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日本は豊かになったのに、なんで子どもが減るのだろう?

こんにちは!最近エモい書き出しを練習中のみかんです🤣




日本は豊かになった。

祖父が生きた戦後の時代は、毎日食べるものに困っていたそう。

祖父は家族を助けるために兵庫の田舎から、都会に仕事を求めた。

それは中学卒業後の16歳のとき。

そんな祖父には8人の兄弟がいる。


私が子どものころ、食べるものに困った経験はない。

両親はお金がないと言いながらも、子どもにはしっかり栄養のあるものを食べさせてくれた。

私は大学まで卒業させてもらい、自分のために就職し、今に至る。

そんな私は2人兄弟。


日本は豊かになった。

1950年代に三種の神器といわれた、テレビ・洗濯機・冷蔵庫は今となってはどの家庭にもある。

それどころか、掃除機、炊飯器、IHなど当時の日本人が見たら驚くようなものを私たちは持っている。

さらには、ZOOMで世界中の人と無料で話せたり、Amazonプライムビデオで映画やアニメが家にいながら見放題だ。

現代の日本人は、過去のどの国の王様よりも豊かな生活が送れているそう。

徳川家康なんかより、私の方が物質的には豊かな生活をしている。


私がずっと気になっていたこと。

日本は豊かになっているのに、なぜ、子どもが減るんだろう?

そんな疑問から本書を手に取った。




世界少子化考

本書では韓国、中国、フランス、イスラエル、米国、ハンガリー、フィンランド、計7か国の少子化対策や現状、専門家の意見が記載されています。

この本何がいいって、各国の少子化対策の事例を紹介しながらも、その事例に対する賛成意見と反対意見を記載している点です。

「これが正しい!」という盲目的な意見の押し付けではなく、「事例には良し悪しがあるので、あなたの頭で考えてくださいね。」という点が私の好みでした。


日本は豊かになっているのに、なぜ、子どもが減るのか?

答えはこうです。

国が豊かになれば少子化になる(笑)

1人当たりのGDPが高くなれば、出生率は低くなる傾向にあるそう。

そこには様々な要因があります。

祖父の時代に子どもが多かったのは、単純に農業や漁業など家業として一次産業に従事している人が多く、人手が必要でした。

現代はサラリーマンが主流になり、家業を営む人は減りました。

そうするとどうなるのか。

(言葉を選ばずに言うと)子どもが資産ではなく、負債=コストになったわけですね。

誰しもが自分の子どもは大切です。

本書で紹介されている中国・韓国は超学歴&競争社会です。

子どもを育てるにあたり莫大な教育費がかかります。

大切な子どもに幸せな人生を歩んでほしいと願う親は、莫大な教育費をかけるので、何人も子どもが持てないわけですね。



豊かになるとは価値観の多様化が広がること。価値観の多様化は少子化につながる側面もある。

国が豊かになり、成熟するということは価値観が多様化します。

一昔前では、独身者、子なし夫婦なんかは、周りからいろいろなことを言われていました。

でも、今は面と向かっては言えませんよね。

だって、それは差別だから。

成熟した国は、独身である権利、子どもを産まない権利、同性婚をする権利など、これまでマイノリティーだった人たちの権利を尊重します。

成熟し価値観の多様化が進んでいる国として、本書ではフィンランドを紹介しています。

私が超共感した箇所。

家族は「運命共同体」から「自己実現を目指す個人の集まり」になる!?という章。

フィンランド人の2児の母のインタビューコメント。

「私が仕事をしたい理由の一つはちゃんと自分の年金を払いたいから。だって離婚したときに自分自身で受け取れる年金額が少なければ困るでしょう。」

世界少子化考 P241

このコメントの後に著者はこう書いている。

彼女は夫婦関係が悪いわけではない。彼女にとっては、いつでも個人として自立して生きていけることが重要なのだ。

世界少子化考 P241

私が「いつ離婚するかなんて分からないんだから、妻と私の両方が自立していたい」と周りに言うと、大抵ひかれる。

これは私の実体験だ(笑)

周りがひくのは、離婚可能性を視野に入れている点なのだと思います。

でも、未来のことなんて分からないんだから、その可能性は常に考慮すべきでしょ!と私は自分を納得させています(笑)

もっと付け加えると、私は妻のことが本当に大切です。

大切な妻だからこそ、私に何かあって死別や離婚をしたときに、妻が一人で生きていける状態でいてくれること。

それが私なりの妻を大切に思う気持ちだったりもするのです。

(これ書いたら、奥さん喜んでくれるな。私の評判アップ・・・!)

話を戻します。

豊かになり、価値観が多様化した国では、家族の在り方すらも変わっていくように感じます。

家族が自己実現を目指す個人の集まりに変化しつつあるのは、非常に面白い視点ですね。

フィンランドは世界幸福度ランキングで何度も1位を取っている国です。

そんなフィンランドでも少子化は進んでいます。

価値観が多様化し、社会的な圧力が減少し、マイノリティーの権利が認められると、それが少子化につながることもあるそうです。

また、幸福と少子化問題は関係ないという点も面白いですね。


そもそも少子化って悪いことなの?

高度経済成長期、日本の子どもが増えていた時代は、子どもの数が増えて問題!と報道されていたそう。

子どもが減り始めると、また問題!となる。

年金やお年寄りの医療費など社会保障的な視点では、子どもが減るのは問題なのかもしれません。

日本という国の国際的な競争力を維持するのにも人口は必要でしょう。

でも子どもって、社会保障や国力を維持するために生まれてくるわけではないよね、とも思うわけです。

こんな視点もあります。

地球温暖化などの環境問題。

単純に人類が減少したら解決するよね、とも思います。

あるいはこんな視点も。

子どもが減ったことで、子どもの価値が高まります。

そうすると子どもたちは就職がしやすくなったり、受験競争の負担が減るかもしれない。

また企業は若者を採用するために、賃金をあげたりもしている。

少子化って子どもにとって必ずしも悪いことじゃないよなーと思います。


さいごに

本書では各国の少子化対策の事例をあげながらも、結局のところ正解なんてないよね、と気づかせてくれます。

子どもを産みたい人は、安心して産める社会に。

産みたくない人は、周りを気にせず生きていける社会に。

本書を読んで、そんな社会になればいいなあと思いました。



こんな拙い文章を最後までお読みいただきありがとうございます!これからもサポートいただけるよう精進いたします!