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#028 高齢縫製者の雇用について

こんにちは、代表の笈沼です。ひさしぶりの投稿です。

今日は高齢縫製者の雇用について。

僕は、carewillの事業目標とは別に、儲けなんてホントどうでも良くて(こんなこと言うとステイクホルダーの皆様に怒られちゃいますが笑) 、縫製技術を持つ高齢者の方々をいつか当社で組織的に雇用することを目指しています。

なぜか。みなさんご存知でしょうか?

1976年以前、つまり、教育基本法で専門学校が初めて認可される前までは、服飾学校(正確には「服装学校」) を卒業した方々は、高度な縫製技術を持っていても中卒扱いだったのです。男女雇用機会均等法よりもずっと前。社会の需要とその仕事の伸びに対して、法制度が追いついていなかったという背景。

統計によれば、服飾を学んだ人が最も多かったのは1950-65年頃。この頃は服飾学校ではなく「服装学校」という名で、なんと、高校の数より服装学校の数の方が多かった。授業は厳しく、教科数は現在の専門学校の2倍あり、課題も多く、卒業した生徒の技術水準はとても高かった。

この方々の多くは専業主婦になりました。服装学校での学び=花嫁修行という時代です。そして、子供が独立し夫も定年となった頃、つまり、1988-2005年(当時55歳)に、その技術を使って仕事をしたいと思っても、専門学校卒の資格がないので職に就けなかった、もしくは、正当な雇用条件の仕事に就けなかったのです。

当時、学校には卒業生から多くの問い合わせが来て「私、学校卒業したのだから専門卒の資格はあるのよね?」と聞かれたそうです。僕は、一昨年、この話を母が卒業した学校の教務課の方から聞きまして「卒業生からは、今でもまだ問い合わせがあって心苦しいんです。」と。

これは、過去形だけでなく現在進行形の話です。1975年に服装学校を卒業した方は現在63歳。僕の推計では、現在63歳以上でご存命の服装学校の卒業生は150-170万人いらっしゃいます。今や100年ライフですから、この雇用が実現できないわけがない。社会が機会を提供してこなかっただけだと僕は思っています。

僕の母は幸い多くのご縁があったので、田中千代学園で講師の職を得て、76歳の今でもカルチャーセンターで洋裁講師の仕事を続けられていますが、これは本当に幸せなことです。社会とつながりがあること、さらにそれが生業になるのなら、最高の生きる喜びだと思います。そして、製造原価×5倍=上代!以上。の掛け算だけの安価量産だけが服づくりではないと僕は思います。

理屈を超えて、いつかcarewillとして、大きな視点から何かできないものかずっと考えています(これはまだ解なし) どなたか一緒に何かできそうな方、ご遠慮なくご連絡ください!

▼ケアウィルの直近プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000054309.html

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