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看護師の心が折れるとき

(キャリエルメディ2022年10月号 特集 「折れた心を乗り越える」より)

キャリエルメディは医療系出版とセミナーで医療従事者の独立・副業を支援します。

看護とリハビリキャリエルメディ2022年10月号(書籍版)

看護とリハビリキャリエルメディ2022年10月号(キンドル版)

様々な立場の看護師の心の声を聞きました。看護師だけでなく、全ての人に通ずるものがあると思います。コロナ禍のひっ迫した状況で踏みとどまっている看護師の心の声にあなたは何を感じるでしょうか。

看護師の忙しさ

「看護師の仕事はとにかく忙しい。次から次へと、やらなければならない事は山積みになっていく。心が休まることなく、余裕なんてない。処置などこなすだけでいっぱいいっぱい。患者さんにやってあげたい事は山ほどあるけれど出来ていない。こんなんで良いのかと考えると、虚しい気持ちになる。なんで看護師になったのか?と思う。自分の出来なさに嫌気がさす。とにかくゆっくり寝たい!」

「訪問看護で仕事をしていると、時間内であれこれやらないとならない…次の家への訪問の時間が気になって、なんで自分はできないんだろうと思う。あと、オンコール(電話)待ちで眠れない日々で疲れている。いつも頭の中が忙しい。患者さんが終末期になると、いつでも電話もらって、いつでも駆けつけることが、患者さんの安心に繋がるのは痛いほどわかる…電話はいつでもして下さいと言って対応しているが…疲れる。かと言って電話するのを遠慮してしまわれるとより心が疲れてしまう。」

「忙しい時に余計に先輩からの目が気になって…過度に緊張し、見られていると余計に失敗してしまう、忙しいのに余計な仕事を増やしてしまうで、ため息つかれるとより心が潰れる。あわてる。わかっていてもなんで、やっちゃうのか。自分は看護師に向いてないなと思う。」

患者さん、家族からの暴言暴力

「患者さんに、あんたは下手だから違う人呼んでとストレートに言われる事がある。でも、ストレートに言われればまだまし、私じゃない看護師に聞こえるように、今日はあなたで良かったと言っているのを聞いてしまう方が辛い。」

「患者さんと家族に、ずーっとケアを見ていられて、下手だとばかりに、やり直しを指示される事があった。そして、あなたは苦労してないでしょ…だから出来ないのよと言われた事があった。言い返したいけど、言い返せない…辛い。」

「結婚しているのか、子供はいるのかなどなど聞かれる、独身で子供いないと言うと、1人だから苦労知らずと言われる…笑ってノリ良く話しして患者さんと会話はするけど、心が、折れる。」

「お前呼ばわり、看護師のくせにとか、あまりの悔しさ?虚しさ?自分でも訳の分からない感情になり…涙が出てしまった事があり、その時に泣くなんて、プロとしてなってないと怒鳴られ…。心折れます。」

「認知機能に障害がある患者さんが床に放尿してしまい、それを掃除したり、汚れた衣類を片付けていたときに、後ろから殴り掛かられたときは怖かったし、辛いなぁ〜と。でも、責められないし我慢するしかない、その後身構えてしまうようになってしまった。」

「患者から暴力を受けたあと、院長室に呼び出され、こちらに非があるのではないか、みたいな取り調べのような面談をさせられた時、本当に辛かった。」

同僚の変化に気づけなかったこと

「同じ職種ではないですが、チームで働く仲間が、自死してしまいました。リストカット跡があるのにも気づいていたのに…。何も出来なかった。踏み込んで声かけが出来なかった。色々考えてみてもあとのまつりですね。この経験が今でも忘れられず、頭の中から離れないんです。」

「多分なんですが、自死してしまった同僚がいます。亡くなった事を職場で伝えられましたが、曖昧なお知らせで…。いつもいつも彼女の事を考えています。私自身も消えて無くなってしまえたらと、ついつい考える事があるので、漠然とした不安があります。」

仕事での悩み

「カンファレンスで自分の視点がずれずれで、会話に入って行けず、白い目で見られていると思うといつも委縮してしまう。」

「針刺し事故やってしまった時、心が折れる。」

「朝採血忘れた時、日勤に頼む事になるけど、日勤の忙しさもわかるし、申し送りが恐ろしい。」

「採血の失敗、夜勤は2人だからもう1人に頼みにくい。特に怖い人だと頼めない。患者さんには申し訳ないし…。1人失敗しちゃうと朝全体の段取りが狂って来て、もう、終わったって感じになる。」

「朝の申し送りで、矢のような突っ込みは本当に辛い。出来るだけ平静に感情なく淡々と送るけれど、突っ込みが来る、他の人が同じように送っても何も言われないのに、何故私にはキツイのかと、どうしてもそう思ってしまう。出来ない自分が悪いとは思うけど、心が折れる。」

これ以降の内容は「キャリエルメディ」でお読みいただけます。
続きが気になる方は、ぜひご確認ください。

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