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僕のデジタルイラストとカード作りの歩みと衰退の話

僕のデジタルイラスト手法の研究

僕は昔、デジタルイラストを描けなかった。
元々はドット絵中心で、まだクリスタを使っていなかった当時はフリーのドット絵制作ツール「EDGE」を使っていた。

2015年ぐらい
これも2015年

これ以前はアクエディで作る時のグラフィックを用意するためにドット絵を描いていた。
ただアクエディで作らなくなってから、ゲーム以外の用途で描くようになった。

ただ僕はデジタルイラストを描こうとする研究はしていた。
Gimpを使ってドット絵描く時の手法が使えないか試行錯誤していた。


2017年の絵

この絵は自分が得意とする手法をGimpでも描けた最初の絵で、太いペンでべったり塗って後からエフェクトで化粧を施している。

この絵は特に題名も意図も無い。しかしこの絵は自分にとって大事なイラストだと考えている。
自分がやりやすい方法で非ドット絵イラストをかけた最初の絵として、重要なマイルストーンとして僕のフォルダ内に眠っている。


それからメディバンを使いはじめ、同じ手法で絵を描けるか研究した。

2018年の絵


これは自分が最初にメディバンで描いた絵。
ふわふわなブラシが気に入って何でもかんでもそのブラシで描くようになった。

あまり大声では言えないが、Gimpとメディバンで18禁絵を描く練習をしてピクシブにあげることを繰り返していたので、ほとんど健全絵が無かった。
それから2019年に入る・・・。



カード作りと2つの居場所

今日のカードゲームとの出会い

丁度令和元年の2019年。
今日のカードゲーム(以下今日カー)の存在を知った。
このアカウントは、カードを作ってDMに送ると掲載してくれる。

当時僕はデジタルカードゲームのハースストーンにハマっていて、こういったカードを作ることに興味を持っていた。
僕は早速メディバンで描いて、Gimpでカードのフォーマットに合わせ、効果や名前を記述して今日カーにDMを送った。

最初に投稿したカード

そして僕が作った最初のカードが出来上がった。
このカードには色んなオマージュが含まれている。読者は分かるだろうか。
ここではあえて書かないので、わかった人はコメントで書いてみよう。


今日カーには多くのフォロワーとカード製作者がいた。
絵が上手い下手問わず、個性的でハチャメチャなカードをフォロワーたちは投稿していたのだ。

DMで送ってから数日後にそのカードイラストが掲載され、RTとファボがどんどんついていく。
僕が作ったカードも例外では無かった。

この1枚をきっかけに、僕はどんどんカードを作るために絵を描いた。
まるでこの快楽に溺れるかのように・・・。


今日カーの突然の終了

しかしこの甘い時間は長くは続かなかった。
突然公式から1枚のカードが出てきた。


僕は最初今日カーの活動の終了かと思っていた。
現にこれ以降、カードが掲載されてもRTとファボが全然つかなくなり、勢いがズドンと落ちたのだ。

やがて掲載されるペースも減り、僕もカード作りをしなくなった。
現在では1年以上も新規に掲載されたカードが無い。

だが不思議なことに、今日カーの穴を塞ぐには、あまり時間がかからなかった。
みんなで自作カードゲーム(仮)(以下みんカー)存在があった。


みんなで自作カードゲーム(仮)との出会い

今日カーの衰退と共に、みんカーというオアシスが現れた。
こちらの場合、しっかりとしたルールとメカニズムがあり、デジタルカードゲームとして出すことを想定している。

今日カーが遊戯王ライクに対し、みんカーはシャドバライクといえる。

みんカー初投稿(多分)カード


僕はみんカーのおかげでカード作りを続けることができ、夢中になることができた。
その時はもう18禁絵はほとんど描かなくなった。
それよりカード作りだ、という感じになっていた。

2020年に入り、僕はPC版クリスタを買ってさらなるクオリティの向上を目指していた。
しかし当時PCのマウスで描いていた僕は、今のままだと限界があることを薄々思っていた。



イラスト環境の変化

縁取りという苦痛

マウスだと特に厄介になるのが、縁取りだ。
これまでのイラストにはほとんど線が入ってないことにお気づきだろうか。

僕はマウスで線を描くことがとにかく苦手で苦痛だった。
マウスはペンと違って筆圧が無く、マウスの動きで線が歪になりがちだった。

これとか線描いてないし、

実はハイレグ妖精のリメイク

これは影と同色の線しか描いてないし、

よくマウスでこれを描けたな

この絵ぐらいしかまともに線を描いた絵が無い。

というぐらい、線を描くのが苦痛だった。
このエスプルの学者のようにちゃんと線を描こうとすることはあったが、それでも精神疲労はバカにならなかった。

この線を描く苦痛感をどうにかして排除しなきゃいけなくなった僕は、ついにIPadを買うことを決意した。


さよならマウス、ようこそアップルペンシル

2020年の11月、IPad are第4世代が発売された。
僕は最初通販で買おうとしたが、数週間から1ヶ月とかなり待たされるので、現地のアップルストアで買うことにした。

初めて訪れたアップルストアは、厳重なセキュリティと純白な店内に圧倒された。
まるでここだけ日本以外の国にいるかのような感覚だった。

受付も海外の人みたいで、それでも日本語が丁寧かつ攻撃性を感じなかったことが好印象だった。
もしかして僕は日本人より海外の人のほうが相性良いのでは?と思ったぐらいに。

やがてIPad areを買った僕はクリスタを導入し、アップルペンシルの使い心地に感動した。
(ちなみに間違えてIPad are第4世代に対応していない第1世代のアップルペンシルを買ってしまったことは内緒)

筆圧があり、サッと線を描ける。マウスのようなもたつきが無い。
このペンの魅力に虜になった僕はイラストは全部IPadに以降した。


IPadで最初に描いた絵

そして出来上がったイラストはこれだ。

IPadへの以降によってフォーマットも一新し、全体的にかっこよく、見やすくなった。
それから僕の絵描きの向上は、目に見えるほどだった。


2020年最後のカード

個人的にお気に入りの1枚。
影は乗算を使って塗る他、オーバーレイや加算を使って光を表現している。

そして2021年、僕の中でも1番のお気に入りができる。


Hの座ではない

僕が描いた絵の中では迫真の1枚だと堂々と言える。
IPadに変えてから描きやすさ故に苦痛感が減り、生まれた余裕からどんどん絵のクオリティに投入することができるようになった。

自分の絵が上手くなっていく実感と、いつの間にか自信がつくようになった。


これは進化しない

クリスタの最大の利点はブラシや素材が大量にあること。
さながらイラスト版Unityとも言える。

IPadにしてから、ふわふわなブラシは使わなくなり、太いブラシでシルエットを塗ってから線をサッと塗るスタイルへと変化していた。

また、2021年に入ってから影をぼかすようになった。
その方が綺麗になることに気づいたからだ。


2021年最後のカード

このイラストは背景の方もいい加減にせず、しっかり描きこんだ1枚。
これは原画を見たほうが良い。


この絵は今までと違ってアニメ調になっていて、影はほどほどに、月から照らされた光のハイライトが描かれた1枚。

当時はハロウィンシーズンだったので、背景には巨大な月と、それを隠すように黒く描写された木々、そして炎が出ている大量のカボチャたちが描かれている。
それらに加え、不吉な笑みをするハイヒールを履いた魔女が印象的な1枚・・・。

この絵はかなり時間がかかり、さらに精神疲労がエグかった1枚だ。
しかしツイッターで投稿してもうんともすんとも言わなかった結果、僕はもうツイッターに絵を投稿しなくなった。

それからしばらくイラストも創作関連を休むことになった。
しかし、2022年に入ってから事件が起きてしまった。



みんカーの消滅

2022年を迎えてからしばらく経ったある日、たまたまツイッターを見たら、突如してみんカーが消滅していた。

あまりにも突然だった。

今日カーは確かにおわりと告げた。でもあっちはまだ現存している。
しかしみんカーは、跡形もなく、消えてしまった・・・。

僕自身が絵を描こうとすることの意味や理由と共に、消えてしまった・・・・。

思わず僕は頭を抱えた。
まるで親しい人が亡くなられたように、悲しみ、喪失、そしてショックを大きかった。
僕の居場所が、たったの3年間で2つも失ってしまった。


しかしみんカーが消える理由も、分からなくも無かった。
今日カーと比べフォロワーも投稿者も少なく、さらにみんカーをプログラムする人すらも現れることも無かった。

もしかすると、沙汰されることは必然だったのかもしれない。


それでも僕にとって、今日カーとみんカーは居場所だった。
僕の絵が受け入れられる数少ないオアシスとして、あの2つのアカウントは重宝していた。

ピクシブなんかじゃ、ここまでにはならない。
僕は今まで描いたカードイラストをピクシブでも投稿しているが、結果はお察し。
コメントも無いしブクマは良くて1人。ほとんどが無関心だ。
あっちは版権とVの絵ぐらいしか人権が無い。


しかし今日カーとみんカーは違った。
版権ではないオリジナルの絵でも存在してもいいという慈悲が、そのアカウントとフォロワーにはあった。

それを描いたことに意味がある、決して無駄ではないし、無価値ではないことを結果という形で僕を支えてくれたのだ。


しかしもう、僕を支えてくれたオアシスはどこにもない。
僕は難民になってしまった。
心に大きな穴が空いてしまった。

果たして、この穴を埋めてくれるところはあるのだろうか。
どういうわけか、丁度来月でIPadクリスタのサブスク期限が尽きるため、サブスクをキャンセルすることにした。


最後に僕を支えて2つのオアシスに感謝を告げる。


ありがとう、今日のカードゲーム

ありがとう、みんなで自作カードゲーム(仮)

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