見出し画像

中堅向けITコンサルのすゝめ

私はITコンサルティングという生業がたまらなく好きです。
 
経営層相手に、ディスカッションから実際のソリューションの開発実装まで提供し、実際に会社が変わっていく様子を肌で感じられる。
 
そんな面白い仕事はないんじゃないかと思っています。
 

どんどん加速している現代では、優れた技術が次々に生み出されています。
例えば、Chat-GPTをきっかけに生成AIが急速に普及しています。
でもまだ、Chat-GPTは単体ではただの”ちょっと滑らかな自動応答ボット”でしかありません。
 
その新技術で世の中が変わるには、企業がその実務において技術活用し業務を洗練させていく必要があります。
 
それは技術を世に生み出しただけでは実現されません。
我々のようなITコンサルタントがその技術を各企業に届け、業務の変革まで伴走するからこそ実現されるんです。 

また、こうやって企業にITソリューションを提供し生産性を上げることの意義はクライアントを笑顔にするだけではありません。
ITの力で日本企業の生産性を上げていくことは、労働人口が減少し続け経済が低迷しつつある日本の救国の一手になり得るのです。 

目の前のお客様のために日々ハードに研鑽を積み、自分の手で企業変革を支援し、それが日本全体の未来のため社会から必要とされている。
そんな幸せな仕事がコンサルティング業の本来の姿なのだと思います。

非人間化してしまったコンサル業界

ITコンサルティング業界といえばアクセンチュアやPwC、国内で言えばアビームやベイカレントなどの大手ファームをイメージする人が多いでしょう。
そのような大手ファームの顧客層はナショナルカンパニーを始めとする大手企業が中心です。 

DXやITソリューションというのはどうしても大規模な予算を必要としてきました。
だからこそ、その予算を捻出できるだけの大手企業が顧客の中心にいるのは、ファームの利益を生み出すためにも自然な選択です。 

歴史ある大手ファームでは、国内の主要大手企業を獲得すると同時にサービス提供面での利益体制も整えています。
それはパートナーを中心とするピラミッド型の組織、ファーム内に抱えた開発部隊、など仕組みと規模で効率的な環境を整えているからです。 

また同じようにクライアント側の大手企業も専門部門を整え、ITソリューションを活かすための環境が双方から整っているのです。 

大手ファームのあり方は大手企業を中心としたITコンサルティング業界に大きな利益と生産性をもたらしました。しかし一方で、「自らの手で企業変革を支援し、それを肌で感じられる」というコンサルタントの喜びを失わせてしまったのです。 

仕組化、効率化しすぎたせいでごく一部以外のITコンサルティング業は「高度で専門的な業務」から「効率的である程度誰にでもできる業務」へと変貌し、私から言わせれば面白くなくなってしまいました。 

かつて大手ファームでコンサルタントとして仕事をしていた時の話です。 

分業が進んだ大手ファームでは、コンサルタントは主に業務改善を担当します。
業務を分析し、その効率化のためのシステムを構想する(要件をまとめる)のが仕事です。
その要件に沿って実際にシステムを形にするのは、別の開発チームのエンジニアが担当します。
 
ただ、クライアントの要望や業務の実情だけを見てコンサルが要件を出しても、エンジニアが技術的な側面で「そんなもの上手くいきません」と実現可能性を否定することがよく起こります。
私はエンジニア上がりのコンサルなので、技術的見地から「こんなアプローチであれば、要件を実現できるのでは?」と開発チームに働きかけたりしてみました。
 
ところが、効率化された大手ファームにおいてはチームの役割分担を超えた口出しは”余計なこと”として煙たがられてしまい聞く耳を持ってもらえません。
 
「コンサルは要件を作るだけ。エンジニアは要件通り開発をするだけ。」
各々が自分の分担だけを考えていて、”俯瞰的にクライアントの課題解決を考える”という当たり前のことをする人間は「うるさいヤツ」扱いなのです。

コンサルタントの活躍の場

日々研鑽を積んだ高度なプロフェッショナルとしてのコンサルタントはもう活躍できないのか?
それは違います。

大手企業ではなく、DXがまだ進んでいない中堅企業にDXを提供するのが次のコンサルタントの活躍の場なのではないでしょうか。
中堅企業向けのコンサル現場では予算規模の問題からプロジェクトが小規模であり、クライアントも情報部門だけでなく経営層が参画するため、すべてのコンサルタントにより高度な能力が求められるのです。 

特に、ITに詳しいITコンサルタントはたくさんいますが、コンサルタントとして経営者と経営戦略について話し合える人材は貴重です。
さらに言えば中堅向けのコンサル現場では、経営者だけでなく顧客の現場層へのアプローチもコンサルタントひとりの仕事であり幅広い活躍の場があります。 

これは日本市場の特徴に起因します。
日本企業は米国と異なり、トップダウンやボトムアップな文化ではなくミドルアップな側面があると言われています。 

中間管理職がキーマンになる企業に対して経営層の意思を汲んでミドル層へアプローチするのがITコンサルタントの役割なのです。

「ITコンサルのフロンティア」

中堅企業向けのITコンサル業にはコンサルタントの面白さだけでなく、実は社会的な必要性があるのです。
 
超少子高齢化社会へ突入した日本では、「企業の労働生産性を上げなければいけない」というのが政府を含めた社会全体の共通認識となりました。
 
実際にIT人材の数も増え業界規模も大きく拡大しています。
ですが、実態は企業数の1割にも満たない大手企業が潤沢な資金でDXを進め生産性を上げている一方で、残り9割の中小中堅企業の労働生産性はいまだ低いままなのです。
 
そんな中、ようやくここ数年中堅クラスの企業でもDXに本格的に取り組む機運が醸成されました。
ここで今問題となっているのが、いままで開発を経験していない企業はDXを効果的に実施できていないという現実です。
ロクに要件定義もせずにただパッケージサービスをそのまま導入するだけで効果的な運用にこぎづけず、結局労働生産性はちっとも上がらないなんてことが起きています。
 
これに気づき始めた中堅企業の経営者からは「初めて本格的に要件定義から業務改善を専門家に支援してほしい」と相談されるようになりました。
 
ITコンサルタントとしては腕のなるご相談なのですが、ファームの経営者としてはここで大きな壁にぶちあたってしまいました。
中堅企業向けのコンサルタントの絶対数が足りず、需要に供給が追い付かないのです。

さいごに

「中堅企業向けコンサル」はまさに需要に対して供給が追い付かないという、今一番必要とされている領域だと思っています。

転職市場におけるITコンサル業界は、会社自体の規模によって区分けして考えられがちです。
しかし、戦略/経営コンサル業界と同じようにクライアントの規模で比較してみてはいかがでしょうか?

その中でも、「中堅企業向けコンサル」は、かなり面白い仕事ができると思いますよ。


我々ケースワイズコンサルティングの「中小企業向けITコンサルティング」に興味のある方、
ぜひお話ししましょう!

以下いずれかからお声がけください!
▼萩小田のXのDM
https://x.com/hagioda_CWC

▼HP
https://www.casewise.co.jp/careers/itcons/


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集