見出し画像

「みんなやってるから」やってませんよ

ウン十年前、地方に配属になってすぐ、先輩から以下のように言われました。
「夜中の軽トラには気を付けろ」

はて、どういうことでしょうか?と聞くと、
「まずまちがいなく、飲んでる

ひえー!
車社会ですから、飲み屋もスナックも車で行きますよね。
飲酒運転は当時ももちろん違法でしたが、みんなやってるから、という認識の人もまだ多くいました。

ところが、飲酒運転の悲しい事故が次々に怒り、実際に違反者が逮捕され、処罰も重くなりました。
飲酒運転で人身でなくても事故でも起こそうものなら、一発で会社クビという時代になりました。実際に会社を去った人が身近に出て、初めて人は
「あ、ほんとにやったらダメなことなんだ」と認識するわけです。

ルールは守ろう


談合とか、選挙で現金が飛び交うとか、かつては当たり前、必要だと思われて始まったことだったのでしょうが、現代ではアウト。
みんな、法律というルールの上で仕事をし、入札や選挙も戦って、助成金や運営費を受給しているんです。

ルールを破って勝つのは、フェアじゃない。
ルールは、守る。

今回これを思い出したのは、「保育士水増し 運営費不正受給」のニュースを見たから。

誰が不利益を被るのか?


そこにいもしない保育士が、その園で働いていると申請してその人数に合わせた子どもの数を受け入れて保育をしているってことです。


現場の先生たちは透明人間がいるなんて知りもせず、一生懸命、誠実に、今日も子ども達のために働いています。
透明人間じゃない保育士は、やりきれないでしょうね。
子ども達も、心配です。保護者も、きっと複雑な思いでしょう。

透明人間本人も、名前使われてるのを知っていたのか知らないのか、
本社ぐるみの不正。やりきれませんね。
でも、今日も子ども達は元気に登園してくる。
子どもを預かってくれる場所がないと、保護者は仕事にいけない。

ルールを守らなくてもバレなければ・・・

正直、このニュースを見た時、「やっぱり、やってるんだ」という感想を持ちました。
子どものためより会社の利益を優先する価値観を持つ人であれば、やろうと思えば、できてしまう。
急な欠員など、やむを得ない事情はあるでしょうが、この会社は、「やむを得ない」レベルではなかったのでしょう。

真面目に経営・運営をしている園にとっては、本当に迷惑。苦々しい話です。
真面目にルールを守って申請し、申請内容に基づいた運営費をもらっている法人がほとんどだと思います。
保育士になろう、保育を仕事として選ぶ人が「子どものため」でないことをするなんて、ありえないと思います。(思いたいです)

ルールを守らないのは論外ですが、ルール違反でもバレないという制度も問題ありです。

あんなに監査、監査ってやってるのに、何をみているのか。

こんな不正、「どこでもやってる」なんて言われないような仕組みにしないといけないですね。

10の姿「道徳性・規範意識の芽生え」

保育園は、子ども達に教育を施すというミッションの法人です。
運営者自身が、就学前までに身に着けたい10の姿の1つ「道徳性・規範意識の芽生え」をもう一度復習しましょうね。

●友だちとさまざまな体験を重ねる中で、してよいことや悪いことがわかり、自分の行動を振り返ったり、友達の気持ちに共感したりし、相手の立場に立って行動するようになる。
決まりを守る必要性がわかり、自分の気持ちを調整し友達と折り合いをつけながら、決まりを作ったり、守ったりするようになる。

保育所保育指針より


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?