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香港が教えてくれる「自由」の意味

【2019.09.07 追記】

最近気になるニュースがある。よく報道もされているけど、香港の逃亡犯条例の改正を巡る話題だ。
デモの様子が報道されると、生々しい争いを目にするので衝撃的な印象を受けている人も多いだろう。
https://twitter.com/chowtingagnes/status/1146029961225969664?s=19

この一連のニュースを見聞きするたびに、僕は『自由』を連想する。

このデモ活動は香港の人にとって政府から奪われかけている自由を守るための行動だと理解している。

今回は何が問題なのか?ということではない。
この話題が教えてくれる、言葉の意味を書きたい。

では自由はどんな意味だろう。

1 自分の意のままに振る舞うことができること。また、そのさま。「自由な時間をもつ」「車を自由にあやつる」「自由の身」

2 勝手気ままなこと。わがまま。

3 《freedom》哲学で、消極的には他から強制・拘束・妨害などを受けないことをいい、積極的には自主的、主体的に自己自身の本性に従うことをいう。つまり、「…からの自由」と「…への自由」をさす。

4 法律の範囲内で許容される随意の行為。
引用:https://dictionary.goo.ne.jp/jn/103174/meaning/m0u/

言うまでもなく、上記のように理解はしているだろう。

私たちの日常生活ではこの「自由」を意識せずとも自由な状態は概ね保たれていると思う。

ところで「自由」は英語に変換すると何だろうか?

「freedom」と「liberty」がある。

日本語で「自分の意のままにふるまう」ことや「勝手気ままな様子」、「法律の範囲内で許容された行動」を表す熟語は『自由』という表現だけだ。

英単語の「自由」は何が違うのか。

「freedom」がもともとある自由。受動的な自由。
「liberty」が獲得した自由。能動的な自由。

私たち日本人は、歴史の先人たちのお陰で既に多くの「自由」を勝ち取っている。

そのため、あって当たり前の自由=freedomが私たちにはしっくりくる。

だが、私たちが歴史で学んだの争いの中には、この自由=libertyを求めて争ったものが多い。

そして現在の香港のデモ活動はまさに自由=libertyのための闘いだ。

現時点ではまだ奪われてないので、もともと持っている自由=freedomかもしれない。
しかし、この当たり前の自由=freedomは奪われかけている。

香港の人が自らの手で香港の自由=libertyを守ろうと行動している。

僕は一連のニュースを見聞きするたびに、香港の人の母国愛や、自分たちの考えを主張する姿に心打たれる。
言論の自由や民主主義の思想、あり方が奪われるのは恐ろしい。もし日本政府が私たちの自由を奪うなら、私たちは何を主張するだろうか。
一部の人だけが立ち上がり、残りの人は陰口を言うだけにとどまらないだろうか。

私たちは、僕は、今ある「当たり前の自由」を「有難い自由」と意識していく必要がある。誰に感謝するわけでもないが、今ある自由は歴史の先人が勝ち取った自由=libertyということだけは忘れずにいよう。

そう。つまり意識することから始めたい。
私たちは簡単に音として声に出して言う「自由」、文字で書く形としての「自由」を使うことができる。意識することは言葉にきちんとした意味を持たせることができる。

香港の人へ届けたい想い
激しい抗議活動が続いているけれど、できれば平和的な解決方法で落ち着いてほしい。双方が対話による現代的な方法で落ち着くことを望んでいます。

2019.09.07 追記
9月4日、逃亡犯条例改正案の完全撤回を香港政府が発表したことを受けて

僕はそれをニュース速報で知った。
傍目にはこれで解決かと思わせるものだった。

しかし、Agness Chow Ting氏は「遅すぎた」と今なお憤りを隠せていない。
香港警察の不当な逮捕や暴力に対して仲間が傷ついてきたのだから許せないという気持ちも理解できるし、今後まだ5つの要求を求めるために戦うという考えもわかる。

香港は本当にそれで良いのだろうか。香港は今、過激になりすぎていないだろうか。先進的なイメージのある香港の人たちがもはやブレーキの壊れた暴走列車のようにも感じる。

香港政府が改正条例案を撤廃した理由には別の思惑もあるだろう。しかし今が双方話し合いのチャンスだ。Agness Chow Ting氏を含め香港市民の方を応援したい。ただ、それは先人たちの手で築き上げた香港の街や人を傷つけてまで変えるものではない。

世界が注目する自由=libertyを獲得するための戦い方。この戦いのあり方が香港の世界での立ち位置を決めるだろう。

香港の人たちが血を流すところはもう見たくない。たとえ、政府側が圧力をかけようとも、身を守るため以外で反撃してはならない。

香港は自由のために「対話」による未来の戦い方を世界に示してほしい。
世界は香港の戦いを見て「自由」の尊さとその意味を考えるだろう。

NORIYUKI.

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