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私が定年女子トーク実行委員会を発足した理由

定年女子トーク実行委員会を発足させたのが2016年5月。もうすぐ7年になります。
最初はFacebookで一方的にお役立ち情報の発信を始め、2019年に超少人数の定年女子グループをスタート。フォーラムやカフェなどのリアルな活動や電子書籍の発行などを続けてきました。
Facebookグループのメンバーは、今では650人を超えています。

働き続ける女性がまだまだ少なかった私たち世代。
若いころは25歳を過ぎると「クリスマスケーキ(=売れ残り)」と揶揄され、結婚退職は「寿退職」と呼ばれ、育児休暇も整備されていませんでした。
多くの女性が20代で会社を辞めてしまったので、私自身は新卒後勤務した会社で、29歳からずっと最年長女子社員でした。
周りに働く女性がいない期間が長くなり、40歳を過ぎたころから、いったい私はいつまで働くのか、働き続けるとどうなるのか、を考えるようになりました。でも周りの先輩は男性ばかり。

これからどうなるんだろう?
他の人はこれからどうするんだろう?
どんなことを考えているんだろう?
・・・定年に向けて考えている女性たちと、そんな話がしたかったけれど、私のまわりにはそういう話ができるような女性がいませんでした。
1986年施行の男女雇用機会均等法前後に入社した女性にとって、働き続けてきた女性はマイノリティだったのです。
当時から、「定年」に向けての情報はいろいろあったけれど、どれも男性目線の情報で、たまに出てくる女性は超エリートな人の話で、私には全然しっくりきませんでした。

でも、会社を辞めてみたら、頑張って働き続けている女性が、あちこちに点在していました。
もっと早く知っていれば、いろんな話が聞けたかもしれない、私の話を聞いてもらえたかもしれない。そういう情報交換がしたかった…と改めて思いました。

定年女子トーク実行委員会を発足させた根っこには、そんな思いがあります。
もちろん、人によって考え方も目指す方向も全然違うんですが、人の話から自分の未来を考えるきっかけをもらうことが少なくないことを実感しています。しかも働き続けてきたからこそ、定年女子それぞれにいろんな知見、スキルがあるので、そんなことも共有できればいいと思いました。
つながっていこう、つながりを目指そうと考えていました。

当時、定年に向けての指南書の多くは、お金の話が中心でした。一部に「孤独」を取り上げるものもありましたが、「つながり」を語っているところはほとんどなかったんじゃないかな。
最近、「つながり」の重要性を語られることが多くなってきましたが、私たち、意外にハシリだったのかもしれません(笑)。

50歳直前で会社を辞めた私は、介護について語り合うコミュニティに偶々参加した際に出会った勝木雪子さん(定年女子トーク実行委員会副委員長)と、つながりの重要性について喧々諤々話をするようになりました。
勤め人も自営も関係なく、定年を働きかたのリセットととらえ、仕事の枠を超えてつながって情報交換しながら、これからの人生を楽しくするための場づくりができれば・・・
そんな思いから定年女子トーク実行委員会を発足させ、勝木さんと一緒に試行錯誤しながら進めています。

定年女子トーク実行委員会では、
「定年女子」とは、「定年」を意識、考える女性たち、
「定年」とは、働き方のリセット、
と定義づけています。年齢や会社の定年、定年まで勤務するかどうかにはこだわっていません。
いろんな人がいて、それぞれがいろんな働き方をしていて、みんな違う。
通り一遍のことを教わるだけじゃ身につかないし、正解なんてない。
だからこそ、他の人の経験や事例の中に自分のためのヒントもあるはずと考え、勝木さんと共におしゃべり(トーク)の力を信じて進めてきました。

毎月開かれる定年女子カフェでは、参加する50歳前後の女性から、「私が会社で女性初の定年を迎える社員」という声をしばしば聞きます。働き続けてきた女性が少なかったことがよくわかります。まだそんな時代なんですね。
カフェでは、「こういう話、他ではできないから」「会社は教えてくれない(or 会社には聞けない)」「元気をもらった」などなど、いろんな声が聞かれます。

今まさに定年までのカウントダウンに悩んでいる人もいるでしょうし、まだ他人事だけど一応考えておきたい人もいるかもしれません。
一方で、委員会を発足してからの6年半の間に、早期退職を決断した人、キャリアチェンジした人、まさに会社の定年を迎えた人もいます。

私自身も、この間に還暦を超えました。
どんなふうに働くか迷走していた50代のころから考えると、ようやく自分の働き方が定まってきたものの、今、どうも忙しくなる一方なので、さらにもう一歩、次への変化を考えようと思い始めているところです。

定年を超えても、私たちの人生はまだまだ続きます。
定年に向けてこれからを考えようと「定年女子トーク実行委員会」を始めましたが、時の経過とともに、次のステージに向かう人たちも出始めてきたことは、新たな知見を得られる予感がします。

働き続けてきた定年女子だったら、同じような思いを抱える者同士でつながるだけできっと力を得ることもあるし、いろんな先輩女子の事例を知るだけで自分なりの学びを得られるかも…。

今、そんなことを感じています。

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