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母との日々

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2022年4月の記事一覧

夢の中の本

夢の中の本

朝、5時半の目覚ましで目覚めてから、5時58分に起きるまでのまどろみの中で見た夢が、最近よく見る夢の続きだったような気がした。

ときどきそういうことがあるが、たいていそういうときは疲れがたまっているときだ。自覚症状というほどのものはないが疲れていて、夢を見たことでそれを自覚させられるというパターンであり、そのとき見る夢はなぜか同じ夢の続きであることが多い(そう夢の中で思っているだけかもしれないが

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ヘンデルのメサイア

ヘンデルのメサイア

母のコーラスの話を書いているうちに、昔ヘンデルの『メサイア』をシンセサイザーに歌わせたことがあったのを思い出した。

もう40年も前のことになるが、当時わたしは、ヤマハから発売されたばかりのMSXパソコン(YIS503)を買ったのだった。MSXパソコンはマイクロソフト社が作った規格で、日本のメーカー各社から発売されていた。メーカーによっては独自の拡張機能があり、音楽に強いヤマハのものは、音源とシー

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下り始発電車

下り始発電車

久しぶりに、といっても週に1日はかならず行くのだが、職場に出勤するつもりでまだ暗いうちに家を出た。

電車は、いつも始発と決めている。かならず座れるし、まったく込まないので感染リスクも最小限に抑えられる。空は真っ暗だし、駅に人影はまばらだが、それでもドアひとつにつき2-3人ていどの人がホームにいる。始発電車に乗る人は決まっているので、いつでもほとんど同じ顔触れである。電車の座席も、曜日によっては8

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湯船を放置する

湯船を放置する

今日はひさしぶりに朝から雨であるが、テレワーク日なので関係ない。朝食後に、コタツに入ってニュースを見ていたら、母が来て、「ちょっとこっちに来て」という。何かと思ってついて行くと、風呂場に行き、「見て」と浴槽を指さした。見ると湯船に水が張ったままである。昨日わたしが落とすのを忘れたのだ。

「入ったの?」と母が聞く。つまり、お湯を入れたままで、入るのを忘れたのではないか、というのである。

わたしは

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