Ⅸ)自分のキャリアを見つめてきた私が人のキャリアに興味を持ったきっかけ
キャリアコンサルタントの松岡澄江です。
この特集では、キャリアコンサルタントをめざす方の参考になればと、キャリアコンサルタントとは何か?どんな仕事をしているか?等を書いています。これまでの記事は、こちらのマガジンでご覧いただけます。
今回は、私自身がキャリアに興味を持ったきっかけを振り返りつつ、これからのことも考えてみました。
意味ある人生を望んだ10代、自分大好きな20~30代
両親は働き者でしたが、それぞれ30代で病気になり人生を終えていきました。それを間近で見ていた10代の私は、「人生はいつか終わる」とひしひしと実感していたせいで、どこか生き急いでいる子どもでした。かなり波乱万丈で、太く短かった両親の人生は、反面教師となって意識に根づいていきます。その頃の私は、人生がいつ終わるかわからないのなら、「意味のある人生を送りたい」と強く考えていたようです。
高校生の頃から、仕事は自分の人生の大きなテーマだと思っていたので、「何者かになりたい」、「早く何者かにならなきゃ!」って、焦っていました。高卒で働き始めた当初は事務職でしたが、編集者等のクリエイティブな仕事にどうやったら近づけるかをずっと考えて過ごします。
「私のファーストキャリア」について書いた記事がありますので、こちらもよろしければご覧ください。
多くの若者がそうであるように、20代の私の興味の中心は「自分のキャリア」でした。20代は結婚・出産・子育てとライフイベントが重なり、仕事を一度辞めています。子育てにに慣れてきた頃、どうしてもまた働きたくなって、記事を書いたり編集したりする仕事をフリーで始めます。
当時は、子育てと仕事の狭間でバタバタしながら、時間はどんどん過ぎていく日々の中で、「30歳までにライターの仕事を確立したい」と自己実現に焦る気持ちを持て余していました。
自分がその職業で一人前になるにはどうしたらいいのか?何をすれば認められるのか?どうやったらそれに近づくことができるのか?
20代~30代は、自分が何者になれるのか?をずっと問いかけ続けていました。
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人のキャリアに目がいくようになった40代
そんな私の視線の向きが変わったのは、40代で管理職になった時です。部下はみんな若く、20代半ば~30代半ばぐらいが中心。
ふと周りを見渡すと、私の若い時と同じように「何者になりたいのか?」「どうやったら認められるのか?」「ライフイベントをどうしたらいいのか?」と悩んでいる社員がとても多いのです。私が働き始めてもう20年が経過していて、仕事上の男女差もなくなってきているし、会社の制度も充実してきているのに、それでも「若い人の悩みって私が悩んでいた時と、変わらないんだなぁ~」と気づきます。その気づきがきっかけで、若手のキャリアを支援する気持ちが強くなり、仕事上の悩みだけでなく、個人的な悩みも幅広く相談に乗るようになっていきます。
※こちらの記事でもキャリア支援者になろうと思った動機を書いています。合わせてご覧ください。
これまで、「自分のキャリアをどうしたら?」と、自分にばかり向いていた意識の矢印が、管理職になったことをきっかけに180度回転し、「人のキャリアのために私ができることはなんだろう?」と考えるようになったのです。
これは大きな転換です。
180度視野が変わると、見えてくる世界も変わっていきます。一人ひとりのキャリアがこんなにも多様で、それぞれがホントに大切であること、安易なアドバイスではその人が何かを選択することが難しいことを実感していきます。
それと同時に、相談してくれた人が何かに気づく瞬間とか、表情が明るくなっていく様を見て、こういったかかわりがもっといろんな場面であったら、若い人たちも未来を描けるようになるのではないか?という想いが強くなりました。
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もっと気軽にキャリアの話ができる世界をつくりたい
就職・転職の時だけではなく、年齢的な区切りや転勤や異動など環境が大きく変わる時、結婚や出産等のライフイベント、子どもの成長の節目に合わせて、等。もっと気軽に、いろんなタイミングで、キャリアを考え、自分の今後の人生を描くことができるようになったらいいなと思うのです。
そのために私ができることは、2つ。
1)キャリアの考え方を広く伝えること
2)お話を聴くことでキャリアを深く考えるお手伝いをすること
1)の伝えることにはいくつか手法があります。一つはこのnoteのようにブログとして発信し続けること。これまでも行ってきましたが、これからもコツコツ続けたいと思っています。もう一つは研修やセミナーで伝えていくことです。どちらも伝わるように伝えるために、工夫も学びもまだまだ必要だと思っているので、ここを高めていきたいと思います。
2)の聴く機会はもっと増やしていきたいです。誰でも気軽にキャリアの話ができるように、必要な時にキャリアを考えることができるようになったらいいなと思っています。そして私自身の聴く力も高めて、話す人が深く考えることができるような、そんな支援をめざします。
若い頃の私は、自分のことばかり考えてきた私ですが、年齢を重ねた今、人のキャリアを支援する仕事に生きがいを感じています。伝える力と聴く力を強化して、キャリアを考える機会を提供していきます。
・著書紹介
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