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小学校サバイバル~二年生からの通常学級編~

特別支援学級在籍の一年生の終盤、主治医から二年生からは通常学級に在籍することが望ましいという意見書をもらいました。
やっと流れがわかってきたところでしたが、主治医を信頼していたので通常学級に移行することに同意しました。

通常学級の壁

穏やかな日々とは程遠く、支援学級と通常学級との環境の変化は想像を絶するハードルの数々との闘いでした。そもそも『通常』と『特別』という呼び方の違和感は元々ありましたが、一般的に使われている呼び方なのでそれに関してはここではスルーしておきます。

二年生になって最初にぶち当たった壁は『宿題』です。支援学級の時は授業は通常学級で受けていたものの学習の振り返りに当たる宿題を出されたことはありませんでした。自宅学習として文字のなぞりなどはしていましたが、泣きながらのイヤイヤ学習でした。
しかし、二年生の宿題は"提出“する義務があります。『嫌でもやらなければならないことはやるしかない』ということを覚えることが、今後のわが子の人生の中で何度もぶつかる壁であると思いました。そしてこれをクリアできた時にさらに大きな成長が見られると感じていました。

もう一つ増えたことは生活リズムの記録です。主に自主学習時間やテレビやパソコン等のメディアを使う時間、就寝時間などを毎日記録することになりました。
小学校入学当初からメディアを使う時間は既に決めていました。テレビは平日は1時間/日、休日は2時間/日、パソコンは平日は45分/日、休日は45分×2回/日です。ゲーム機はきりがなくなるか、すぐに飽きてしまうと予想ができたため買わないと決め、わが子とも約束していました。

その他には読書は好きでしたので、図書室で本を借りたり図書館へ借りに行ったりしていました。一年生の時は言葉の練習として毎晩読み聞かせをするように主治医から助言されていました。その甲斐があったのか、文字を書くことは苦手でしたが活字を読むことは好きになっていました。

複雑化する学習内容

また、主治医の指示で一年生の時は数の合成と分解をしっかり学べるように『さくらんぼ計算』を毎日私が問題を作って解いていました。

二年生ではかけ算が始まるので授業に合わせて問題を作って解いていました。二桁のかけ算になると計算式を書くときに線をひきます。ところが、定規を使って線を引くことは左右の手で別々の動きをすることなのでわが子にとっては困難でした。困難なことがあれば少しずつ練習するのみ。毎日練習問題の中に定規で線を引く問題を作りました。

少しでもやる気が上がるように褒め言葉のスタンプを使ったり、好きなキャラクターのスタンプを押したり、色ペンでメッセージを書いたりシールを貼ったりと思いつく限りのことをしました。

本人の努力も実り、学習面ではなんとかついていけるようになりました。
授業では『周囲を気にしない』という特性が功をなしてかすすんで手を挙げて発表していました。

複雑化する人間関係

一年生の時は他学級だった同級生が急に同じクラスになりました。そして嫌がらせが始まりました。
体操着に着替えているときに体操着入れをキャッチボールのように投げて「返して」とあたふたするわが子を笑ってみている子どもたち。
自分の言うことを何でも聞かせようとする子。

特にわが子の学年は『今までこんなに手のかかる学年はなかった』と呼ばれるほどに自己中心的な子どもたちが多くいました。その親(主に母親)に関しても「やられたらやり返せ」と子どもに教えるような方が多数いました。

わが子は学校で何か嫌なことがあると先生には言えずに黙って持ち帰り、家に帰ってから爆発して泣き出してパニック状態になりました。

パニックは大抵約40分くらいでは落ち着きました。そこから聞き取り調査が始まります。
いつ、どこで、誰と、何が、どうした。答えやすいように聞き方も工夫しながら少しずつ具体的に聞いていきました。
表現が苦手なわが子から詳細を聞き出すのは簡単なことではありません。話の断片を集めてストーリーを作る。そんな毎日が続きました。

学校のトラブルは学校で訴えよう

わが子と取り組む新しい課題が決まりました。

対人関係改善に先生の介入を依頼

保育園時代からのつながりで一緒にいることが多い子が一人いました。仲がいいという表現は当てはまらない関係で、どちらかといえば『いいように利用される』関係でした。そのお子さんもなかなか特徴的なお子さんで初見の時から"何かひっかかる存在“であり、年齢と比較すると考え方や行動はやや幼く感じていました。

保育園時代は鬼ごっこを一緒にしていた時にわが子は鬼になり、一定の場所から動けないまましばらく放置され相手のお子さんは別の遊びに夢中になっているという『置き去り事件』もありました。

さて、二年生になったそのお子さんは何でも言うことを聞いてくれるわが子を誘っては休み時間にボール遊びなどをしていたようです。
そこでわが子がまず困ったことは『チャイムが鳴る時間なのに片付けをしようとせず授業に遅れそうになる』ということでした。決められたことは守るべきと信じているわが子にとってこの先の読めない時間の沼は、深く底も見えない非常に不安な状態に陥ります。挙句の果てに片づけを押し付けられてその子は先に教室に戻ってしまうということもよくあったようです。

休みの日には突然わが家に遊びに来たり、その子の家に遊びに行くことが続きました。最初は二人でオモチャで遊んだり公園で遊んだりしていたようです。しかし、いつしか隣人の子が混じって一緒に遊ぶようになりました。
三人で遊ぶことの難しさを知ることになったのです。
三人が同じように仲が良い、またはお互いに気遣いできる、そのような場合は三人でも楽しく遊べるでしょう。しかし、年齢的にも性格的にも夢中になった方が優先されることが現実です。
わが子は一人ぼっちになり、最初は我慢をしていたようでしたがついには勇気を出して一人で帰ってくるようになりました。

嫌な場所に居続けることはしなくてもよい

ということを実戦で学びました。
そのお子さんには全く悪意がなく自覚もありません。そこで、学校にわが子と一緒に行き担任の先生に相談しました。わが子本人が先生に相談する、ということを練習してほしかったことも理由です。

困ったことがあるときは信頼できる大人に助けを求める

自身の言葉でうまくその場を切り抜けることが困難なわが子のような場合は一人で悩まずに助けを求めることを教えました。そこで学んだ経験値が増えることは、『あの時は~した』という記憶と体験として自分の力になるからです。
わが子にとっての最大の勉強は経験値を増やしていくことです。トラブルはできれば避けたいですが、トラブルがあるたびに成長するというのも現実ですね。

ここまで読んでくださりありがとうございます。



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