ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第8わ「ゲームの文法」
(承前)
「誰と競う点数か、ですか。当然、他のハントマンです。と言っても、点数で勝負が決まるわけではありませんが」
そう言って相棒は俺が寝る前に枕の下に敷いた銀玉鉄砲を指差す。
「その玩具みたいな銃も、点数次第で強力な銃器と換えて貰えます。ちなみに銀の弾丸も点数と交換で貰えますよ。他にも……私に使うことも出来ます」
それって「経験値」みたいに振り分けられるとか?
俺たち人間が遊ぶゲームみたいに。
「ええと……それもあるのですが。私の顔とか、体型とか、喋り方、髪の色と瞳の色も、点数次第で自由にカスタマイズ出来るのです」
やっぱりゲームみたいじゃないか。伝承では霧や蝙蝠に姿を変える吸血鬼には、それぐらい朝飯前なのだろうけど。
「最初の一回は無料で出来ますよ。選べる服装も色々あって……」
変に気を回すな。俺は着せ替え人形を相棒したつもりは無い。
「二人称も自由に変えられますよ。ご主人様、とか呼んで欲しくありません?」
別に。
(続く)
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