[読書の記録] Stephen Chbosky - The Perks of Being A Wall Flower (2014.01.27読了)
ローガン・ラーマン×エズラ・ミラー×エマ・ワトソン出演のヒューマン感動作『ウォールフラワー』のあまりの素晴らしさに、原作となったスティーブン・シュボスキーの小説"The Perks of Being a Wallflower"の原書を読んだ。
英語のペーパーバックながら、洋書を読みなれていない人間でもかなりスピーディに読み切れた。
よく比較されているように、サリンジャーのような歯切れの良い筆致で、とても読みやすい。
いっぽうで、いろいろ味わい深い部分もある。
高校1年生(日本でいうと中3に相当)が書いている書簡というスタイルなので、非英語ネイティブな私から見ても少し言葉足らずなところがあったりするのだが、純粋で繊細な心の揺れが見事に描かれていて美しい。
出てくる語彙の少なさは読みやすさを助けている。
素晴らしいヤングアダルト文学であり、なおかつ英語学習者初~中級クラスにもReaderとしておススメできるレベルの読みやすさだが、あまり教育的な内容ではないから、先生たちは中高生にはあんま読ませたがらないかなとは思う。
セックスとかドラッグとか酒とか出てくるし、ちょっと不良っぽい描写が多い。
ということで、大人向けかもしれない。
映画にしても本にしてもスクールものは、昔の同級生と過ぎ去った時代を振り返ったような読後感がある。
とはいえ私のはこんな高校生活じゃなかったですけども。
欧米(ってどこ)の高校生が、親が自宅にいないときにやるホームパーティとか、学校主催のフォーマル/プロム/ダンスパーティがどのようなものかは、われわれは映画などを通して知るしかなく、遠い世界とはまさにあのことだ。
想像するに、10代から男女が交わって酒を飲みソーシャライズするような、パーティ文化がある環境では、「壁の花」であることは、日本の学校において単に少し目立たない存在であることとまた意味とか重みがちと違うのだろう。
友達と週末にロッキーホラーショーをやったり、音楽の同人誌を作ったり、パーティやったり、何だって良いが、そうした学校生活に「参加」することはアメリカの高校生として、人間的な成長にとって欠かせないのだろう。
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