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ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第76わ「二人で一つの」

(承前)

最後まで❝ゲーム❞に勝ち残る。俺も相棒も欲しいものを手に入れる。やることは決まりだ。目指すゴールは変わらない。他の道は無いことを改めて確認しただけだ。……ただ、配られた手札を並べ直しただけのこと。

「それで、話は戻りますけど。結局ダンナの欲しいものって何でしょ?」

つまるところ、本当に熟慮に値するのは、その一点に尽きるのである。

「爵位?それとも領土?」

いらない。

「自分の城塞とか?」

いらない。

「一国一城の主とやらになりたくないんですか?最近の若いニンゲンは無欲ですねぇ」

どんなに強くなっても偉くなっても、それは結局❝人間❞の枠組みの中のものでしかないと知ってしまったのだ。俺が無欲だと思うのなら……それは人間が吸血鬼の家畜で、ゲームの駒で、シャーレの中の微生物でしかないと知ってしまったせいだ。

「うーん……分かりません。ヒントは無いんですか?」

人間としての願いは虚しい。だが生物としての願いは消えない。

(続く)

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