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センバツ 花巻東vs市和歌山 見どころ

第94回選抜高校野球
大会5日目 第1試合

花巻東 (岩手) vs 市和歌山(和歌山)

強力打線vs速球派エース

宮沢、佐々木麟太郎、田代が中心の花巻東打線に対峙するのは、150キロ近い速球が武器の市和歌山の米田。
高校野球ファンなら誰もが楽しみに思える興味深い一戦である。

今大会注目を集める花巻東の佐々木麟太郎だが初戦から難敵が相手となった。

タイプの違う両チーム

花巻東には「選球眼を生かした小技が得意なチーム」を作り上げる印象があるが、今年は例年とは少しタイプの異なる「打力を生かした大型チーム」に仕上がった。
ただ花巻東のDNAとして引き継がれる小技、走塁の巧みさが失われる事なく上手くミックスされた好チームと言えるだろう。難点を挙げるとすれば秋は打線ほどのインパクトを投手陣が残せなかった点か。

逆に市和歌山は例年通りの「投手を中心とした守りのチーム」を作り上げた。公立校ながら昨年は小園、松川とドラフト1位指名を2人輩出するという快挙を成し遂げた。
今年は旧チームの主力で残ったのはエースの米田くらいで、メンバーが大幅に変わった中でも上手くチームを作り上げて選抜出場を勝ち取った半田監督の手腕は賞賛に値する。

投手力分析

花巻東はサウスポーエース萬谷が軸となる。球速は無いもののカーブ、チェンジアップに加えて抜群のコントロールを武器に秋は安定した投球を見せた。
例年、積極的に複数の投手を起用する花巻東だが、その傾向は今年も変わらない。ただ秋は萬谷と右サイドハンドの工藤以外の投手がやや不安定な結果に終わってしまった。リリーフ陣が冬の間にどれだけ成長出来たかに注目したい。
あとは秋に守備から乱れるケースが見られた点がどこまで修正出来ているかも課題の1つとなる。

対する市和歌山はエース米田の右腕に期待がかかる。MAX149キロと言われるキレのある速球に注目が集まるが、個人的にはむしろテンポの良さとコントロールにこそ強みがあるように感じる。
市和歌山の自慢である堅守は、投手のテンポからくるリズムとコントロールが作り上げていると言っても過言ではないだろう。
控え投手の中では大型右腕の淵本に注目したい。米田が注目されるが、こちらも非常に完成度の高い好投手だ。

打力分析

花巻東の強力打線の中心は何と言っても佐々木麟太郎に注目が集まる。ただ血管の障害から12月に両肩の手術を行っており、その回復具合が気になるところ。センバツ前の練習試合では複数の本塁打も放っており、周囲を安心させたのは好材料か。
佐々木に注目が集まるが、このチームの心臓となるのは1番宮沢、4番田代だ。ともに長打力があり身体能力が非常に高い。宮沢、佐々木、田代と9番の熊谷は中学時代からのチームメイトでチームとしての結束の強さも武器である。

一方で市和歌山には花巻東のような破壊力はなく、打力でやや劣る点は否めない。
ただチーム全体として状況に応じた打撃により、少ないチャンスを確実に生かすという意識が非常に高い。1試合平均で6個近い四死球を選んでいる選球眼の良さ、バントの上手さが大きな武器となっている。
昨年は松川という主砲がいたが、今年は全員で泥臭く1点を積み重ねる野球を心がけたいところだ。

試合の見どころ

何と言っても佐々木麟太郎と米田の対決に注目が集まるだろう。それだけに大事になるのが、その前を打つ宮沢、渡辺の1、2番コンビが出塁するかどうか。

打力では花巻東が上回るだけに、市和歌山としてはロースコアに持ち込みたい。

逆に花巻東は大振りしてフライを打たされる展開は避けなければいけない。

筆者はあらゆる角度から分析しても、結局「花巻東打線を市和歌山がどう抑えるか」がこの試合のキーポイントであるという点は変わらないという結論にたどり着いた。

強打vs好投手の対決を心から楽しみたい。

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