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嫌われる勇気を持った時、腹を割って話せる関係になる!?3つの理由とは!?

心遣いには2つの意味が存在している

1つ目の理由はその人のことを思って行動をすること。
2つ目の理由は相手に嫌われないように顔色をみながら行動をすること。
タイトルを見てアドラーの心理学かよッて思った人、違いますからね。

これはとある会社の会長さんが会食で話をしてくれたこと。
「あんちゃんの場合は…前者にあたることが多いな。他の奴らは…後者になるかな??」と口を開く。
「会長、いきなり何をぼやいているんですか?いきなり言われても、リアクションに困りますけど…」と私が答える。

しばらく、頬杖をしていて考えた会長が重い雰囲気を打破することになる。
「以前に仕事を一緒にした時があったろ。あの時は生意気なガキがって思ったんだけどさ、問題の本質を見抜いて、役員や人事が言えないことまでズバッと言われてしまったことがあったんだよ。」
「はいっ!?もう8年ぐらい前の話ですよね?」と間髪をいれずにツッコんでしまった。

「その瞬間はめちゃくちゃムカついて、怒ってしまったんだな。あんなことを言う奴はいなかったから…」
「だから、こうして何かあるとタダ飯を食わせてもらう代わりに、相談に乗るというスタイルになったんですよね。」
「そうだね。あの時のやりとりがなかったら、こうして会食をすることもなかった。」
「で、話を戻すけど、会長。さっき言った2つの心遣いの違いってなんなんですか?」

その人のことを思いやって行動をするということ

「言いづらいこともあるし、会社がよくなる方向へすすむより利益追求の考えをする奴らが多くなった。」
「たしかに。生産性とか効率化という言葉がひとり歩きしていますからね。」

「だから、人の内部まで入り込むことをしない奴らが多くなったということなんだ。」
「会長という立場からすると、何も言えないよ。ビビっちまうからね。口答えをした時にどっかに飛ばされるか、後ろから刺されそうな雰囲気しているから。」
「そこを超えてきたのが、あんちゃんだろう?喧々諤々といろいろな話をしながら信頼関係を築いたじゃねーか。」

「あの時は信念を曲げられないというか、頑固者だと思ったから、自分のルールを曲げなかっただけでしょう。その後、採用してもらった人が8年も活躍しているんだから、嬉しいものですよ。」
「口は悪いけど、本音でぶつかってきやがったって感じたもんなぁ。」
「だから、Agentを辞めた今でもこうやって話しをする機会をもらってんじゃないですか??」というと、会長と私は大声で笑ってしまった。

この会話の裏にはおそらく会長がクライアントや従業員に対して、いろいろと悩まれていると察知した。
こういう話をするときは、たいていの場合は、自分が引退の覚悟をしたのか、自分自身に何かが起こった時の前兆のような気がしてならない。

「会長。何かあったんですか?こういう話をすることはあまりなかったから…」

「ちょっと相談したいことがあるんだ。資料を渡すからこの場であんちゃんの意見を聞きたい。」
「わかりました。資料を見せてください。」私がというと、おもむろにかばんから辞書のような厚さの資料がでてきた。
「これは見るまでに時間がかかるんじゃないですか?要点をまとめて話してください。」
食事をしながら、その資料の要点について会長が話しだした。

「そうすると、周りにイエスマンしかいなくなったことと、従業員のモチベーションの低下が著しいということですね。」と私がいうと、会長は無言のままうなづいた。

人の顔色を伺いながら行動することが多い

「そうですね〜。非常に難しい問題ですね。会社の中に会長の懐刀になりそうな人材はいないんでしょうか。」
「う〜ん…いないなぁ〜」
「そしたら、外部から招聘するか、新卒を育てるかしかないでしょうね。」

「外部から招聘をすると、ハレーションが起きやすくなる。内部から引っ張ることがわかると、政治家が増えて利権、派閥争いがあるな。新卒を育てるというのも時間が掛かるし、自分がいなくなったらクーデターのリスクもある。」
「そこまで分析できているのに、懐刀がいないって…人材育成の失敗じゃないですか??」

「あんちゃんだったら、そういうだろって思っていたよ。最近の社内は私、社長、役員の顔色をみながら、本音を言わんのじゃ。そして、利権、覇権を争う派閥をつくる奴らが多くなった。それが嫌なんじゃ。」

「そしたら、選択肢は3つあるかも知れないですね〜1つ目は会社を売却する、2つ目は外部招聘をして膿を出す、3つ目が派閥同士で戦わせていく」
「なんでそう思うんか?」

「会社が売却されればリストラされる可能性があるという危機感から一致団結をすることもあるが、空中分解してしまうリスクもあるのは、お解かりですよね。会社を売却すれば、また新しい会社を作るための資金ができる。そうして自分がつくりたい会社をつくればいい。」
「従業員はどうなる?その家族はどうなる?」

「浪花節、仁義を通すという時代ではありません。自分達が蒔いた問題を直視できるのかどうかがポイントです。」
「やっぱり、そういうところはドライだな。」
「そうですね。会社を政治の道具にしている奴らは会社を発展させることはできないでしょうから。」

「2つ目の方法は、相当な危険を伴わないか?」
「こちらもハイリスク・ハイリターンです。コントロールができなくなる可能性もありますから。」

「3つ目の方法はリスクが小さいように思えるが…」
「ハイリスク、ハイリターンですね。引き抜き工作、いやがらせ等をやられると会社の信用問題になりますから。」

「そうだな。あんちゃんの言うとおりだな。どの選択肢をとってもハイリスクハイリターンだな。」
「会長が最後にお決めになることですから、これ以上は何も言えません。」
「もう1つは新卒を大量採用して、会社に貢献しない人物を追い出す方法もありますけど、コンプライアンスを守らないと、労働問題にもなるので、それもハイリスクハイリターンですよ」

「わかったよ。ちょっと考えてみるよ。フレームが決まったらまた飯おごるわ。」
「いいですよ。いつでもお待ちしていますから。」

生産性、効率化、スピードによってもたらされた弊害

バブルが崩壊して、金融機関が潰れて、会社もいつ倒産してもおかしくない時代。
他に取られたクライアントを取り返すには相当な労力がかかる。
しかし、クライアントが気づいてくれることも多い。
拝金主義になってしまったからこそ、クライアントとの深い関係が築けていない。
表面だけのビジネス上の付き合いが多くなっている。
これが悪いとは言わないが、機械でも出来る仕事のような気がする。
人工知能の研究が進めば、人に相談をすることより、コンピューターで決めるかも知れない。
コンピューターにないのはプログラミングされていない事象を人は持っているということ。
それが知識と経験というものである。
便利な世の中になってしまっているが、アナログなところをまだまだ活躍している。
営業さんがいなくならないのはそういうことかもしれない。

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