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「世界で戦う強い組織とは」Canow社長インタビュー 後編

テーマ「世界で戦う強い組織作りとは」
日本・海外という概念に囚われずグローバルマーケットで挑戦し続ける企業CEOにフォーカス。
外国籍人口比率2%の単一民族国家日本発グローバルで戦うベンチャー企業の“強い組織作り”についてインタビュー。今後の展開とビジョンとは、そしてどのようなキャリアフライを遂げるか深堀する。

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地政学的リスクを軽減できる、グローバルな事業展開

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羽二生:貴社では、外国にもメンバーがいらっしゃり、また海外の法人ともプロジェクトを進められています。メリットを教えてください。

桂城氏:弊社で扱うブロックチェーンや仮想通貨はまだ新しい技術であり分野であるため、法律が各国で変わりやすい点がリスクになります。
複数国にわたってビジネスをすることで、リスク分散ができ、ビジネスとして安定した運営ができています。

また、ブロックチェーン・トークンを活用したインキュベーション企業は日本にまだ少ないです。世界中の企業が日本のマーケットを狙う際に、問い合わせを弊社にいただく機会が多くあります。ビジネスチャンスが海外から来る時、多国籍チームであったり、他の国に頼れる人たちが多いことはメリットです。

羽二生:デメリットを挙げるとしたら?

桂城氏:海外企業と日本企業をつなげる時に、まだまだ調整役として入ると大変なことが多いです。例えば、日本は書類文化で、詳細まで詰めながらプロジェクトを進めて行きますが、海外では詳細が詰まっていなくても、大枠方向性がわかる、要点がわかるような状態で話が来ることがあります。

また、融資を日本企業から募る時、提出する書類が多く、海外企業に修正を依頼する回数が増える。そうすると、海外側としては「遅い」となり、日本企業としては「正確ではない」となり、破談するケースもありました。

少数精鋭なメンバーで、たくさんの企業と仕事をする

爆笑かつらぎ

羽二生:グローバルな組織にすることは、メリットが多いですね。今後もより強い組織を作られると思いますが、理想像はありますか?

桂城氏:社内は少数精鋭を維持し、社外で様々な法人と組んでいきたいと思います。
日本は中小企業が多く、その中でお金のパイを取り合っている。その背景から海外と比べると高給取りが少ない。
であれば、企業を一つの巨大な資本にまとめ、利益を各法人に割っていく、その方が幸せになれるのではと思うのです。
難題があったとしてもそれをみんなで共有して、お金を出し合う。そんな会社を超えたものを作って行きたいですね。
また、経営陣に外国籍の方を迎えたいと思っています。CFOにバンカーを入れたいんです。理想はスイス人(笑)すでに候補はいますが、給与も高いので、準備が必要です。

羽二生:社内公用語を英語にすることは、組織運営上必要ですか?

桂城氏:当たり前にしようとはしていますが、あまりうまくいかないと思っています。

現状は、資料は英語にしてくれと日本人メンバーにもお願いしていますが、それ以外はGoogle翻訳などを使ってコミュニケーションを取っている状況です。でもそれでいいと思っています。成果につながるなら、英語で会話ができることが必須ではないですから。

羽二生:なるほど。社内の公用語を一つにしないといけないという慣習に囚われている経営者の方もいらっしゃると思いますが、そこは柔軟に言語を選んで仕事をする方法もあるのですね。

海外に行き、何をしたいか、なぜするのかを明確にする!

ゆび

羽二生:最後に、今後グローバルで戦っていきたい、強い組織を作りたい経営者の皆様に、メッセージをお願いします。

桂城氏:グローバルで通用しないマインドを持った経営者の企業が通用するとは思えません。価値観を一度見直したほうが良いかもしれません。

例えば、日本の算数の問題は、1+1=◻︎ となってることが多いですよね。答えを求めます。これが、海外だと1+◻︎=2 となっています。つまり、答えにたどり着く手段を答えさせるものです。
この考え方の違いが、グローバルかそうでないかの違いだと思います。

これに当てはめると、海外に行ってまず何がしたいのかを明確にする必要があります。
それが明確になれば、手段はいくらでもあります。
外国籍人材の採用かもしれないし、人事制度の変革かもしれない、海外パートナーとの連携かもしれない。逆にゴールを明確にしないと、手段も見つからなければ社員も一緒にコミットできません。

もし海外に行きたい、グローバルで戦いたいと思ったら、次にすべきことは、相手を知ることです。よく、英語を真っ先に習われる経営者の方々がいらっしゃいますが、まずは文化です。相手の言葉を理解してもその背景を理解できなかったら通用しません。
まずはその国へ足を運んでみる。今はコロナウイルスの状況で難しいかもしれませんが、オンラインでもコミュニケーションをとってみることが重要です。まずは、外国籍の方と飲みに行ってくださいと言いたいですね。笑

その上で一つアドバイスをするとしたら、トライしてみましょうということでしょうか。
変なプライドは捨てて、まずやってみることが、グローバルなマインドを持つための第一歩です。

羽二生:グローバルで戦うことを決めて、その手段をまずやってみることが大切な一歩になりますね。これからも、貴社から生まれる社会を変えるビジネスと新しい世界を楽しみにしています。
本日はありがとうございました。

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canow株式会社代表取締役CEO桂城 漢大氏(左)CareerFly株式会社羽二生(右)

Career Fly
多様性ある文化形成を目指し、海外女子の人材紹介ビジネスを2015年にスタート。”日本ではたらく”を目指す理系海外女子を80カ国4700名をプール。海外女子の「越境転職をもっと身近に、気軽に」するための就業支援、および日本企業の優秀人材採用強化に貢献する。

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