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攻める人事、守る人事の2つの差とは!?

人事は人材の墓場!?

とある講演会で超有名人の方がおっしゃったひと言。

「人事は人材の墓場ですし、奴らのいうことを聞いていると保身と自己満足でしかない」ということば。

その時は組織の中でがっちり人事をやっていたため、余裕が無かったから
「このオヤジ!何を言っているんだよ!」と突っ込んでしまった自分がいた。

今となってみると、そういわれるゆえんがよくわかる。

いろいろな企業の人事担当と話をしたり、セミナーをしてみると、「いやいや、そんなことをやっている暇はありません。」「わかっているけど、時間と人員がさけないんです。」「そんな手間ひまかけても一緒ですから、やってられません。」と平気でいう。

人事と経営者は腹を割って話をして、過去のしがらみや成功体験に基づく採用が陳腐化していることに気づいていない。

経営者の人たちもロジックがあるにもかかわらず、チャレンジすることはやろうとしない。

私は採用は妥協の産物ではないと言い切れる。
妥協の採用というのは、数を合わせるための採用であり、それを繰り返している以上、人は育たないし、通年転職サイトで見かけてしまう。

そうなってしまうとブラック企業というレッテルを貼られてもしかたない。

人事が人材の墓場と言われている理由が2つあります。

1つ目は営業や管理部門での問題児や成績下位の人間が人事をやっているケースが多くあります。

解決金制度が通過して法案の施行ということになれば、流れが変わってきますが、今のままでは労働者優位の法律になっていること間違いありません。

そのため、各課の問題児や成績下位の人材を配置するケースがほとんどです。

オワハラという言葉が流行してしまった裏側には、人事がしっかりと信頼関係を強固に築くことができずに、学生が何も知らないとたかを括った結果起きた現象でしょう。

予算ありき、納期ありきの採用をしている限り、人財のミスマッチは起きるわけです。

営業成績の上位者を採用のフロントへコンバートするぐらいの勢いがなければ、人事部はアウトソースして、採用活動から労務管理、給与計算などをやってもらうといいでしょう。

2つ目は毎年何百人、何千人、何万人を相手にしているから、人を品定めすることができると思い込んでいる。

類は友を呼ぶということばがありますが、優秀な採用担当には優秀な学生が集まってくることになります。

裏を返せば採用担当の実力が問われるのが、母集団形成の際に明確に出てくることになります。

こういう人事に限って、六大学、国公立、大手企業、転職歴などこまかいことにこだわります。

いわゆる大企業病ともいえることですが、そういう企業はあまり大成をしておらず、ある程度のところまで進むことによって終わりを迎えることになります。

求人情報や企業のホームページは世間体しか書いていない

企業が出している情報というのはほとんどが建前の話であって、本音は出ていない。

それに期待してしまったり、人事や面接官がいうことが正解と思い込んでいると、入社した後にギャップを感じてしまってやめてしまうこともある。

新卒の場合については、いきなりいろいろな仕事ができないわけだから、仕事を覚えていくことが必要であり、下積み時代が待っている。

しかし、出てくる新入社員や先輩社員はそういうことを話そうとはしない。

ネガティブなことをいわないというのがお約束になっているからだ。

中途採用でもワークライフバランスとか、ノー残業とかいう文言を信じてはいけないね。

この言葉を使っているのは流れに乗って作っている広告であり、取材をした広告営業のネタを元にライターが作っているから、キラキラ広告に仕上がっているのは事実である。

対外的な広報活動の一環としてやっているのが採用活動であり、そのツールとして求人広告やホームページがあるわけで、その延長線上にソーシャルネットがあるというわけ。

企業のブランディング力が問われるのが宣伝、広報の仕事であり、採用である。

採用担当はトップ営業を担当にするといい

採用担当の能力というのは4つの力から成り立っている。

商品を開発、企画する力として、ソーシャルネットの活用やインターンシップの企画など。マーケティング力として、ターゲットとする人たちへの共感と等身大のマーケティングができる力など。

広報宣伝活動力として、文章力、発信力など、自分がフロントに立ちパンダになること。

営業力として、クロージング力、説得力や交渉力を持っていること。

その中でも人事に一番足りていないのが、営業力のある人がいないということ。

内定辞退率が50%を超えなければいいというが、それでは母集団形成から頭が離れないことになります。

採用しても離脱が多いということはフォローが出来ていない証拠である。

今の人事に足りない要素はフォロー力である。

メールで送りっぱなしにしていたり、電話や面談という形で話をする機会がない。

そのメールも定型文をたくさん撒いているから、心が入っていないことが伝わる。

そういうことをしているから人が逃げていくのだろう。

また、選択肢が多くなってしまっているからこそ、決め手になるのは人だという事を言い切れる。

ちゃんとした動機付けをすることによって布石をうつことができるのと、
人間味を出すことによって、信頼関係ができつつあるのが現状。

内定辞退率が0%ということはないが、20%までならフォロワーシップによって、改善されることが実証されている。

ひとことでいうと、応募者のメンターになるということである。

メンターにとっては4つのメンターがいる。

どんなメンターにもすぐになりかわることができる人というのは営業経験者であり、トップクラスの営業でなければ、なせる技ではないということ。

傾聴力、称賛力、問題解決力が揃っていないといけない。

コミュニケーションの基本をしっかりおこなうことができるのと、フォローまでちゃんとできる営業を社内でスカウトするほうが懸命だといえる。

これからは風の時代

ここ数年で大きく価値観も変わり、ビジネスの世界も変わりつつあります。

地の時代は、成功をすること、所有すること、昇進することなど常に上を向いて歩いていましたが、風の時代になるとシェアをする、ボーダレス、フリーランスなどというように今までの概念が覆される事になりました。

最近ではSNSで採用をしている企業も多くなっていますが、手間と工数を考えると、費用対効果が得られないからやらないというところも9割あります。

それは時代をしっかりと読んでいるかどうかで大きく変化することであり、過去の成功体験ややらなきゃいけないというプレッシャーからつまらない内容になっているということに気づいていません。

オフィシャルのアカウントより、その企業の人のアカウントが強い理由は、熱狂的なファンがついているかどうかです。

フォロワーの20%が動けば小さな波がビッグウエーブに変化すると言われていますから、その20%の人に届く内容にする必要があります。

毎日更新をして共感を得られる内容を見つけたら、その分野を中心に攻めればいいわけですから、PDCAを回すことはすごく重要ですし、少しの時間で検証をすることができるので、業務の妨げになるまではいきません。

昨今では最短で結果を出すことが求められるようになり、中長期的に考えるとプラスになることもすぐにやめてしまうこともよくあります。

生産性や効率性を重視するのであれば、マーケティングやSNS運用のプロを採用すればいいのですが、内製化するのであればそれなりの時間がかかることになるということを忘れてしまっています。

ブランディングについては3〜6ヶ月ぐらいかかるものであり、すぐに結果が出るものでもありません。

人事も数年試行錯誤しながらも、未来の社員に対して種を蒔く方法を考える時代です。

これからの人事は、商品開発能力、マーケティング力、宣伝広報力、営業力以外にも、ライティング力、美的センス、共感力、コミュニケーション力など、いろいろな力が必要とされる職種であるといえるでしょう。


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