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#031 オーダーメイドについて #01

こんばんは、代表の笈沼です。

今日は、服にどっぷりな1日でした。そこ一人一人のの顔があり、心があり、未来への思いがある、そんな気持ちよい日でした。

朝は、自宅からすぐ近くの某専門学校とご挨拶も兼ねた初回の打ち合わせがありまして。

ただあまりにも天気が良かったので、また超ご近所様なので、1時間早めに現地へ行き、毎週定例の坪田さんと1on1ミーティングを、オフィス街の青空の下でやりました。Google Meetをつないで。

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公園のベンチに座っていると、目の前をスーツを着たビジネスパーソン達が早足に出勤していきます。

僕は、社会人になってから13年間はスーツを着て働いていました。金融機関に勤めていた時は、新丸ビルでかなりカッチリな格好で固めな仕事をしていました。最近だと、KDDIで働いている時には、本社に行くときは就業規則でスーツと決まっていました(ヒカリエ のオフィスはTシャツ、ジーパンでしたが)

そんなことを思い出しつつ、

「もうスーツはしばらくはサヨナラ。次にピシッとスーツを着るのはいつになるだろう。会社が上場して鐘を慣らすときかな。」とか、勝手な妄想をしつつ、セブンのコーヒーをすすり、スマホからMeetをつないでからの、坪田さんとの青空1on1ミーティング。なんて気持ち良いこと。話も弾みます。

そして、その後の某専門学校との打ち合わせも、とても楽しい時間でした。僕らは日々、目の前のタスクをこなすことであっという間に毎日が終わってしまうのですが、それとは違った長期的な視点で、服と服づくりに携わる人たちの明るい未来を、業界横断的に一緒に議論し合うことは本当に楽しいです(工場の方々と話していても同じ感覚があります)

さて、ここからが今日の一番のお仕事。

午後からは、ケアウィルの創業の原点でもある、オーダーメイドの服作りの下準備をします。

ーちなみに、ケアウィルが昨年末のクラウドファンディングで完売した服2カ月後のローンチに向けて準備している服は、"マス向け" の服です。オーダーメイドの服ではありません。"マス向け"の服は、服を独力で脱ぎ着できる方向け(あっても要介護2ぐらいまで)一方、オーダーメイドは、脱ぎ着が独力では困難な方(その多くは要介護3-5か入院中で動作に制約が多い方) 、つまり、家族や介護・医療従事者による更衣介助を要する方を対象としています。

そして、このオーダーメイド。今でも変わらず、僕の母が服づくりをしています。

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約2年前(会社設立の前)、オーダーメイドから僕と母の事業は始まりました。僕らケアウィルが大切にするクラフトマンシップの原点でもあります。

ただ、はっきり申し上げると、オーダーメイドはビジネスとしては儲かるかるものではありません。労働集約的で効率性も低いです。でも、僕のハートのありかを常に感じられる事業であり、今は難しいのですが、行く行くはオーダーメイドをきちんと独立した事業にしていきたいと思っています。それは社会的大義としても。

で、話はすこし逸れてしまいましたが、今日の午後からは、ご注文者様と服の仕様を最終確認し、母が服づくりに着手できるようになるまでの下準備を完了させる半日なのです。

まず僕は新宿での打ち合わせを終え、途中で食べ物をかっこんで駒込のオフィスへ。オフィスには母が既に到着していて、母が近くで買ったパンが机の上にずらり「あなたどれ食べるの?食べないで待っていたわ」と。あれ、俺、外で食べるって言ったじゃん、とか、、なんとか一悶着しているうちに、お客様との打ち合わせまであと10分しかありません。。

で、これは親子でよく似ているのですが、お腹がすいていると何も集中できない体質なもので。母は急いでパンをほうばります。むしゃむしゃ。

…で、トイレに行くだとか何だかんだで、予定より5分ほど遅れて僕のラップトップから急いで接続。注文いただいたお客とオンラインで打合せを開始します。

僕は、冒頭にご挨拶し、途中、論点を整理する程度の役割です。母がお客様へぐいぐい質問をしながら服のイメージを固めていきます。

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こんな感じです。

こういう光景を見ていると、アナログとデジタル、この間にケアウィルの服作りの価値があると改めて感じます。母の会話は理路整然としていて、質問も的確。頭の中には明らかにアルゴリズムがある。あらかじめお客様からうかがっていた多くの情報をインプットに、また、今まで自分が作ってきた、着てきた、見てきた服と照合しながら、これから作る服を頭の中で具現化していきます。

上の写真を見ると、母は私がメールで送った情報をすべて手元の紙に書き写してあるんですね。その紙を見ながら、オンラインでお客様と話しています。デジタルからアナログを行ったり来たり。

今回のお客様は神奈川県にお住まいの方、介護施設にご入居されているお母様へ、普段、施設で着ているパジャマのような服ではなく、着て人と会える、昔のお母様に戻れる、そんな襟付きの服を作ってくれませんか、というオーダーでした。

オーダーメイド服には、注文をされる方一人一人、それぞれ異なる思いが込められています。そこには一つとして同じものはないストーリーがあります。ケアウィルの事業はマス向け服が柱ではあるものの(今後、さらにそれを加速させます)ケアウィルが、オーダーメイドをやり続ける理由の1つは、創業者である僕の心がお客様とのストーリーにいつも動かされるからです。

ちなみに、このお客様とは、オンラインで一度お話ししましたが、一度もお会いしたことはありません。ただ、ケアウィルは幸か不幸か、コロナ禍に設立された会社なので、フルオーダーメイドであっても、デジタルのやりとりのみで納品までを完結できます。コロナ渦では、当然ながら直接お会いして身体採寸を行うことも、高齢である母が移動をすることも難しい。ただそのお陰で、オンラインで全てを終えられる服作りのプロセスがケアウィルでは進化してきました。

その順序は、まず、多くのオーダー情報をウェブのフォームでお客様から予め入力してもらっています。これでオーダーメイドに必要な情報の約70%は取得できます。その後、初期的な不明点については、僕とお客様とで2、3回twitterのDMやLINEでやりとりすることで解消。最後に、お客様のデザインと生地に関するご要望、着用者様とそのご家族の人となりを知るために、お客様と作り手である母がオンラインで打ち合わせをします。

そして、その打ち合わせは無事終了。その後は、ホヤホヤの服のイメージを頭に残して、生地を選びに行きます。

ここから先はまた別の投稿でお伝えしますね、今日はここまで。ではまた!


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