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ハントマン・ヴァーサス・マンハント/第2章

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2021年2月の記事一覧

ハントマン・ヴァーサス・マンハント/第2章/第2節/「短生種は長命種の隣に立つ夢を見るか?」 #6

ハントマン・ヴァーサス・マンハント/第2章/第2節/「短生種は長命種の隣に立つ夢を見るか?」 #6

(承前)

わざとらしい咳払いが一つ。服の埃を払う仕草。深呼吸して、相棒は月を見据える。落雷と轟音。未だ姿を見せない敵からの奇襲かと思ったが、それは早計だった。相棒の左手には黒い稲妻が、弓の形の稲妻が迸っている。

「今から貴方を狙い撃ちします」

何処から引き寄せて来たものか。ワインの如く透き通る、煮えたぎる赤い赤い液体が右手に収束していくのが見て取れる。これを矢のようにして射出するということな

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ハントマン・ヴァーサス・マンハント/第2章/第2節/「短生種は長命種の隣に立つ夢を見るか?」 #5

ハントマン・ヴァーサス・マンハント/第2章/第2節/「短生種は長命種の隣に立つ夢を見るか?」 #5

(承前)

よし、俺の血を吸っていいぞ。

「……はい、そうですね。そうですか?今、なんて言いました?」

俺の血を吸っていい。万全の状態で戦って、確実に勝って欲しい。

「あ?ああ……..。あ?ああ……。ああああ!?」

相棒の両目は縦横に激しく回転しながら虹色の明滅を繰り返している。どういう状態異常なのだろう。混乱するなら、せめて頭上に数羽のヒヨコを旋回させるような直感的な演出をして欲しいとは

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