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金言798:こんな会社がありました♪

もともと不動産会社で、保有していた土地を一か所にまとめると伊豆半島ぐらいになり、その資産価値は社員とその家族を10数年間養えると豪語していた時期がありました。社員とその家族の数は、数万人という規模だったそうです。創業者は、一代で築いた企業集団を、何人かいた子供たちが会社を分割して相続しました。その中枢のポケットカンパニーを相続したのは、正妻の長男ではなく、何人かいた妾の年少者でした。今法治国家をお騒がせしている東アジアで権力を世襲している一族にすこし似ています。
大きな違いは、親が遺した企業集団を複数の子が分割統治し、相手の商圏には不可侵の紳士協定があったこと。この協定が守られている間は、分割がうまく機能していました。ところが、年長の兄弟が手掛けた多角経営が破たんし、キャッシュフローに窮すると、タブーであった領域、特に中枢企業の商圏にちょっかいをだすようになりました。
これにより、内部抗争が始まりました。骨肉の争いになり、ライバル企業との競争よりも、グループ企業同士の潰しあいに資産が消費されるようになり、よくある結末となりました。オーナー企業は、オーナーが会社のカネをどう使おうと勝手だろうという企業風土があります。経営者への求心力が低下すると、経営幹部もコンプライアンスの優先順位を下げ始めます。
そういう近未来に不透明感がでてきても、多くの従業員は不安不平不満であふれた船を降りようとはしません。昨今の東芝のように、親子二代で勤めた会社に未練が残り、捲土重来の見果てぬ夢をみます。
それなりの実績と自信と度胸がある従業員は、まっさきに飛び降ります。でも、見限った船は予想を裏切りなかなか沈みません。私が飛び降りた船は、沈むのに15年かかりました。
沈む直前の頃には、優秀な同期の何人かは全員役付役員になって事業縮小や資産売却でメディアに露出していました。
思うに、皆それぞれの環境でその時その場で最善の選択をしてきたはずです。15年後にどうなるかは、その時が来てみて初めてわかります。それに、結果を気にするのは、意思決定した本人だけです。良き時代を楽しみ、そして安心安全に今を暮らす。これなら後悔ありません。

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