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育休復帰後のキャリアを考える(バリキャリ?ゆるキャリ?フルキャリ?)

こんにちは。二児(5歳・3歳)のワーママkawayaです。新卒から10年あまり、インフラ会社にて技術系総合職として働き、今は管理職に就いています。

約3年間の育児休職後に復職してから、自分がどうキャリア形成していくのかに悩みました。そもそもキャリアって?バリバリ働いているのがバリキャリ?それ以外は何?そんな疑問を解消するために、書籍やネットから情報収集し、自分なりに考えをまとめました。

1.これまでの日本における働き方とキャリアアップ

日本人は勤勉で真面目。そんな印象は日本人の働き方から生まれたのではないでしょうか。日本におけるこれまでの働き方は長時間労働・休日対応がキャリアアップの暗黙の条件でした。まさに「モーレツ社員」。1950~1970年代の高度経済成長期に生まれた、自分や家庭などを犠牲にしてまで会社に尽くし、がむしゃらに働くサラリーマンのことです。

これは1985年に制定された男女雇用機会均等法以降、徐々に女性が結婚後も就業継続可能となっても根強く残っていた思想です。その思想により、出産した女性がキャリアアップを願う場合は男性と同じように働くことが求められ、育児との両立は不可能となり、キャリアアップか育児か、二者択一の選択を迫られました。多くは退職を選び、まれにマミートラック(責任のない補助業務を担う)で生き残り、それ以外の人が育児を外注(両親やシッター等)してキャリアアップしていった時代です。

実際に今も第一線で活躍されている40~50代の方は独身、子なし、あるいは完全外注育児、という方が多いように思います。

2.新しい働き方「フルキャリ」

少子高齢化加速に伴う労働人口減少および多様性による生産性向上のため、2015年に女性活躍推進法、2019年に働き方改革関連法が施行され、企業は柔軟な働き方の提供を進めています。

それに加え、伸び悩む女性管理職比率が注目され、女性の就業継続およびキャリアアップを重視する流れにあります。そんな中で生まれたのが「フルキャリ」です。

「フルキャリ」とは、「バリキャリ」でも「ゆるキャリ」でもない、新しい価値観をもった第3の働き手のこと(NRI武田佳奈氏 著書:フルキャリマネジメント―子育てしながら働く部下を持つマネジャーの心得)

一般論として、バリキャリはイメージ通り、前述のモーレツ社員のように仕事最優先でキャリアを築いてきた女性、ゆるキャリは出産・育児を契機に生活最優先で何とかキャリアを継続してきた女性を指します。フルキャリはその中間、仕事も生活も大切にしてキャリアアップをしたいという女性を定義しています。

これは人間の欲求理論通りだなと思いました。心理学者アブラハム・マズローが人間の欲求を5段階に分けて提唱した説によると、最下層から①生理的欲求(食欲、性欲、睡眠欲等)②安全欲求 ③社会的欲求(集団帰属、愛情) ④承認欲求 ⑤自己実現欲求 となります。

人は①生理的、②安全面、③社会的に満たされると、承認欲求や自己実現欲求を満たしたくなります。仕事で認められたい、自分の可能性を探求したい、という気持ちです。これまで女性が①②、かろうじて③を得てきた時代から、④⑤の欲求を追求する時代に遷移し、それがフルキャリを生んだのではないでしょうか。

3.多様な働き方を認め合うことが最重要

バリキャリ、ゆるキャリ、フルキャリ、と3つの言葉がありますが、働く女性をこの3パターンにはめ込む必要はないと思います。最近はこんな言葉がある、くらいに留めておいて、実際に重要なのは自分の幸せのためにどんな選択をするか、そして互いの働き方を認め合うことです。

育休復職後の人によく聞く話ですが、周りの目を気にするあまり自分自身の幸せよりも周囲との調和を重視し、働き方やキャリア形成に葛藤することがあります。例えば自分だけ定時で帰るのが気まずい、というのもその一つです。自分優先のベストな選択、行動は簡単なようで難しいですが、自分の人生の幸せのために最も大切だと思います。

また互いの働き方を認め合うことについては、特に集団行動を好む女性にありがちですが、自分と違う志向、働き方をする人に敵対心を見せる場合があります。私の職場の例ですが、ベビーシッターを最大限使って仕事に邁進してきた=バリキャリの女性先輩が、復帰後フルキャリ志向の私に対して明らかな敵意をもって接してきました。出産前は仲良くしていたので、とてもショックでした。恐らく「こう働くべき」という考えに固執し、他の働き方を認められなかったのでしょう。関係改善のために何度か一対一で話をしましたが、残念ながら認め合うまでに至りませんでした。これでは多様性は生まれません。自分と周りを大切に、違いを認め合う風土づくりが働き方改革の第一歩であり、職場の管理職が取り組むべき課題だと思います。

会社によっては、なかなかその一歩が進まないところもあるでしょうが、まず自分でできることをやる。自分の幸せ(何を大切にしたいか)を考えて、現実として目指すものを掲げ、声を上げ、時おり軌道修正しながら、自分なりの働き方を作りあげていきたいと思います。

同じような境遇の方、お互いがんばりましょう!



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