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アプローチ別肩こりの治し方

今回は肩こりの治し方を紹介したいと思います!

が、最初に少しだけ諸注意を。
私は医師ではないので、肩こりについて鑑別診断を行なったり治療を行なう事は出来ません。
一括りに肩こりと言っても肩回りの筋肉の走行は複雑であり、中には医師による診察や治療が必要な場合もあります。
肩を動かすことが出来ない、脂汗をかくほどの痛みがある等の場合には一度医療機関を受診しましょう。

と、医療福祉従事者としては勝手な自己判断が間違っているケースもあることについて注意喚起をさせて頂いた上で、本編に入りたいと思います。


そもそも肩こりとは

肩こりというのは肩回りから背中にかけての広範の筋肉について、筋肉の緊張や血行不良を原因として重だるさや痛みが発生している状態を指します。

肩こりの発生原因は様々ですが、腕の重みによって常に下に引っ張られる宿命にある肩の関節が、同じ姿勢の連続や過負荷等によって強張ってしまっていると考えられます。

肩こりをこのように定義した時、改善方法は大きく分けて三種類です。
ここからはそれぞれの改善方法について解説していきます。

肩の筋トレを行なう

肩、特に僧帽筋の筋トレは肩こりの改善方法としてポピュラーです。

痛みの発生部位である肩の筋力トレーニングを行なう事の効果は、筋力向上だけではありません。
今回は肩こりに対して筋トレを行なう効果を二つ紹介します。

①肩の筋肉が負担できる負荷のキャパシティーを大きくする

要は筋力の向上によって、肩の筋肉を強くしようという効果です。
肩こりの大きな原因として腕の重みがありますが、腕の重みに対して肩回りの筋力が十分に強ければ、そもそも肩こりにならないという考え方です。
正確には弱い負荷が長時間かかることは筋肉への大きな負担になるので完全な解決策ではありませんが、それでも大きな改善に繋がる可能性があります。

②筋トレによって肩の筋肉に血液が送り込まれ、回復を促す

筋トレは無酸素運動であり、血糖をエネルギーとして使用するために大量の血液が送り込まれます。
この血液は血糖を運んだらお役御免という訳ではなく、肩の筋肉に蓄積した疲労物質の回収や傷ついた組織の回復にも役立ちます。
筋トレは一見すると身体にダメージを与える行為ですが、適切な負荷で行なえば身体に非常に良い効果を期待できます。

背中のストレッチや姿勢改善を行なう

肩こりの原因に腕の重みが関係するとお伝えしました。
詳しく解説していくと、肩の関節というのは肩甲骨と腕とを繋ぐ関節です。
この肩甲骨は浮遊骨とも呼ばれており、体幹部分との直接的な結合、つまり関節による結合は鎖骨と繋がる肩鎖関節だけという非常に不安定なものなのです。
腕は不安定な肩甲骨を介して体幹と接続していますが、肝心の肩甲骨が背中とは直接的に繋がっておらず、筋肉によって引っ張られてぶら下がっているような感覚です

そのため背中の筋肉が弱かったり緊張しているような状態では肩甲骨を十分に身体に引き付けておくことが出来ず、結果として肩の筋肉が腕の重みで下に引っ張られてしまうのです。
同様に、姿勢が悪く猫背や巻き肩の状態でも背中の筋肉が十分に肩甲骨を引き付ける機能を発揮することが出来ず、肩の筋肉の負担ばかりが増大することになります。

そのため、一見無関係に見える背中のストレッチや姿勢の改善が肩こりの改善に効果的なのです。

マッサージや温浴によって血行を改善する

三つ目が肩の血行改善です。
これは筋トレの項でも説明した通りで、肩の筋肉の回復を促し、疲労を軽減する効果が期待できます。

しかしながら、肩こりに対してマッサージを行なうというのは個人的にはそこまでお勧めするものではありません。
一時的には効果があるかもしれませんが一過性のものであり、根本的な対処をしなければいつまでも肩こりに悩まされ続けることになります。

更に言えば、痛みがあるような肩こりでは筋肉が炎症を起こしている場合もあり、そのようなダメージのある状態の筋肉に外部からマッサージで刺激を与えることは状態の悪化に繋がる可能性すらあります。

お風呂に浸かることによる温浴効果では、それ自体が血管の拡張作用を持つため、肩の筋肉の回復を助けれくれます。
また浮力によって腕の重みが軽減するため、お風呂に浸かっている間は肩の筋肉が普段の負担からある程度解放されます。

そのため痛みによって筋トレやストレッチなどの積極的なアプローチが難しいような場合には、お風呂に浸かってじっくり身体を温めるというのが効果的かつリスクが少ない方法であると言えるでしょう。

肩こりを放置せず、根本から解決を目指しましょう。

肩こりは放置していて改善することはありません。
腕が生えていて肩甲骨が身体から浮いているという人類の構造をしている以上、構造上の問題を解決しない限りは解決しません。

介護の現場では、腕や肩の動作が不自由で食事や入浴の難しさに困っている高齢者を数多く見てきました。
このような高齢者にも持病があるわけではなく、いわゆる四十肩や五十肩の延長線上です。

「肩こりで辛い」程度の問題の内に、時間をかけて解決してくことは人生100年時代の生き方としてマストです。

肩こりに悩まされることのない「良い歳の取り方」を目指したいですね。

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