ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第3わ「物語は始まる」

(承前)

やれやれ。僕は相棒に的確な指示を出して、襲い掛かる怪物を返り討ちにした。相棒の繰り出すキックに次ぐキック、そしてダッシュからのジャンプそしてキックを喰らって怪物が倒れると、ソレは青い炎に包まれた。……フンイキ出てるじゃないの。

おめでとう!これでチュートリアルは突破だ。明日の夜からは町に潜むマンハントは容赦なく君を狙うようになる。本当の❝ゲーム❞はここからさ。

青い炎。消し炭も残らない怪物の死骸。
ハントマンが、相棒の吸血鬼が小走りで駆け寄って来る。誇らしげに。少し恥ずかし気に。雑居ビルの屋上に吹き込む夜風は刺すように冷たい。これは、夢じゃないのか?

❝ゲーム❞の進行に応じて必要な情報は君のデンワに送るから心配はいらないよ。デンワから君たちの強さ、所持しているアイテム、町の勢力図、戦いの軌跡がいつでも確認できる。これはゲームだからね。そういうものだろう?

眠れない夜が、終わらない悪夢が始まったのだ。

(続く)

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