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CHROが採用を成功させる7つのポイント

ペルソナ設定をしていない!?

エージェントをしている時から、採用しやすい企業と採用しにくい企業の差は何かと考えていました。

人事の採用担当、採用責任者、経営者が全く違うことをいう企業が9割あるということ。

なぜ、こういうことがおこるのかというと、見ている景色が全く違うということ。

経営者は数年先を見据えて採用をしていることが多いのですが、採用責任者は現場からのニーズに答えないと離職率が上がり、自分の評価を落としてしまうという不安と戦っています。

採用担当者は求人票を埋めることに対して必死になり、いろいろなエージェント、広告媒体へ無差別に連絡をして、採用活動を早期に終わらせるためにはどうしたらいいのかを考えています。

私はエージェントとして仕事をしていた時も、人事で仕事をしている時も同じように、きちんとした採用計画を基に採用活動をするようにしている。

ターゲットをしっかり決めて、採用するためには知恵を絞るようにしています。

じぶんの教科書があるけれど、時代、企業ブランドの有無、発信などによって、いろいろな方法を常に考えるようにしています。

なぜ、階層別に見ている風景が違うのかというと、他責にしているのか、自責にしているのかということで採用担当の動き方が大きく変わります。

7つのポイントに合わせて、順をおってお話していきます。

その1 経営戦略に合わせた採用計画を考える

通常、採用計画は経営計画と連動し、中期(3年~5年)において、どんな人材が必要かを把握して人事計画を構築します。

経営計画と採用計画を連動させずに採用活動を行っていくと、社内で周知できていないプロジェクトが水面下で進み、そのプロジェクト要員として社内の人材が引き抜かれるケースなどにより、人員計画や採用計画に狂いが生じることもあります。
 
また、採用業務は「いかに予算を確保できるか」も重要です。

そのために中長期的に経営計画を把握し、採用計画と連動させることで、経営陣に「なぜ予算が必要なのか」という質問に正確に回答し、説得することが求められます。
 
ここでは、経営計画と採用計画を連動させることで、どのように求める人物像設計につなげていくか、3つの考え方を紹介します。

1.経営計画と採用目的を明確にして人員計画と採用計画を立てる

経営計画に基づき、なぜ新規で採用するのかを明確にして言語化します。
ここを明確にすることで、「事業内容や企業ビジョンに共感してくれる人」を設定することができます。

大前提としてあるのが、会社とともに成長をしてくれる人を採用することが求められます。

即戦力として同じような経験を持っている人を採用したいという形になりがちですが、未経験者であっても、スキル不足と感じたとしてもそういう人材は後々大きな戦力になります。

なぜなら、即戦力で採用をした場合というのは期待値が大きい分、戦力値評価がしづらい傾向があります。

より優秀な社員を採用してしまうとパワーバランスが崩れ、足の引っ張り合いをしてしまうことになるでしょう。

そうすると成長する機会をのがしてしまうことになる確率が高くなっていくでしょう。

成長したいというモチベーションを高めるためにも、即戦力よりも未経験者やスキル不足と感じるぐらいの人材採用をするほうが後々会社の発展につながっていきます。

2.社員の働き方を明確にする

職場環境やどのようなスケジュールで働いているのか、働く上で何を大切にしているのかなど、職場環境を言語化します。

この作業により、「企業風土や雰囲気に合う人」を設定できます。
意外にもこのことをやらない企業が多いんです。
現場によって残業時間や業務量、業務内容は違うもの。

ここをしっかりと説明できるかどうか、どのように伝えるのかなど、詳細を打ち合わせしておくことが必要になります。

3.将来の事業計画と働き方の変化を予測する

たとえば、5年後の新規事業立ち上げる計画があり、新規事業をマネジメントできる人材が欲しい場合、

5年後にマネジメント職につけるような年齢や経験を設定して、「スキル要件、性格や適性を細かく言語化」していきます。

見通しを立てての採用ということになると、長期的に活躍できる人物であり、事業内容、ビジョンに共感してくれる人を採用することで、事業に加速がつくことになります。

即戦力を採用することでは共感してもらえる部分が少なくすぐに離職することにもつながりますので、ビジョンにあわせて採用をすることが重要です。

ここまでの1~3をまとめることで求める人材像を明確化することにつながります。

その2 ヒアリングした内容を整理する時の基準

求める人物像を設計するには、オーダーをもらった部署へのヒアリングが重要になります。

実際には該当部署の仕事内容を経験していないと難しい部分もあり、何を聞けば良いのかわからないこともあります。

そこで以下の3つの要件を基準にしてヒアリングを行うようにしましょう。

MUST(必要条件)
WANT(十分要件)
NEGATIVE(不要要件)

オーダーする側は、高い理想を語りやすくなるものです。
MUSTとWANTは慎重に分類し、まずはMUSTとNEGATIVEを中心にして求める人材像を作ります。

そこにWANTの要件は実務経験や研修で補うことを前提にし、「WANT要件の素養があるか」という項目を追加して求める人材像を完成させます。

また、そもそも本当にWANT要件が必要なのか議論しても良いかもしれません。

この分類ができていないとぼんやりとした人物像になってしまい、採用活動が長期化していくことにつながっていきます。

採用担当者の悪い点としては、この点がきちんとヒアリングができていないことが多く、求人票の枠を埋めればいいんだろうという感覚でやっていることが間違いの元になります。

理由は簡単です。

人事の仕事を自分が責任をもってやるという意識がないからです。
人事は人材の墓場ともいわれている所以ですが、指示待ち族であったり、各部署でお払い箱になった人が責任者をやっているからです。

そういう人が責任者である企業の採用は成功しないといい切っても過言ではありません。

定年まで無事完走を目指す人が責任者をしているのであれば、すぐに交代をさせてください。

その3 キャラクターの設定をする

ペルソナは本来、商品・サービスの対象となるユーザーを実在する人物のように詳細に設定をするマーケティング手法で、これを採用に応用します。

小説や漫画の登場人物を設定するような感覚で、たとえとして、人事課長の補佐ができるような人を採用するとしたらどんな人物が良いか、現状の状況や課題を踏まえて考えていきます。

「課長は関西出身だから関西出身者だと相性が良さそうだ。ゆくゆくは幹部候補に成長して欲しいから経営感覚を持っている経営学部出身者が良い。」

「人事にそれほど詳しい必要はないが人事に関心があって、課長の補佐をするには資料作成が上手い人が良いだろう。」

「人事部は面倒見が良い人でないと務まらないため、何人か兄弟のいる長男や部活で部長やキャプテンをしていた人、またはボランティア活動で人の面倒を見た経験がある人が適性がある傾向がある。」

このように、思いつくまま人物像を作り上げていき、最終的に要件をまとめ1人のキャラクター(ペルソナ)を作り上げます。

よくあるのが、この候補者、あの人に似ているよねという感覚的なことで伝えるのではなく、こういう人がほしいということをきちんと明確にする必要があります。

その4 社内の優秀な社員を徹底リサーチ

社内のハイパフォーマーの行動特性をリサーチ・分析し、類型化して求める人材像を作り上げる方法です。
以下では、行動特性のリサーチ項目の例を紹介します。

私の経験からつくっていますので参考になればいいのですが。

1.対人スキル

・他社との豊かな関係性を築くことができる親和力
・目標に向けて協力的に仕事を進めることができる
・状況を読み組織を動かすことができる統率力

2.マインド

・どのような場面でも気持ちの揺れを制御できる
・前向きな考え方やモチベーションを維持できる
・主体的に動き、仕事を完遂させるための行動を習慣づけている

3.課題解決能力

・課題を見つけ必要な情報分析を行うことができる
・課題解決のために適切な計画を立てることができる
・計画が変更になっても自ら行動を起こして調整をし、業務を遂行できる

その5 企業風土や働き方に合う人物像を作成する

スキルや経験が理想的な応募者が現れても、企業風土や働き方が合わないと入社後に「こんなはずではなかった」と離職につながる可能性もあります。
 
たとえば、起業家精神を持つ人が集まる企業に、ワークライフバランスを重視する人が入社すると、当然ミスマッチが起こります。

スキルや経験だけでなく性格や仕事に対する考え方についても、求める人物像に加えましょう。
 
非金銭報酬型というのはマズローの欲求5段階のうちの3つの高次欲求、「社会的欲求(社会に受け入れられること)」、「承認欲求(求められること)」、「自己実現欲求(自分の欲求が満たされること)」のことであり、これらの欲求を自社でどのように果たされるかまとめ、求める人物像に加えます。

企業:企業規模、業界地位、業績、経営ビジョン、経営者の人柄など
人間関係:職場の雰囲気、仲間との関係やコミュニケーションなど
仕事:仕事のやりがい、クライアントとの関係性など
処遇:福利厚生、評価方法など
スキル:研修体制、知識の習得、難しい案件へチャレンジできる制度など
ライフ:プライベート時間の充実、ワークライフバランスなど

自社の制度や人間関係を各項目に書き込んでいくと、自社に合う人物像ができあがります。

この作業を行うことで、優秀な人材ではなく自社にマッチした優秀な人材を採用できるようになります。

その6 人材要件フレーム

人材要件フレームとは、培った専門性や経験等のスキル、地頭や価値観等のマインド、性別や国籍等の属性で求める人物像を作成する手法です。

グローバル化がすすんでおり、留学生を採用する企業であったり、中途採用で外国人の採用が当たり前になりました。

これはエージェントと協力をして採用活動をする際にも必要になります。

求人票の内容にかいていない部分ですし、ここの共有をしっかりとしていないといけません。

エージェントと経営層が同じ考えをしていないと、候補者を口説くことはできないんです。

1.スキル

・専門性、保有資格、職務経験、実績、課題や難題を乗り越えた経験
・一般知識、業界知識、専門知識、自己啓発で得た知識
・業務遂行能力、判断力、企画開発力、情報分析能力、折衝力、指導統率力など

2.マインド

・高学歴や知識ではなく、柔軟な発想や創意工夫を生み出せる地頭の良さ
・変化や困難に立ち向かうエネルギーや活力
・主体性や向上心、責任感、協調性、柔軟性、継続力等の仕事に取り組む姿勢
・高い目標を掲げて達成することに価値観を見出すのか、社会貢献に価値観を見出すのか等の職務志向や仕事に対する価値観

3.属性

性別や国籍、新卒か中途か等の物理的な条件

その7 新卒採用

次に新卒採用向けにはなりますが、STP法に関してご紹介します。
 
「Sはセグメンテーション」、「Tはターゲティング」、「Pはポジショニング」の略で、STPはマーケティングの基本的な流れです。これを採用に応用をしていきます。
 
まず、新卒採用市場を一定の基準(学科、大卒・高卒、校風、偏差値等)で分類して市場を切り分けるセグメントを行い、セグメントをした市場から狙うべき市場を抽出するターゲティングを行います。

そして、ターゲットに定めた市場の中でさらにどのポジションを狙うかを決めます。
 
このSTP法を活用している企業が福岡県福岡市にある自動車販売会社です。

地元の高専、専門学校に対してインターンシップの受け入れや授業への協力を行い、定期的に学生を受け入れています。
 
このように、ターゲットを詳細にすることで、条件に当てはまる学校と提携するなど明確な打ち手ができるため、求める人材を確保することにつなげやすくなります。

最後に、人材要件フレームがなかなか上手く作成できない場合は、これまで採用した社員と求める人物像との間にギャップがなかったのかを振り返り、採用活動自体を見直してみましょう。
 
また、人材要件フレームを作成できても採用市場に求める人物像に合う人材がいなければ意味がありません。
求める人物像がある程度固まってきたら、採用市場に求める人物像がいるのかリサーチしておくことも重要になります。

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