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ついにその時がきてしまった。

 9歳になった息子。

とうとうその時がきた。

「サンタって本当はパパとママなんでしょ?」

(おっと。)

「だから、スマホも新しいIpadも貰えないんでしょ」

(......お察しのとーり。)

12歳になった娘は口にはしないものの、とっくに感づていたとは思う、

が、息子は直球勝負。

「 .....いや、どうかな。 ママも会った事ないから本当にいるかいないかは分からないけど、でもさ、いるって思ってた方が楽しいよね。」

と返してみた。

と主人に話すと、

「そうか、ま、俺なら違う返事をしたな。」

と。

(あ、そう。じゃ、あんただったら、咄嗟にどうやって返したん?)

と心の呟き。

と言うかだ、主人がどう返すかは知らんが、いつまでもファンタジーを押し付けるのもいかがなものかと、結構前から私は思っていた訳で。

だいたいウエスタンカルチャーのイベントはどんなに両親が頑張っても、クレジットはこのファンタジー生物達がごっそり持っていく事に常々疑問を持っていた。

サンタクロース

イースターラビット

トゥースフェアリー

子供が寝静まった後にこっそり訪れる彼等。

彼等の演出をするのは結構眠い。

毎回結構なプレッシャーだ。

しかし寝起きにサプライズの子供達の嬉しそうな顔を見るために頑張る。

だから、まあ、そこまではいい。

しかし、成長と共に子供も現実を知っていく。そんな時に、いや、違う、疑うなんてけしからん!信じるべきだ!

ていうのは、また違うんじゃないかと思う。

私にしてみれば、それは、

「神様は信じないといけない!」

と言ってるのと何ら変わらないんじゃないかと思えてくるほどだ。

(だいたい私が子供の頃は歯が抜けたら、上の歯は屋根上に投げ、下の歯が抜けた時には縁側の下に投げたもので、トゥースフェアリーなんて知りもしなかったし)

育ってきた文化が違うし、何を大切にするかはその人次第だけど、思想を強制するのはよくない。

これもまた親が子供の成長を認めたくない一部なのかな。と一人密かに親離れが近づいてきている事に一抹の寂しさを感じた。






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