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#034 すべては400字から始まった

こんにちは、ケアウィル 代表の笈沼です。

火曜日の投稿は僕が担当。ちょうど本日、5月11日から東京都主催のビジネスコンテスト Tokyo Startup Gateway2021 のエントリーが始まりました。

創業前から今にいたるまでを振り返る良いタイミングなので、今日は、Tokyo Startup Gateway(TSG)と僕との馴れ初めを書きます。

人生に大きな影響を与えてくれたTSG

今から2年前、もしTSG2019へ応募していなかったら、そして、幸運にもファイナリストに選ばれていなかったら、2019年9月の創業も現在のケアウィルもありません。TSGは、それくらい僕の人生に大きな影響を与えてくれました。

(決勝大会の概要です)

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(オーディエンス賞をいただいた際に小池都知事と。当日の私のプレゼンはこちら

だから、挑戦へ向けて一歩踏み出す勇気をくれた東京都と運営するETIC. には、今でも僕はただただ感謝しかありません。西新宿(都庁) と渋谷神南(ETIC. 事務所) には足を向けて寝られません。

さて、このTSGへの応募は本当にちょっとしたことがきっかけでした。

僕はかなりのログ魔です。過去に残した写真やメッセージの記録を掘り返して、以下に時系列にまとめてみました!

2019年6月28日 15:15 @山手線

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このポスターがTSGとの一番最初の出会いです。それまではTSGのことなんてまったく何も知らなかったのです。母の転居先から渋谷のKDDIのオフィスへ向かう山手線の車内。「400字でいいの?それって、まさにちょうど良いかも」と思わず撮った写真です。

2019年6月28日 19時ごろ @自宅

同日帰宅後、やっぱり気になって、あのポスターが頭から離れなくて、ウェブサイトにあるTSGの応募要項を読んで見ました。

そしたらなんと、、エントリー締切まであと7日しかないではないですか。。急いで”ある友人” に相談したところ、二つ返事で「面白そう!やろう。」となって僕は応募することを即決。そして400字の作成を開始しました。

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さて、ここに書いてある「あの文章」とは何かというと、偶然にも、写真のポスターに出会う2ヶ月ぐらい前から僕はノートとパワポに大量の事業アイディアを書き溜め、事業計画のようなものを作り始めていました。

その時の「検討背景」の文章は1332文字、、思いがほとばしりすぎて超長文。。

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以下はノートのメモを一部抜粋(黒塗り箇所は企業秘密)

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(すこし余談です。当時、よくここまで構想していたなと我ながら驚きます。目下、ケアウィルは「入院着」を主たるターゲットにしていませんが、ここに書いてあるビジネススキーム、ビジョン、市場規模や収支試算の多くは、今のケアウィルの事業戦略やブランド・ミッションステートメントの素地になっています。今思い返すと、当時、思考が止まらなくなっていたのです。毎日、毎日、会社に行く前の渋谷のスタバと、仕事の合間に、何枚も何枚もパワポを描いたり、ノートにペンを走らせていました。根拠は全くなかったけど「これって、自分の人生をかけてでも挑戦すべきことなんじゃないか。もしこのまま何もやらなかったら、後悔しか残らないんじゃないか。」そんな思いを抱きながら、今の思いと頭に思い浮かぶことをただただアウトプットしていたのです。)

•••で、余談が長すぎました。すいません。

2019年5月16日 朝@たぶん渋谷のスタバ

で、この1332文字をどうしたものかとあぐねた結果、「でも僕にはそもそも文才がないから、これ以上短くできない、、そうだ!プロに見てもらおう。」と、某ビジネス雑誌の編集者である友人へ相談しました。

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•••そして、その相談をした翌月。山手線の車内でTSGのポスターに出会った、そんな不思議ないきさつだったのです。

2019年7月5日 16:13 @これもたぶん渋谷のスタバ

TSGエントリー締め切りの2日前。その友人からのアドバイスをもとに「事業アイデアの概要」をざざっと書き上げました。その他の必要情報も含めてフォームへ入力し、応募を完了させました。

事業アイデアの概要

高齢患者の尊厳を守り、心を前向きにするデザイン・色・着心地を兼ね備えた「病衣」をネットで販売。介護を行う家族の負担を減らすため、地域の病院・施設、クリーニング業者と連携、低価格の病衣レンタルサービスへ進化させます。
私の父は認知症を患い今年1月に75歳の生涯を終えました。病院で与えられた「病衣」は無機質でまるで囚人服。原価、耐久性、介助者目線の機能が最優先され、「人に見せたい」「装って外へ出かけたい」という着用者の心を蔑ろにしていました。
一方、病衣を選ばざるを得ない現実も。服飾講師の母は2か月間、片道40分のバスを乗り継ぎ、父が好む袖とウェストを仕立て直した服を病室まで届けて回収し続けました。しかし、最期は体力が伴わず1日400円のレンタル病衣を依頼。長期入院で家族の経済的負担は増えます。
高齢化先進国の日本。高齢患者と家族の物心を豊かにする病衣と、家族のつながり、尊厳ある生活を“諦めさせない”サービスで、世界市場も開拓します。

この414字からすべてが始まったのです。今読み返しても、自分の真っ直ぐな思いが書かれています。ケアウィルがご提供する製品とサービスは、今は「入院着レンタル」からは更に進化していますが、2年経ってもここに書かれた思いとビジョンは何も変わっていません。

ちなみに、応募した後に事務局から送られてきた応募完了の通知メールは以下です。

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ここにある通り、当時の所属はKDDIに勤めるサラリーマン。そして「一番初めに何で TOKYO STARTUP GATEWAY のことを知りましたか?」という質問への回答はもちろん「電車内ポスター」。これ選んだ人は少数派でしょうね(笑)

そんなわけで、TSGへの応募はこんなふとしたきっかけでもあり、超リアリストな僕であっても運命的な何かを感じました。

TSGは、組織、物、資金、サービスなんて何もないアイディア段階においても、自分に強い想いさえあれば、東京都とETIC.、サポーター、そして応募者である仲間たちが、事業化を応援し、その具体化へ向けて伴走してくれるプログラムです。

自分の気持ちの中で何か引っかかること、どうしても諦めきれないこと、ワクワクが止まらないこと、泣きたいぐらい悔しかったこと、社会への義憤、それらが少しでもビジネスに関わるものであるなら、まずは、400文字にその思いを吐き出して応募してみることを僕は強くお勧めします。

それでは、また!

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