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人形狩り人形の長い夜(#2)

承前

「ちなみに、この文章は我が相棒が代筆している。代筆というのも妙な話に思われるかもしれないが」

「本当に変な話だよ。機械音痴の機械(オートマトン)だなんてさ」

僕はヴォルフガング。ご先祖様の生み出したオートマトンの「トルコ人」を相棒に、世間を騒がせる呪われた人形を退治するという、賞金稼ぎの真似事をしています。文通アプリでやり取りをしているのは依頼人……ではなく今回のターゲット。アプリを通じて相手の位置情報を把握し、徐々に近づきながら相手を精神的にも追い詰めて襲うという、電子戦もある程度こなす厄介な❝複合タイプ❞の呪い人形です。

「私、モリー。今、あなたの後ろにいるの」
「それは好都合。僕と相棒で君を挟み撃ちすることが出来るからな」
「何ィ!?」

僕の背後に、幻のように出現した呪い人形が……更に後ろで待機していた僕の相棒に首を掴まれジタバタしている。

「こうやって後ろを取られる気分はどうだ、モリー」
「最悪」

続く

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