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学部時代の過ごし方

こんにちは☺︎

今回から私の大学生活・研究生活を振り返っていこうと思います。
ただ時系列で並べるだけでは日記と大差ないですから、現状に寄与したと思われること、誤解を恐れずにいうならば〈know-how〉だけを取り出していくつもりです。

前提として、私の学部時代の生活を共有しておきます。実家暮らし・週3バイト・残りの日は飲み会でした。バイトと飲み会が忙しくて、特に趣味もなかったので、サークルには入っていませんでした。テスト・レポート期間以外に日頃から勉強しているタイプではなかったですが、以下に記したように自分の関心事については読書会などに参加していました。

それでは、私の学部生活における〈know-how〉、研究者になるための助走期間を紹介します。

①広く基礎を学べる大学のカリキュラム

ドイツ語とラテン語の履修
古代哲学史から近代哲学史(現代哲学史)まで
形而上学・倫理学・美学の基礎講座

一つ目は入学した大学の基礎カリキュラムの充実です。
第一外国語は英語かドイツ語から、第二外国語は英語、ドイツ語、フランス語、ラテン語から選択可能でした。私は心機一転新しいことにチャレンジしたいという気持ちだけで、第一外国語にドイツ語を、第二外国語にラテン語を選択、それぞれ2年間の語学授業を受講しました。今になってみると、もう少し英語も勉強しておけばよかったな、とは思いますが、やったことのある英語は自力でできても、初めての言語は語学に苦手意識のある私にはかなりハードルが高いので、結果的にベストな選択でした。
さらに、古代から近代までの哲学史が必修であること、希望すれば形而上学・倫理学・美学の基礎講座をすべて受講できたことは、かなり恵まれた環境でした。大学院に進学してからのことはまた別の機会にお話ししますが、全体を学べるのは学部生のときだけです。意識せずともそのようなカリキュラムのもとで学べたことは、私にとっての一つの財産です。

②徹底的に教えてもらえる環境づくり

関心のある文献を先輩と読む機会創出
学外でのコミュニティづくり

二つ目は私が無意識のうちに実践していたことで、多分一番大切なことです。
私の通っていた大学には、学部生から院生までが集まって行う読書会の文化がありました。興味関心のある者同士でグループをつくって、定期的に活動しています。当時はかなりの数あったのですが、残念ながら私の関心に近いものはありませんでした。その話をとある先輩にしたところ、「そしたら自分でつくってその文献を読めばいいじゃないか」と。その一言をきっかけに、人数は少ないながらも自分が読みたかった文献を、先輩たちに一から教えてもらう読書会を2年弱続けました。ちなみに、そこではアウグスティヌス『自由意志論』とカント『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『道徳形而上学の基礎づけ』を読みました。そのチョイスも、最初のアウグスティヌスを除いて、先輩たちのアドバイスでしたね。
その後先輩たちが進学してしまったこともあり、私の関心がいくらかニッチな方向に向かってしまったこともあり、この読書会は終わってしまいます。そこで私は、学外にメンバーを求めてSNSで募集しました。結果的には、SNSの力だけではなかったものの、一定数のメンバーが集まり、学部生活の後半はそのメンバーで今の研究対象の文献を読んでいくことになります。参加者のなかには他大学の院生も複数いらして、学内での読書会とは違う刺激をたくさん受けました。卒業論文の書き方や大学院生活の難しさ、読書会の運営方法まで、いろいろなことを教えてもらう場でした。今はその読書会そのものはなくなってしまったものの、そのときのメンバーとは変わらず交流があり、お世話になっています。
どちらにも共通するのは、自分が学べる環境を探して、なかったらその場をつくってしまう無鉄砲さです。もちろん、手を差し出してくれる先輩たちがいたことは運の良さではありますが、SNSで声をかけてみる、気になる研究者に会いに行ってみる(オープンキャンパスや講演会、研究室にメールでアポをとるなど)、一度は自分から動いてみるのもいいのではないでしょうか。

③お互いの成長を感じられる仲間

伴走者としての同期
同期からの刺激

三つ目は同期という愉快な仲間の存在です。
学部1年生の頃からゼミナールがあったこともあり、彼らとは多くの古典作品を一緒に読んで議論を交わしてきました。
3年次になって必修ゼミナールがなくなってからも、一部の同期と読書会をしたり、卒業論文の構想発表会をしたり、そしてその都度みんなで飲んで騒いで、多くの時間を共有してきました。
とはいえ、記事の趣旨からすると、ただの友情を取り上げても仕方がありません。
私が今回お伝えしたいのは、自分の鏡としての同期の存在です。初めてのゼミ発表のときからお互いを知っているからこそ、相手の成長を敏感に感じ、そこに刺激を受けるという場面は幾度もありました。そしてその都度、仲間を通じて自分自身の成長を知ることができました。
一番身近で長い付き合いができているのは、私の場合、同期という仲間です。

今回は学部生の頃を振り返って、今に通じる3つの〈know-how〉を紹介しました。
改めて人との出会いに恵まれていたことを実感できたので、それだけでこの記事を書いたことは私にとって意味があったように思います。

今回のカバー写真は、学部2年生のときに旅行をかねて北海道で開催された学会に同期の何人かで行ったことを思い出したので、そのときの夜景にしてみました。


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