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老親介護問題その2 子ども同士、兄弟姉妹で分担し合えるかが問題

老親介護は、子どもが同居しているのか、離れて暮らしているのか。
離れて暮らしているにしても、近くにいるのか、遠くなのか、によって、事情は変わりますね。

でもそれ以上に大きく変わると私が思うのは、子どもがひとりっ子なのか、兄弟姉妹がいるのかどうか、ということ。
この、兄弟姉妹がいるかというのは、老親介護のお悩みなどの問題を共有したり分担し合えたりするかどうか、ということ。

兄弟姉妹も、
時間的に余裕がある人、
経済的に余裕がある人、
体力的に余裕がある人、
といろいろ。動けるかどうか、すぐに対応できるかどうか、なども。

それぞれの事情をもとに、それぞれがどこを分担するかを話し合える兄弟姉妹だと、その後いろいろな問題が出てきたときにも何かとスムーズです。

ちなみに我が家の場合は3姉妹。
3人とも親が住む実家から車で1時間~2時間の距離です。
3人とも、時間的な余裕は大差なし。仕事内容や働き方は違いますが、それぞれ仕事以外にもいろいろあるので。

さて具体的に老親のためにとなると、
・日常的に様子を見に行く
・急なSOSがあったときに駆けつける、
・ケアマネさんなど介護関係者からの連絡対応、
・書類の手続き関係、
・親に説明する(場合によっては説得する)こと
などがしばしば発生します。

しかも、介護を担う上で一番の難しさは、予測がつかないことじゃないかと私は思います。
あらかじめ休みをとったり、スケジュールを調整したりしても、急に変更したり、別の事案が出てきたりするので、段取り通りにはなかなかいきません。
しかも、それまでの経緯や親の気持ちや状態がわかっていないと、話を進めたつもりがすぐに振り出しに戻ってしまいます。
実は私、ある場所では「段取りの女王」(爆笑)などと呼ばれていたんですが、介護においては段取りなんかあまり意味を成しません。
段取りを組めば組むほど、段取り通りいかないことにイライラが増していきます。
むしろ大事なのは「出たとこ勝負」。我が家の場合は、出たとこ勝負に強い妹が力を発揮してくれました。

そんな状況であたふたしながらスタートし、試行錯誤の結果、初期段階で我が家では以下を整えました。

①スケジュールアプリの活用
スマホのスケジュールアプリで、親のスケジュールを姉妹で共有しました。
使ったのは、Time tree。 共働き夫婦のスケジュ-ル共有に使うことが多いアプリのようです。
親のスケジュールだけでなく、わたしたちも、大事な予定があって絶対に動けない日は各自がここに入れておきます。

②LINEグループを作る
姉妹でLINEグループを作り、親のことについて連絡を取り合いました。
ケアマネや介護事業者の名刺、保険証などはすべて写真にとってLINEグループ内のアルバムに保存し、誰もが見られるようにします。

③ケアマネとの連絡はできる限りメールで
介護業界が予想以上にアナログだったのには驚きました。連絡は電話が中心。それを、できる限りメールでお願いしました。特にできるだけケアマネさんとの連絡は、宛先を3姉妹にしたメールでお願いしました。
これがなかなかハードルが高い交渉ではあるんですが、のちのち言った言わないや、うっかり忘れの防止に役立ちました。

先日、私と同様に3姉妹の人も、LINEグループで同じように取り組んでいた、と言う話を聞きました。今の家族の介護負担の形ですね。
彼女の家の場合は、どんなこともできる人ができることを、ということで進めたとのこと。経済面でも3姉妹で負担する必要があったそうですが、それも平等に1/3ずつ分担し合うのではなく、そのときできる人ができる範囲で、ということで進めたそうです。仲が良い姉妹だからこそですね。

一般的には、介護ではキーパーソンを設定し、その人がケアマネや施設など外部との連絡を進めていくことになるのがよくある形。
介護事業者の人も、家族にはその形を奨めているようです。
実際そうでないと、いろんな家族が違うことを言ってくると現場が混乱して、前に進めなくなるからなんですけど、私たちはそれをしませんでした。
なぜなら、そうなるとどうしてもキーパーソンになる人の負担が大きくなる。3人とも忙しいし、みんないつでも自由に連絡を受けられる状況とは限らない。誰かひとりの負担が大きくなると、最初はうまくいっていても、だんだん不満がたまっていくだろうと、私が考えたからでした。

キーパーソンを設定する、という考え方は、同居している家族や、専業主婦などいつでも連絡を受けられる人がいることが前提のような気がします。
でもそれって、一昔前の発想。
今(これから)の時代には、ちょっとそぐわないんじゃないかな。

とは言え、キーパーソンを設けずに進めるとなると、子ども間?の情報共有が必須。上記のような共有がかなり徹底しないと、ケアマネさんや介護事業者さんを振り回すことにもなりかねません。

周りでは、兄弟姉妹と疎遠だったり、ひとりだけに過度に負担がかかっているケースをしばしば見かけます。
それまで仲が良かったはずの兄弟姉妹が、親の介護がきっかけでケンカをしたり不仲になったり、時には縁を切るという話が出てくることもあります。

老親の介護が大変であっても、兄弟姉妹がいればいろいろ分担し合えるけれど、一方で兄弟姉妹がいるからこそ情報共有には時間と労力も必要で、面倒なことも沢山あります。
親がしっかりして子どもにも気遣いできるうちはまだいいのですが、少し弱ってききて子どもが何人かいると、親の方もそれぞれにいい顔をしたくて違うことを言ったり、他の子どもの文句を言ったりすることもあります。
親が余計なことさえ言わなければうまく進むところを、親のせいでギクシャクすることだってあります。

ひとりっ子さんは、すべてをひとりで抱えなくてはならず、いろいろ負担は大きいですが、その分自分の一存で全てを決めることができるし、親も当てにできるのはその子だけですから、関係性がシンプル。

兄弟姉妹がいるかどうかは選べないことだけれど、親がいるのは誰もが一緒。
どんな風に老親介護に向き合うか。
兄弟姉妹がいる人は、兄弟姉妹とどんな風に付き合うかと、ニアイコールなんだなあとつくづく思います。

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