ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第34わ「情報は小出しに」
(承前)
「ハントマンはパートナーに追従するのがルールです。そしてニンゲンが❝やる❞と言えば余程のことが無い限り従わなければいけません。これもルールですので」
俺が何処へ行こうにも相棒は付いてくるということか。
まるで往年のロールプレイングゲームみたいだと思った。
勇者が何をやっても愛想を尽かさず命がけで戦う仲間たち。
「ニンゲンの七転八倒と、それに振り回されるハントマンを安全地帯から監視するのが同胞の娯楽になっているのです」
「我々は常に君を監視しているからね」───ゲームマスターは言っていた。もしかしたら今の相棒との問答も吸血鬼の貴族どもがワイングラスなど傾けながら高みの見物しているのかもしれない。そして『いいからさっさと先に進めよ』なんてコメントなど投稿しているかもしれない。
「出来るだけ❝ゲーム❞のルールは教えたくありません。ニンニクも十字架も効かないハントマンにとっての弱点を並べるようなものですから」
(続く)
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