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Morning Brew(モーニングブリュー)について解説。英語学習にもおすすめの急成長ニュースレターメディア。

Morning Brew(モーニングブリュー)というニュースレターメディアについて、ご存知でしょうか。

米国で近年急成長を遂げたニュースレターメディアです。創業者のアレクサンダー・リーバーマン氏とオースティン・リーフ氏が、2015年、ミシガン大学在学中に立ち上げました。創業者の2名は2021年時点でまだ20代というので、驚きです。

ニュースレターメディアというその名の通り、ニュースレターを主軸としたメディアとなっており、こちらからメールアドレスを登録すると、週6日、毎日ニュースレターが届く仕組みになっています。テクノロジー分野を中心にさまざまな分野について最新の情報を発信しています。

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モーニングブリューは20代〜30代の若い世代で人気を博し、今では米国では「誰もが知っているメディア」にまで成長しました。英語のニュースメディアでありながら、ウォール・ストリートジャーナルやエコノミスト等と異なり、文体はカジュアル。若者向けの”今風の英語表現”を学ぶことができます。

私は3年ほど前より、友人の紹介でモーニングブリューを購読するようになりました。ニュースメディアでありながら比較的カジュアルな英語表現が多数学べることから、英語学習のツールとしても大変おすすめです。しかしながら、日本国内ではまだ知名度が低く、日本人でモーニングブリューについて知っている人が少ないのが現状です。

今回は英語ニュースレターメディアとしてのモーニングブリューについてご紹介するとともに、日本の英語学習者の方におすすめの理由を解説します。

モーニングブリューの歴史

今でこそ米国内で知名度を上げているモーニングブリューですが、創業初期には一切のベンチャーキャピタルからの資金調達なしで、オーガニックコンテンツで地道に購読者数を伸ばしてきたことが特徴です。

創業当初は、アレクサンダー氏が一人でニュースレターの執筆を担当し、MailChimpというSMB向けのメール配信ツールを活用しながら毎日のニュースレター配信を行っていたといいます。

当初はミシガン大学の学生や教授、学生団体を中心に購読者数を増やすことに注力していました。大学生のインターン生を活用するなど徐々にメンバーを増やしていきましたが、マネタイズを実現するまで実に2年半の時間を要したことがインタビューで語られています。

その後、リファラルプログラム(友だち紹介制度)を上手く活用するなどして急速に会員数を伸ばすことに成功しました。2020年10月には$75,000,000(約80億円相当)でビジネスインサイダー社に買収されています。2021年1月時点では会員数は500万人に成長しており、会員数を伸ばし続けています。

現在では通常のモーニングブリューのほか、マーケティングやリテール、テック領域に特化したニュースレターも配信されています。

Morning Brewによるニュースレター
Morning Brew:元祖ニュースレター。政治経済や株情報、公衆衛生など幅広い情報を取り扱っています。

Marketing Brew:マーケティング分野に特化したニュースレター。モーニングブリューのサイト内では、CMOシリーズコンテンツもあります。各界のCMOへのインタビュー対談が充実しています。

Emerging Tech Brew:テック分野に特化し、AIやロボティクス、VC、EVなど幅広い情報を発信しています。

Retail Brew:リテール分野に特化。Eコマースやファッション、食品業界などの情報が充実しています。

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(各ニュースレターのTwitterアカウントも開設されています。ニュースレターの著者がタグ付されており、彼らをフォローすることで最新情報をキャッチアップすることもできそうです。)

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(モーニングブリューのニュースレター。ナスダックやS&P等の株価情報とともにビットコインの価格についても記載されている点が、若者向けであると感じています。)

モーニングブリューが英語学習におすすめな理由

私は30代の頃に英語力を集中的に強化しようと努めた時期がありました。特にビジネスシーンで必要なライティングの勉強方法については、学校や専門のスクールで体系だって学べる分野ではないため、試行錯誤し、工夫してきました。

外資系企業で勤務される日本人の中で、日本の大学受験英語から抜け出せず、外国人から見たらやや稚拙な英語表現をビジネスシーンで多用してしまう方は、決して少なくありません。英語力は一つのスキルに過ぎません。けれども、努力次第で向上できるスキルだからこそ、こなれた英語表現を身につけることができれば、海外のステークホルダーから信頼獲得できる時間を短縮することができます。

英語のニュースメディアにおいてはモーニングビューのほか、フィナンシャル・タイムズやウォール・ストリートジャーナル等、複数のメディアを購読していました。なかでもモーニングブリューは、英語を第二言語として学ぶ全ての方、特にビジネスコミュニケーションにおいて英語を使用する方に大変おすすめのニュースメディアです。

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モーニングブリューのおすすめポイントは、現代米国社会の若者向けの”今風の英語表現”を身に付けられることに加え、普段アメリカ人がビジネスシーンのコミュニケーションで使用する「実用的なライティングスキルに必要な英語表現」を学ぶことができる点です。

日本人の英語学習者にありがちな学習方法として、「エコノミストやウォール・ストリートジャーナルの定期購読」という学習方法を推奨される方がいます。これらのメディアについては、リーディング力の強化という意味では、否定するつもりはありません。しかし、ビジネスシーンで必要とされる英語表現について学ぶことはできません。

米国でのビジネススクール留学時代、アメリカ人同級生が「ウォール・ストリートジャーナルの英語表現って、堅苦しくて難しいから、読んでいて眠くなっちゃうんだよね」と呟いていたことに驚いた経験があります。ウォール・ストリートジャーナルのようなニュースメディアの英語は、英語のネイティヴスピーカーであるアメリカ人ですら、「読んでいて眠くなっちゃう」ような英語表現が多用されているのです。日本のニュースメディアに例えるならそれは、「日本経済新聞の政治欄」といったところでしょうか。

そうして私は、格式高いとされるウォール・ストリートジャーナル等のメディアから英語表現を覚えようとする学習方法は時間の無駄が多いと判断し、断念しました。それからはモーニングブリューを中心に英語表現を学び、ライティングスキルを向上させることを心掛けてきました。

※なお、ウォール・ストリートジャーナルやフィナンシャル・タイムズ等の「格式高いメディア」は、業界知識・知見を広げるという意味では大変有意義だと思います。私は今もこの2誌を年間購読しています。

モーニングブリューで学べる英語表現

私は、スラングや最新の略語など、大体Morning Brewから学んで身に付けてきました。

たとえば、Brbというスラングがあるのですが、これはbe right back(すぐに戻るよ、ちょっと待ってて、という意味)らしいです。ビジネスコミュニケーションにおいて、さりげなくこのような表現が使えると、アメリカ人同僚から一気に親近感を持ってもらえるようになり、非常に役立ちます。こういう英語表現は、日頃からコツコツ地道に学んでいかないと、なかなか覚えられません。

また、2020年10月に米ゴールドマン・サックスがマレーシアでの不正疑惑で話題になった際のメールタイトルは、”Goldman sacked ”でした。このような英語の語呂合わせや表現のニュアンスは、なかなか日本国内での英語教材では身につけることが難しいのです。モーニングブリューを購読しておくことで、アメリカ人が日常的に使用する英語表現について感覚的に学ぶことができます。

モーニングブリューのポッドキャストもおすすめ

Founder's Journa‪l‬ というポッドキャストでは、創業者のアレクサンダー・リーバーマン氏による一人語りのコンテンツが提供されています。話すスピードもゆっくりで、トピックも多くの人に馴染みあるものが選定されています。日本人の英語学習者で「アメリカ人のネイティヴスピーカーの英語は苦手」という方にこそおすすめです。

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Morning Brew主宰のポッドキャスト
Founder's Journa‪l‬:創業者アレクサンダー・リーバーマン氏によるひとり語りのコンテンツを提供。1回10分〜15分程度のコンテンツで、英語のスピードがゆっくり、なおかつ多くの人に馴染みのあるトピック(コロナ収束後の職場環境はどうなる?など)のため、おすすめです。

Business Casual:Morning Brewの元社員キンゼー・グラント氏が毎回各界の著名人にインタビューをするコンテンツ(彼女は2021年3月にMorning Brewから独立しています)。今時のニューヨーカー・20代女子の英語に触れることができます。英語リスニング教材としてもおすすめです。

ポッドキャストについては、以下の記事でもご紹介しています。


今回は私の好きなモーニングブリューについてご紹介しました。数年前からずっと応援しているニュースメディアなので、今後も成長に期待しています。

ちなみに英語学習という意味では、私の記事を見て「こんなにマニアックな勉強までは必要ないだろう」と思われる方もいると思います。私個人は、現在は東京を拠点としつつも、米国に向き合う仕事をする過程で、ネイティヴスピーカーとの対等なコミュニケーションを心掛けているため、米国での大学院卒業後も第二言語としての英語を学び続けている最中です。この点は、どのような働き方をしたいかによって、目標設定が異なって然るべきだと思います。

何事も周囲の情報に惑わされず、自らのキャリアゴールに適した目標設定や学習方法の選定が大切だと感じています。

どなたかの参考になりましたら幸いです。

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