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受験科目以外の教科の可能性

受験科目として学生に課されるのは国数社理英の5教科のため、どうしても5教科の学習に重きが置かれがちです。しかしいわゆる「副教科」と言われる家庭科・技術・美術・音楽の科目にこそ探究の種があるのではないかとヒントになった記事があるのでシェア。

記事の趣旨は、家庭科は様々なテーマを内包した時代の価値観を映す有用な教科だが、受験科目ではないため授業時間が少ない。また家庭科は女性のものというジェンダーバイアスをぬぐう必要がある。といったものです。

記事の中からいくつか気になる言葉を引用します。

衣食住に関する内容のみならず、「自分・家族」「子ども」「高齢者」「社会福祉」「消費・経済」など、堀内氏が手がける教科書では、一生分の話題を10章に分けてまとめている。

ここまで聞いてきて、こちらも気づくことがある。探究学習やキャリア教育、地域共生やLGBTなどのジェンダー論、「正解のない問い」に気づくこと。近年学校で求められていることの多くが、もともと家庭科の領域に含まれていたといえるのではないだろうか。

「時間が足りないと思っているのはほかの教科の先生方も同じでしょうし、学校でやることが増えすぎているという意見ももちろんあると思います。だからこそ、家庭科をうまく生かして、学校内のさまざまな学びをリンクさせてほしいのです。探究や地域共生も、家庭科と連携できる部分は大きいはず。入試方式の多様化も著しい今、家庭科で扱うダイバーシティーや男女共同参画が小論文のテーマとして出題された例もあります。受験科目でないから注力しないのではなく、気づきの種をまく教科として、ぜひ生かしてほしいと思います

これを読んで、実技系4科目が探究の種になる理由について考えてみました。

①身近なテーマで「好き」を感じやすい

実技系の科目は、幼いころから触れていること、自分の生活に直結していることから子どもにとってごく身近な営みです。歌や楽器を演奏すること、音楽を聴くこと、工作をすること、絵を描くこと、料理・お菓子作りをすること。どれもが生きる上で必要であったり、その行為自体に楽しみを持てるものです。「好き」「やってみたい」を感じやすく、主体的に学びを深めていくことができます。
私自身の例でいくと最近はペペロンチーノを探究しています。どうしても美味しいペペロンチーノを作りたくて、毎回試行錯誤を繰り返しています。
料理が好きで、自分の手で美味しいものを作りたいという願望を常に持っているので、一筋縄ではいかないペペロンチーノづくりに熱中しています。

②何に役立つかが分かりやすい体験を通した学びである

5科目だとこの学びが何に繋がるのだろうと考えがちですが、実技系科目は、教科の学びが何らかのアウトプット(作品や生活が変わる等)として現れるので、学びの成果を感じやすく、成功体験を得やすいと思います。また、成功した先に、新たな問いが生まれるとも感じています。
先ほどのペペロンチーノの例でいくと、美味しいペペロンチーノが食べられれば、その探究テーマは上手くいったということになるでしょう。そしてそこからなぜこれだけの材料でこんなおいしいものができるのかという新たな問いが生まれるのです。

③5教科の科目の集大成である

実技系科目と5教科と便宜的に分けられていますが、それぞれの科目同士はつながっています。実技系科目を深めていくことは5教科の学びを具体的にしていくことです。
先ほどのペペロンチーノの例でいくと、パスタのゆで汁の塩分濃度を1.3~1.4%で細かく調整したり、ゆで汁を入れる量を60cc~調整したりと数学の要素が含まれています。オリーブオイルとゆで汁を混ぜる乳化の仕組みは理科で説明できます。また、イタリア料理であるペペロンチーノはオリーブオイルを多用しますが、オリーブの生産とイタリアの気候を結び付けて考えれば社会の要素です。
このようにペペロンチーノづくり一つとっても、そこから5教科への結びつけがあらゆる方向で可能ですし、深い学びにつなげていくことができます。

このように、受験科目ではないものこそ、体験可能で身近な、かつ深く深く掘り下げていくことのできるテーマが潜んでいて、学び多き科目なのです。とっつきやすく、家庭でも取り組みやすい実技科目、この冬休みになにかチャレンジしてみるのもいいかもしれません。

私もペペロンチーノづくりを極めます。


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