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配管減肉モニタリングシステムをウェブ化へ ~製造現場の安全性・信頼性の担保を目指す

薄型・耐熱・フレキシブルなセンサーをコア技術を軸に、配管減肉モニタリングシステムを展開しているCAST。この度、現システムがウェブ化したことをご報告いたします。

ウェブ化により、いつでも・誰でも・どこでもモニタリングを行うことが可能になりました。この記事では、ウェブ化を目指した理由や化学工場など製造現場においてのメリット、今後のCASTの展望などをお伝えします。



「ウェブ化」は、製造業の課題解決に必要だった

CASTが展開している「配管減肉モニタリングシステム」とは、工場内の配管の減肉を監視し、把握するためのモニタリングシステムです。以下4つをセットで販売しています。

①薄型・耐熱・フレキシブルなしゃもじ型の「超音波センサー
②超音波センサーを配管に固定させる「超音波センサーアタッチメント
③センサーに電圧をかけ超音波を受信している「パルサーレシーバ―モジュール
④減肉状況をモニタリングする専用ソフト


CASTの配管減肉モニタリングシステムは「つけっぱなし」にできるため、高温部・狭所・高所といった工場内の危険な場所に近づかなくても、配管の様子を把握することが可能です。そのため、社員の怪我や配管の損傷などのリスクを軽減し、安全性や信頼性の確保などを期待できます。

ただ今までの製品では、「④減肉をモニタリングする専用ソフト」がパソコンへのインストール式だったため、一つのパソコンでしかモニタリングできませんでした。

また超音波データの表示やパルサーレシーバーへの給電のために、パソコンを製造現場内の保全室などに設置いただいたり、センサーが取り付けられた配管の足元まで持ち込んでいただいたりしていました。配管のすぐそばに行き、人が直接検査する必要はなくなったものの、現場内に頻繁に足を踏み入れる必要があったのです。保全のために人が近づかなくていいという「製造業の課題を根本から解決する」には、課題が残っていました。

この度のウェブ化により、専用ソフトをインストールしたパソコンでしか見られなかったデータが、インターネットを介していつでも・どこでも・誰でも見られるようになりました。現場内にパソコンを設置する必要もないため、現場にいなくても、それぞれの社員が普段使っている端末でデータを確認できます。

もちろん、配管の減肉データは製造現場の重要な情報ですから、適切なセキュリティ環境の中だけの閲覧に限る設定も開発していく予定です。


安全性と信頼性を今まで以上に守れる

ウェブ化したシステムを最初に届けたいのは、製油所や化学工場を中心とした製造現場です。これら現場でのシステム機器の導入には、防爆規格の認証取得が必須。いかに危険を伴う現場であるかが分かります。

製造現場で働く皆様にとって、CASTのウェブ化した配管減肉モニタリングシステム導入のメリットは以下が考えられます。


信頼性の確保

ウェブ化により、人を問わず、媒体を問わずデータを見られるように。普段使っている端末などで今まで以上に気軽に確認できるため、配管減肉による事故も今まで以上に防げる可能性があります。

もし事故が起きてしまったら、修理やメンテナンスのために製造ラインを止めなければいけません。本来あったはずの売上がなくなってしまいます。製造に携わる皆様にとって事故回数の低減と売上の確保の面から、ステークホルダーからの信頼を確保することにお役立てできると考えています。


社員の安全の確保

ウェブ化により、現場へ足を踏み入れる回数を減らせます。今まで以上に安全を確保した状態で働くことが可能です。

また現場スタッフだけでなく、別の事務所(本社など)や現場で働く社員も、全く同じ画面でデータを見ることができます。全員が同じ情報源にアクセスできることで、データ把握や今後の生産計画などにおける質の向上が期待できます。


システムの改善をすぐに享受

ウェブ化により、システムをお客様にとって常に使いやすい状態に維持できます。

例えば、システム改善のために機能を追加するとして、今まではお客様一人ひとりに新たなソフトをお渡しし、インストールしていただく必要がありました。ウェブ化すると、インターネットを一度介すだけで全員のお客様に情報をお渡しできます。日頃利用するウェブページのアップデートと似たような仕組みです。

最新のシステムをすぐに導入いただけるのは、お客様にとっては今以上に使い勝手が良くなると考えています。


メリットは、安全性と信頼性を今まで以上に守れること

さて、ウェブ化の実現にはかなりの時間を要しました。モニタリングする画面はほとんど変わっていませんが、システムの仕組みは大きく変わったからです。「裏では相当作り変えた」と、CASTの担当者は話しています。

苦労した理由のひとつは「システムの言語が違うこと」。例え話ですが、日本語の敬語を英語に直接訳せないことがありますよね。そもそも言葉がないと、近い意味を表す言い方を探して翻訳していきます。「システムの言語が違う」とは翻訳と似ているところがあるのです。既存のソフトとウェブ化の言語では表現を変えなければならない……ということが多々。一つひとつを翻訳するように作り変え、ようやく実現したのでした。


現在、配管減肉モニタリングシステムは、4つの製品(センサー・アタッチメント・パルサーレシーバ―モジュール・ウェブ化したモニタリングシステム)をセットで販売しています。今後はサービスのパターン拡大も視野に入れ、検討や開発を進めていく予定です。

CASTはこれからも「あらゆる場所にセンサーを」というミッションを軸に、製造業に携わる皆様にとって安全性や信頼性を確保できる一助となれるよう、研究開発を進めてまいります。ご期待いただけますと幸いです。


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取材・執筆:小溝朱里



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