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【英語+α】執行役と執行役員は違う!

G’day! How’s it going today?
みなさま、こんにちは。いかがお過ごしですか。

今日は私の本業に関連するトピックです。ちょっとニッチすぎるのですが、会社にお勤めの方はもしかするとピンと来る内容だと思います。

私は本業で会社法に関する内容を多く取り扱っているのですが、今日はテーマにある通り、【執行役】と【執行役員】の違いについて触れ、そして英語にするときはどう訳し分けているかについてお話しいたします。

1. 執行役と執行役員の違いとは

執行役と執行役員って字面だけ見ると、同じなのではと思いがちですが、実は会社法を見ると定義があり違うのです。
いわゆる金融系産業翻訳者はこの箇所の訳し分けをしっかりとしているかしていないかで、専門知識がちゃんとある翻訳者であるのかどうかがバレてしまいます💦

それでは執行役と執行役員の違いを見ていきましょう。

執行役:
会社法に定められる役職の一種で、指名委員会等設置会社のみに置かれる機関(会社法第402条第1項)。
※指名委員会等設置会社
経営の透明性を高めるため、経営の監督機能を担う「取締役」と業務執行を担う「執行役」を分離した会社。取締役会の中に、社外取締役が過半数を占める指名、監査、報酬の三つの委員会を設置し、取締役の選任や解任、職務内容の監査、役員報酬を決定。
執行役員:
法的な根拠はなく、企業が任意に設置している役職であり、一般的に業務執行を担当する役員。会社と雇用関係にある「従業員」である。

執行役・執行役員ともに、取締役の決定した経営方針や業務を遂行するという同じ役割があるが、前者は会社法に定められた「機関」であるのに対し、後者は法的定めはなく「従業員」という立場。

詳細につきましては以下サイトが図解付きで説明してあって、分かりやすいのでオススメです。

また、法令についてはプロの翻訳者は日本法令外国語訳データベースシステムを愛用しているので、ぜひご覧ください。

2. 執行役と執行役員をどう訳し分けるか

執行役と執行役員の違いが分かりましたね。さぁ、ここからが本題です。この2つは違うことがわかったので、訳し分ける必要が出てきました。一般的には、主に以下の2つのどちらかを充てて訳し分けています。

Executive Officer
Corporate Officer

または、以下のパターンも考えられます:

執行役: Executive OfficerまたはCorporate Officerのどちらかにする
執行役員:Operating Officer

企業によっては執行役員制度(英訳では一般的にはExecutive Officer Systemとして訳される)を採用していて、すでに取締役の肩書きに常務取締役執行役員などの肩書きがあり、既存訳がある場合はそれに合わせて訳し分けます。

例えば、

既存訳:常務取締役執行役員
    Managing Director and Executive Officer
→既存訳に執行役員=Executive Officerが使用されているので
執行役員はExecutive Officerにして、執行役はCorporate Officerにする

身近な例として、指名委員会等設置会社である三越伊勢丹ホールディングスはしっかりと役職名を訳し分けています。

執行役:Executive Officer
執行役員:Operating Officer

出典:

日本取締役協会によると指名委員会等設置会社は現在のところ82社あるそうですよ。なかなか興味深いですね。

⭐️まとめ

最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございます。また、数あるノートの中で私の記事にたどり着いてくださり、本当に嬉しく思います。

今回は私の本職に関連する非常にニッチな情報をシェアいたしました。ニッチすぎて、いつ使うんだろう?と思いますが、雑学として楽しんでいただけていたら本望です。

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