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転職回数と自己理解

こんなtweetをした。

※補足。ここで言う転職回数というのは、「転職マーケットに身を投じて転職をする場合」の話だと捉えて頂きたい。すなわち、「自ら応募する」時である。実は転職回数が問題にならない転職がある。それは「縁故」と「ヘッドハント」、つまり「転職マーケット外での転職」、「誘われて/請われて」の転職の際だ。今回は後者の話ではない。


さて、転職回数が3回の方は簡単に離職を考えない、それは過去の苦労を知っているからである、という根拠付けをしたが、これをもう少し俯瞰的に捉えてみようという試みが今回の記事のテーマである。

なぜ、苦労すると転職を考えないのか。

その答えを考えるためにも、苦労の正体を考えていきたい。転職活動・転職における苦労とは何なのか。転職活動においては「なかなか受からない」ということに他ならない。自分は行きたいと思っている会社にフラれ続ける。転職回数を重ねる毎に、その量が増えていく。すると、「次回はもっとフラれるかもしれない」という恐怖が、簡単に辞めることを自制する。

では転職における苦労とは何か。それは「転職先に適応する」ことだ。たとえ競合他社に転職したとしても、カルチャーは異なる。異業種や異職種への転職であれば、仕事内容も異なる。すると、自分のやり方を発揮する部分と適応させる部分を考え、社風と仕事にフィットさせる工程が必ず必要になるが、この「慣れない期間」は気を遣い、労力を使い、時間を使う。その慣れない期間は、周囲は慣れるように指導するケースが多く、年齢を問わずある種のダメ出しをされるという感覚が拭えないのである。その経験を複数回やっていると、「これは大変だ」という感覚になる。

つまり、転職活動と転職における苦労とは、社会と会社からのフィードバックによって起こるものである。

さて、社会と会社からフィードバックをされて何が起こるか。「辛さをもう味わいたくない」という気持ちから「辞めることを自制する力」、つまり「自制心」が身に付いていく。そして、自制心と同時に、必死に「慣れる力」、つまり「適応力」が身に付いていく。

その工程を繰り返していくことで、「自己理解」が深まる。何かというと、「あの時簡単に転職しちゃったけど、なんでやっちゃったんだろうな、今ならしないなあ」という感覚であり、過去の自分より成長し、自分の性質に対する理解が深まる。


筆者は転職エージェントとして思うのは、傍目から見て転職回数が複数回ある方は二極化しているということ。すなわち、①転職を繰り返すことで自己理解が深まり、自分を変えていける人 ②転職を繰り返しても自己理解が深まらず、自分を変えていけない人(環境のせいにする人)。程度の問題こそあれ、どちらかしかいない。

そして、メンバーへフィードバックをする立場から思うのは、同じ会社に属していても二極化している。①フィードバックを得ることで自己理解が深まり、成長していく人 ②フィードバックをしても受け入れられず、成長しない人(出来ない理由を環境のせいにする人)。これも同様、程度問題はあれ、極端な印象。

フィードバックは自己理解に極めて重要なファクターであると同時に、それを「傷の浅いうちに」気付けるかどうかというのは、成長する上で最も大事なんだろう。

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