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グラスリッツェンを試してみる

ガラスの表面を削るグラスリッツェンという技法を試してみた。

使った道具

・グラスリッツェン用の針(緑丸、緑楕円、緑角)

 これは針の先端にダイヤモンドなどの粒子をつけて擦ったところに傷をつけられるようにしたものと思われる。赤と緑と白があって赤が粒子が大きい、緑が普通、白が小さいとなっている。一本1500円少々。ネットで購入。

・針を取り付けるホルダー

 針は細く短いのでこのホルダーにつけて作業する。一本800円ほど。ネットで購入。

・黒い厚紙

 だいぶ昔100円ショップで購入したもの。2枚あったので一つは作業時に下に置いて削り具合を確認するのに、もう一つは撮影用とした。

・ティッシュ

 ガラスを削る時に粉が出るのでそれを拭き取るために使った。

 あとは作業が終わったら作品を水で洗って出来具合を確認するのでタオルもあるとよい。

ガラスを削ってみる

 最初はケセランパセランのような毛玉を描きたくて透明なガラスペンダントの裏にいくつか線を引いてみた。裏に描けば表からはガラスのレンズ効果で大きく見えると思ったからだ。しかし、思うように線を引くことは難しかった。絵を描くようにとはいかない。相手はガラスだ。

 図書館で借りてきた本を見るとかなり綺麗に作品を作られているのでそのようにいけばと思ったがバーナーワークと同じでこれも習熟が必要なようだ。

全体をすりガラスに

 最初ということで、ケセランパセランは楕円の針の側面を使ってすりガラスにして消してしまい、その勢いでペンダント全体をすりガラスにしてみることにした。そうしてできたのが上の写真の右である。そのほかに削るところと削らないところを作ったりして色々試してみた。

出来栄えは

 ガラスをすりガラス状にする方法として、薬品で浸食させる方法(エッチング)、機械で砂を吹き付けて削る方法(サンドブラスト)などがあるが普段使っている薬品で浸食させる方法と比べてみるとやはり質感は少し違っていて、近くで見ると削ったストロークの跡がわかる。これは作品を作る際に質感の表現として使えそうだ。(下の写真は薬品でのエッチングの例)

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全体をすりガラスにした場合の所要時間は15分程度だろうか。これは薬品で浸食させた場合と比べ、手を動かし続けているので同時に一つしか作業できないし、手間がかかっているといわざるを得ない。ただ、技法として絵を描く、模様を入れるなど様々な広がりがあるので有用に見えた。

まとめ

・ガラスの上に線を引くのは絵を描くようにはいかない。習熟が必要。

・針で削り、すりガラス状にすると表面にストロークの跡ができて質感の表現に使える。

・針で削り、すりガラス状にした場合、薬品で浸食させすりガラスにした場合と比べ表面は荒くなる。

・作品全体をすりガラス状にする場合は薬品で浸食させる方法より手間がかかる。

 ということがわかった。

あとがき

 今回グラスリッツェンを試して、やり方次第で表現の幅が広がる方法のように思った。全体をすりガラス状にするとストロークの跡が出て面白いと思った。さらにサンドブラストよりもずっと安価で道具を揃えられるのでガラス作品をすりガラスにしたいけど薬品を使うのはちょっと、でもサンドブラストの機材を買うまでではない。という方におすすめ。(人に優しいガラスエッチングの薬品もあるにはある)(グラスリッツェンは複雑な立体作品を満遍なく削るのは難しい)

 ※今回使ったガラス作品は自身がエアバーナーにより製作したものです。

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