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【心霊体験ファイル】 彼女が憑依された夏の夜
これは、僕が大学4年生の時に体験した実話です。
その日は、寝苦しい夏の夜でした。
*
僕は、都内の古いアパートで一人暮らし。
彼女がいて、よく泊まりに来ていました。
暇を持て余した僕と彼女は、怪談話のDVDをレンタル。
深夜0時すぎ。
見終わったところで、眠りにつきました。
「ハッ」
僕はふと目が覚め、時計の針は、深夜2時半。
横を見ると、彼女は、寝ていました。
すると、次の瞬間・・・
ギョロ!
彼女が突如、目を見開いたのです。
そして・・・
「キャキャキャキャキャッ」
奇声を上げ、体をバタバタと動かし始めたのです。
怪談話のDVDを見たことだし、僕を怖がらせているんだろう・・・
そう思い、軽くあしらいましたが、
1分経っても彼女は、奇声を上げ続けたまま。
これ、ヤバいんじゃね?
もしかして憑依された?
「ギョロギョロ、バタバタ、キャキャキャキャキャッ」
絶対、憑依されてるー!
僕は、どうしていいかわからず、とりあえず心の中で叫びました。
「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏」
「すいません、すいません、すいませんすいませんすいません」
「南無阿弥陀すいません仏南無阿弥陀仏すいません南無阿弥陀仏」
よくわかりませんが、とりあえず謝りながら唱えました。
そして、彼女の背中を今度は声を出しながら、思いっきり引っ叩きました。
「出ていけー!出ていけー!」
何度も何度も、声を出しながら、引っ叩き続けました。
2分ぐらい経った頃でしょうか。
突然、彼女は、気を失ったように、倒れ込んだのです。
僕が、声をかけると、彼女は目を覚ましました。
「大丈夫か?」
「何が?」
彼女は、一切、覚えていないというのです。
*
それ以来、彼女にある変化が起きました。
雰囲気が、変わったような気がするのです。
説明するのは難しいのですが、何か違和感を感じるのです。
そして、服の趣味も変わりました。
派手な服装が好みだった彼女。
しかし、地味な服を着ることが、増えたのです。
僕と彼女は、数ヶ月後、別れました。
*
あれからおよそ20年、
先日、その彼女は結婚し、僕は二次会に顔を出しました。
彼女は、けっこう派手な衣装でした。
憑依した方は、出て行ったのかな。
旦那さんは、すごくイケメンでした。
お幸せに!
〜完〜
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