ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第14わ「チェック(王手)」
(承前)
急場は凌いだ。息を整え周囲を見渡す。マンハントは死滅。敵のハントマンも相棒が抑えている。我々は勝ったと思っていいのか。
「クソッ!クソッ!折角ハントマンになれたのに!」
「それが、貴女の、遺言ですか?冴えないですね!」
相棒は左右のパウンドを継続中。
なぁ。これって、ハントマン───貴族同士のゲームなのだろう。
「そうです!領土と、財産を賭けた、真剣勝負、です!」
まだまだパウンド。
そいつ、殺しちゃっていいのか。ゲームで。
そもそも俺は詳しいルールについて説明されてない。後から重いペナルティを課されるのは嫌だな。
「はい!問題!ありませんよ!」
更にパウンド続行。女が女を殴り続けるのを見るのは堪える。
それも殴られている方は知人に擬態しているときた。
いっそ一思いにやれよ、と言いかけて違和感。
何かが足りない。俺が居る。相棒がいる。今にも死にそうな敵性ハントマンがいる。まさか敵の❝ニンゲン❞が潜んでいるのでは!?
(続く)
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