![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/143516576/rectangle_large_type_2_94b1036ba40b28ee387973815dd6c8e8.jpeg?width=1200)
【🇬🇧日記#51】ロンドン:石の裏側と角煮礼賛の旅
冬休みの日記。ロンドン3泊4日の旅。
2024年1月14日(日)
パリからロンドンまでユーロスター(2等)で移動する。大学生は2等列車で十分快適だ。
![](https://assets.st-note.com/img/1717935049551-Haz7HvhPRt.jpg?width=1200)
イギリスはシェンゲン協定加盟国ではない。フランスからの移動に際しては、ビザの確認や手荷物検査をせねばならない。飛行機の国際便と全く同じだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1717935911048-nqRxXKpBDg.jpg?width=1200)
私はフランス(正確に言えばボルドー)が気に入っていた。出来ることならもう少し観光したい。
私はエレクトリック・ライト・オーケストラの「ロンドン行き最終列車」を思い出していた。
ロンドン行き最終列車 今、出発するところだ。
ロンドン行き最終列車 今、街を出るところだ。
でも、今夜が永遠に続いてくれたらいいなって本当に思うんだ。
ぼくは本当に君と一緒に居たいんだ。
無情にもホームは遠ざかって行く。1時間18分で到着する予定だ。あまりの短さに驚く。
ドーバー海峡を渡ってイギリスに行く。私は海峡を見ることが密かな楽しみだった。
しかし海が全く見えぬうちに海峡トンネルに入ってしまい、出た時には完全な陸地だった。残念無念。
![](https://assets.st-note.com/img/1717939713753-eDIXDZB1p4.jpg?width=1200)
最初の目的地は大英博物館。博物館の近くでランチを食べよう。
私の密かな楽しみは、まことしやかに語られる「イギリスは飯がまずい」という話の真偽を確かめることだった。
記念すべき第一食目を頂こう。
![](https://assets.st-note.com/img/1717939886694-RU11v2q6s3.jpg?width=1200)
19ポンド(4,000円近い)近い価格が衝撃的だ。円安と物価高のダブルパンチが容赦なく私の財布を苛む。
ふかし芋は柔らかくて甘くて美味しかった。美味しいけれど、一般的な「ふかし芋」の域を出ることは決してない。
肉はそこまでの量もなく、またそこまで良い肉でもない。
食後も、少し空腹感が残る。
お腹がすいたので、シャワルマを食べた。店主がアルジェリア人だったらしく、アラビア語で話しをたら大層喜んでくれた。
![](https://assets.st-note.com/img/1717941728992-hmgPxcIIDK.jpg?width=1200)
アルジェリア人の店でシャワルマ購入。正直あまり美味しく無かったが、お腹は満ち足りた。
博物館の探索に出よう。
![](https://assets.st-note.com/img/1717943865958-2d6XWiJqh4.jpg?width=1200)
大英博物館で一番楽しみにしていたのは、ロゼッタ・ストーンである。
これは博物館の目玉であり、多くの人が写真を撮ったり眺めたりしていた。
私も正面からひとしきり観察した後、殆ど人がいない裏側に回ってみた。
ごつごつとした無骨な見た目をしている。
私はそれを見て、ひどく驚いたのを覚えている。
![](https://assets.st-note.com/img/1717944470613-c1F9qbfo1d.jpg?width=1200)
裏側を見ても、意味を感じることは出来ない。
私はただ、裏側の存在自体を想像したことがなかったのだ。
表を見た時よりも深い衝撃だ。
私はしばらく裏を眺めていた。
想像すらしないような「石の裏側」を覗くことができることに、旅の醍醐味はあるのかもしれない。
閉館時間まで博物館を見て回った。
外に出ると、すっかり暗くなっていた。
お腹を空かせて街を歩いていると、パブから楽しそうな音が聞こえてくる。
気が付いた時には、私はパブに吸い込まれていた。
なかなか賑わっている。味にも期待できそうだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1717947471479-68UXd4v8n8.jpg?width=1200)
ビールとフィッシュアンドチップスを頼む。
年齢確認をされた。イギリスでは18歳から飲酒ができるはずだし、当然私は日本でも飲酒できる年齢だ。私は堂々と真実を語ったが、信じてくれない。
「まぁ、私にもそういう時期があったわ。これ飲んだら帰りなさいよ。」
彼女はくすりと笑ってからビールを注いだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1717946762633-sqhfcuRm1A.jpg?width=1200)
冬の風に冷え切った頬を程よくビールが温めてくれた頃、大皿の揚げ物が運ばれてきた。
これがフィッシュアンドチップスである。
「フィッシュアンドチップス、めっちゃ旨いで。」
2年前にN先輩から頂戴した(恐らく唯一の)価値ある教えを突如想い起こす。私はたまらず噛り付いた。
![](https://assets.st-note.com/img/1717946612458-gZdmMkAjrR.jpg?width=1200)
まずい。
味のしないパサパサの白身、しなびたフレンチ・フライ、味蕾が「油分」のみを検知するソース、きょうび修行僧でも食わなさそうなグリンピース。
「チクショウ。」
思わず口から言葉が零れ落ちる。
「小梅太夫より声でとるやん。」
友人の吉田の指摘で、私は自分の声量を知った。
小野塚知二教授の「産業革命がイギリス料理をまずくした」(短いので是非リンクから読んでみて頂きたい)を突如思い出した。
「料理人の責任放棄ともいうべき現象」を目の当たりにしてしまった。
それにしても物価が高い。
![](https://assets.st-note.com/img/1717951215706-slyepXfBh9.jpg?width=1200)
コンビニのような小売店の水が、大英博物館のお土産コーナーの水より高いという現象も目の当たりにした。
大学生が旅行するには過酷な国である。
![](https://assets.st-note.com/img/1717951233222-QvqOrxIuLD.jpg?width=1200)
1月15日(月)
ホテルのモーニング・ビュッフェを食べに行く。牛乳とパンはそこそこ美味い。
しかしそれ以外は駄目だ。私は直接的な侮蔑語を書かないように心がけている。
だからこそ、文面からイメージして頂きたい。
味のないソーセージ、香りの無いりんご、酸味も甘みもないオレンジの並ぶ朝食を。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/145595442/picture_pc_fbc73569fdeae47f435894099cbe39ff.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/145595294/picture_pc_999fc7afffcd6086c054ac18d2b1556a.png?width=1200)
今日は地下鉄で移動する。
![](https://assets.st-note.com/img/1717949397285-7nzxy9V3HE.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1717949392979-D65DEXYHNv.jpg?width=1200)
まずはバッキンガム宮殿に行く。
他国からの賓客がいるらしく、閲兵はできなかった。
しかし幸運なことに、騎兵の行進は見ることができた。
ハロッズという百貨店を少し見る。
![](https://assets.st-note.com/img/1717950328579-cbdNrgU1xL.jpg?width=1200)
ランチを食べに、フリージュ・スウェーレ(Freej Swaeleh)に行く。
このレストランはクウェート料理の店で、クウェートであり、いくつかの店舗を構えている。ムバラキーヤ店が私の行きつけだ。
ロンドンにも店舗があると友人のユースフさんに教えてもらった以上、行かざるを得ない。
定番のマチュブース(majbous)とアボカドジュースを頼む。
これまた定番のエビスープはメニューになく、代わりに見慣れぬ「コーンスープ」が提供されている。
![](https://assets.st-note.com/img/1717950281259-n7LLozvofI.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1717950432133-no9A7UrT0p.jpg?width=1200)
クウェートのフリージュに比べ、少し薄味な気がする。
![](https://assets.st-note.com/img/1717950715805-5inD94QqIk.jpg?width=1200)
驚いたのは、クウェートの店に比べてサービスが少ないことだ。
ライスやフブズ・イラーニー(ナン)の無料お替りサービスはもちろん、ガフワ(コーヒー)のパフォーマンもない。ルゲイマート(丸いドーナツのようなお菓子)のサービスもない。
読者諸賢には、是非ともクウェートのフリージュに来ていただきたい。
![](https://assets.st-note.com/img/1717950317439-j6r5ZaF4F4.jpg?width=1200)
その後はウィンザー城を見に行き、イートン校もついでに見た。
![](https://assets.st-note.com/img/1717951092616-65QFHo8O3z.jpg?width=1200)
イートン校近くのレストランでご飯を食べる。
お酒込みで28ユーロ。悪くない値段だ(悪くない、とは金銭感覚の麻痺である)。水も無料。ロンドン中心部よりだいぶ安い。
![](https://assets.st-note.com/img/1717951271522-0nMqgj6Uam.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1717951267213-H4XiLMU2h1.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1717952086798-C48Ixr6AXE.jpg?width=1200)
街を歩いていると、中華料理店を見つけた。
私の住むクウェートにも中華料理はあるが、豚と酒は絶対にない。私はレストランにに吸い込まれていった。
![](https://assets.st-note.com/img/1717952145999-5IhHPJiM3c.jpg?width=1200)
輝ける角煮が現れた。
本当に美味しいものは美しいのだ。角煮、万歳。
![](https://assets.st-note.com/img/1717952170923-lnU68aZKOt.jpg?width=1200)
1月16日(火)
今日はバスで観光する。
![](https://assets.st-note.com/img/1717952190944-YsDT32moVQ.jpg?width=1200)
まずは騎兵博物館に行く。
![](https://assets.st-note.com/img/1717952213326-kYyYEdePWe.jpg?width=1200)
ウエストミンスター寺院では、貴族院議員の集団とすれ違った。
![](https://assets.st-note.com/img/1717952074128-ntg8h7BfTv.jpg?width=1200)
お昼過ぎ、ナショナルギャラリーに行った。
基本入館料は無料。あまりに太っぱらだ。
ほんの少しドネーションをしよう。
![](https://assets.st-note.com/img/1717952229979-XkezIf8MtC.jpg?width=1200)
世界史で勉強した名画が目白押しだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1717952262923-8622T5y5hr.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1717952254125-47wc2RrROp.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1717952235845-uOdWWH8Mq8.jpg?width=1200)
その後はロンドンをほっつき歩いた。
デヴィッド・ボウイ『ジギー・スターダスト』のジャケット撮影地に行った。
建物は取り壊されてしまっているが、K.WESTの看板(レプリカ)などは残されている。
![](https://assets.st-note.com/img/1717952288059-F0gzkZXQ69.jpg?width=1200)
街を歩いていると、"GOOD MAN"というレストランを見つけた。
昼から盛況である。
![](https://assets.st-note.com/img/1717952718350-IKOMK3UFpJ.jpg?width=1200)
多くの人が、平日2時から酒飲んでいるやつ。
![](https://assets.st-note.com/img/1717951491891-K9KrPUb6hV.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1717951511633-5tVSNR998r.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1717952598028-wdlu5elMRS.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1717951504587-NcxWXfvnD2.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1717951518472-y8M8HdGDgd.jpg?width=1200)
全ての料理に味ついていて、彩りもある。
お値は張るが、満足感のある料理だ。
バスに乗り、アビー・ロード・スタジオに行く。
ピンク・フロイド『狂気』のレコードが行われた場所であり、何よりもビートルズ『アビイ・ロード』のジャケットで有名な場所である。
![](https://assets.st-note.com/img/1717952319821-pZdQ6gvYxD.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1717952729520-rLD56pNNEF.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1717952738530-aXUEMzIMLe.jpg?width=1200)
晩御飯は昨日とは違うレストランで回鍋肉を食べた。
![](https://assets.st-note.com/img/1717952758297-wKzcfJ7G22.jpg?width=1200)
ロンドン旅行は今日で終わりだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?