ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第5わ「質疑」
(承前)
さぁ、ゲームの始まりだ。
我々は常に君を監視しているからね。
相棒、頼むから起きてくれ。そして俺の質問に答えてくれ。この世界が吸血鬼の支配するゲームの❝卓❞で、人間はゲームの❝駒❞でしかないことは百歩譲って信じてやってもいい。だが分からないことがある。
「分からないこと?」
ベッドの下から黒塗りの棺が滑るように飛び出してきた。
ぎぎぃ、と音を立てて半開きになった棺からは我が相棒が眩しそうに顔をのぞかせている。
……聞きたいことは二つ。第一に、GMはハントマンを「吸血鬼の貴族」と言っていた。では同じ吸血鬼のマンハントは?「吸血鬼の平民」がマンハントということなのか?外見からして、あまりにも両者はかけ離れているように思えるのだが。
「その質問は尤もです。……もう一つの質問は?」
どうして吸血鬼は❝ゲーム❞に興じる?この戦いに、どんな意義がある?更に言えば、どうして❝食事❞と❝ゲーム❞を両立させようなどと考えた?
(続く)
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