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介護福祉士国試対策:合格する人・しない人

▼介護福祉士国家試験は、今年1月に行われた第36回試験では合格率が80%を超えました(前年度の第35回でも80%を超えました)。
▼「8割合格するのだから」とナメてかかると、運転免許試験場で学科試験に落ちる人と同じで、やっぱり落ちます。国家試験には国家試験ならではの問題の出し方や解き方、出そうなところ、出にくいところなど、それなりに対策を講じなければ手ひどい目にあいます。
▼かくいう私も、何年か前にケアマネの過去問を「一応長いこと高齢者福祉を中心に教えてきたんだから大丈夫っしょ❗」と、力試しに無勉強で解いてみたことがありますが、やっぱり不合格ラインでした。
▼さて、ここまでは「勉強しないと落ちます」という単純な話です。そこからちょっと進んで、「どのような方が合格しやすく、どのような方が落ちやすいか」という傾向を取り上げてみましょう。「試験屋」の方であれば、きっと「そうそう」とうなずいていただけることでしょう。
▼ここでは、国家試験に落ちやすい方の典型的なパターンを2つご紹介します。つまり、次の2パターンにはまらないように気をつければいいということです。ぜひ参考になさって下さい。

(1)どこが幹でどこが枝なのかがわからない
▼介護福祉士国家試験合格のために、皆さん必死で勉強、暗記をされるのですが、基礎と応用の区別がついていない方は合格しないことが非常に多いです。国家試験の問題を木にたとえてみると、何度も繰り返して出題される問題が「」(基礎)で、あまり出題実績のない問題が「」(応用)です。ましてや、二度と出題されないようなカルト問題など暗記には及びません。「この問題は基礎的な内容だから先に暗記しよう」とか「この問題は枝葉だから後回しにしよう」など、暗記すべき内容の優先順位を判断できる方は合格しやすいです。
▼安心していただきたいのは、受験勉強を始めた最初からこの判断ができる方は少ないです。最初は誰もが試行錯誤で、勉強をしていくうちにどれが幹でどれが枝葉かが身についてくるものです。じつは、私も大学生のときはそのような状態から受験勉強をはじめ、そのうち徐々に幹と枝の判断ができるようになりました。数年後に看護学校で教員のアルバイトを始めたとき、社会福祉の知識がほとんどない看護学生に基礎を徹底して教える必要があり、受験勉強のときの経験が大変役に立ちました。
▼このシリーズでも今後、どれが幹でどれが枝葉かがわかるようにしようと思っています。

(2)暗記した内容が頭の中で整理されていない
▼合格しない方のもう一つのパターンがこれです。暗記はしたけれど、せっかく暗記した内容が頭の中で整理されておらず、バラバラの状態になっていると、試験の本番で問題を見たときに「この問題文はこの科目のこの内容から出題されているんだな」と考えることができず、せっかくの暗記が役に立ちません。
▼また、介護福祉士と社会福祉士の国家試験は、一つの科目だけでなく別の科目でも出題されるような問題(専門的には「科目横断的な内容」などといいます)が多いです。
▼たとえば、「火傷をした場合は局所をできるだけ早く冷たい水で冷やす」という問題があります。これは『介護技術』(今は『生活支援技術』)という科目で出題された問題ですが、緊急時対応という意味では『介護の基本』で出題されるかもしれませんし、火傷の治療という意味では『こころとからだのしくみ』で出題される可能性もあります。このように、複数の科目にまたがるような知識は、複数の科目で出題される可能性があることを頭の中で整理しておくことが必要です。
▼これも、最初からその才能が備わっている方はめったにいません。やはり、受験勉強をしていくうちに分かってくるものだと思います。なので、特に念を押しておきますと、これは「頭がいい、悪い(勉強ができる、できない)」の問題ではありません

▼ということで、「落ちる人」だの「合格しない人」だの、縁起の悪いことばかり申し上げてすみません・・・

⭐⭐⭐次回は『受験勉強のしかた』です。よい週末を⭐⭐⭐

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