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仮)ただの都会人だった私がゆかりのない足寄町に引っ越してきた話

~町内文芸誌へ寄稿予定の記事です~

私は、2017年の3月末にこれまで住んでいた神奈川県を離れ、妻と二人で足寄町に引っ越してまいりました。
足寄町へ引っ越して来た理由は転勤でもなんでもなく、ただ、”田舎に住んでみたかったから”でした。

そもそも何故田舎に住んでみたくなったのかというと、ちょうど一年前の2016年の年始頃に狩猟に興味を持ち始めたことがきっかけでした。
以前住んでいた場所は都市部寄りの地域だったこともあり、どうせやるなら田舎に行ってやったほうが話が早いのでは?
と非常に短絡的な理由で地方移住の情報収集も同時に行っていきました。

ある日、妻にそのことを話すと、すぐに賛同してくれました。
妻は北海道北見市の出身で、行くなら北海道の十勝で探そう!とノリノリでした。
そして、思い立ったが吉日。気持ちが冷めないうちに、同年度内には引っ越し先も仕事も決めて行ってしまおう!という話になりました。

という訳で、慌ただしくなり始めた2016年の春先、熊本で震度7を観測する地震が発生。
連日ニュースで避難情報などが流れ、東日本大震災の時と同じように物資不足も取りざたされました。
これだけモノがあふれている日本でもひとたび大きな自然災害が起こればなんともろいものかと改めて感じました。

その中で違和感を覚えたのが、お金があっても物資=モノが満足に手にできないという状況があったことです。
僕たちはお金との交換によって様々なモノを手にしています。
どんなモノでもそれが作られるまでには、他の誰かの時間や手間が掛かっています。
お金という対価を支払う事によって自分がその様な手間暇をかけなくても簡単にモノを手にすることができます。

お金があってもモノと交換できないという状況はお金に価値が無くなっている状態です。
少なくともその震災時ではそういう状況が見受けられました。

自分のお金が、ある日突然紙切れ同然の価値になってしまったら、生きていけるのか?モノで溢れ返っていた都会にいた頃には考えられませんでした。

日々、震災のニュースで溢れ返っていたその時期にそんなことをモヤモヤと考えていたのですが、

そこで、仮にお金の価値がなくなったときに、自分の力で生きていく術も身に着けていかなければならないのでは?と気づかされました。

お金に頼らずに自分自身の力で生きていく、即ち食べ物を得る手段を持つという事がこれから生きていく上で非常に重要なものの様に感じられました。

その様に考えた時に、私は”狩猟”と”田舎への移住”はこの先の人生で大きなものになると確信しました。

その後、都心で行われている様々な移住のイベントに顔を出し、偶然出会った足寄町で移住サポートを行っている会社の代表の方のお陰で仕事も見つかり、移住につなぐ事が出来ました。

私は現在「地域おこし協力隊」という形で役場に勤めております。
地域おこし協力隊というのは、任用期間が最大3年と決まっており、その期間の中で与えられた業務(私の場合は主に地域振興を担当させて頂いております。)を行いつつ、
任用期間後の定住に向けた活動(町内事業者に就業、若しくは自身で起業など)も行わなければなりません。

足寄町に来る前から、そして住んでからも様々な人にお会いし、皆さん本当に良くして下さり、感激しております。
私としては是非とも任期後も足寄町で何がしかの事業を作り、定住していきたいと思っております。
今後とも宜しくお願い致します。

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