゆっくりと答える。
『さぁ…。ここでゆっくりしてるだけだよ。
私と居ても、何も無いよ。つまらないと
感じるだけだよ。』
それを聞くと、しばらく居たあと
姿を消した。
![](https://assets.st-note.com/img/1653298794552-7Oox4tsfll.jpg?width=800)
どこへ行ったかは知らない。
ただ、時折姿を変えては来るが、
やはり美しい毛並や、
美しい瞳で同じ狐とわかる。
だから、同じ答えを返す。
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不思議な出会いの話。
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