ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第97わ「夜は静かに」
俺の話は終わりだ。長々と引き留めて悪かった。リフレッシュとやらに戻って良いぞ。そう言って俺は相棒の背後に回り込んで背中に覆いかぶさった。世界的に有名な配管工が長年の相棒、スーパードラゴンに跨るように。
「つまり、こういうことですね?ダンナは私を一人にはしてくれない、と」
そういうことになる。そして俺は、お前の邪魔はしない。文句を言ったりもしない。好きなように暴れて、好きなだけ俺以外の誰かの血を吸えばいいのだ。
「ええ、私だって最初から血を吸わせてくださらないニンゲンの言う事なんか聞くつもりはありませんでしたとも。私は私の好きなように動きますから。でも」
何だ?相棒はその場から動かない。今この瞬間にでも喜び勇んで飛び出して、美味そうな人間を探し始めてもよさそうなものだが。
「ダンナの話が長いせいで今日の自由行動時間は終わりそうです。少し余裕がありますけど、今日はこのまま例の雑居ビルまで行きましょうか」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?