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岡山県学生の面接報告から考える「公務員試験の圧迫面接の是非」

 こんばんは。noriさんです。
最近、投稿の度に、メイプル楓さんのイラストを使わせていただいています。話したいことを、表現できるイラストが多く、どのイラストもかわいさと親しみやすさにドはまりしています。
 この場を借りてお礼を申し上げます。何度も使わせてもらってありがとうございます。(急にすみません(^-^;)

 本日は、私の定番となっている、『岡山県学生「終わらない就活」』ではありません。(まだ継続中ですので、良かったらそちらもご覧ください。)

岡山県学生「終わらない就活問題」No.3|フリー面接トレーナー☆Noriさん|note

 今回は、学生から面接官へと視点を変えて書きます。そう聞くと、批評が始まるように思われるかもしれません。確かに否定的な表現も使いますが、全否定したいわけではありません。改善できる点があると思い、指摘したいと思います。

テーマ

 タイトルにあるように、今回も私が知る情報源は、あくまで岡山県内で就活をする方です。そのため、岡山県学生の面接報告から考えるとしています。そして、今回のキーワードは「公務員試験の圧迫面接の是非」です。公務員に限らず応募者側から恐れられているこの圧迫面接とは、明確な定義はないと思いますが、例えばこのような状態です。

表情、声、態度から感じる圧迫感
 無表情、怪訝そうな表情、声を荒げる、腕組や股を広げて座る

質問内容と質問の問いかけ方から感じる圧迫感
 応募者の返答に対して否定する 

 というようなことが面接中にあるようです。
 もともと、ハードな営業職などで使われていると聞いたことがありますが、私も以前営業職の会社に転職しましたが、実際にそのような面接経験はありません。

圧迫面接の必要性を考える①

 この圧迫面接は、最近ではただのハラスメントとして、応募者から捉えられるだけで、コンプライアンスを遵守する組織にとっては、メリットの低い面接手法であると考えても差し支えないと思います。
 このように応募者はもちろん、面接側からも敬遠されているとは思いますが、先の営業職のように意図的にしている所もまだあるようです。

 その中であえて事例を挙げますが、公務員試験の面接では未だによく耳にします。具体的な自治体名などは避けますが、特に公安系と呼ばれる公務員試験を受けた応募者から報告を受けます。
公安系・・・消防士・警察官・皇宮警察官・海上保安庁・刑務所など

 名前や仕事内容から想像できるように、職務上厳しい仕事であり、いざという時には我々住民や治安を守る頼りになる方々ですので、確かに厳しい面接を受け、それに耐えうる人が選ばれるべきとお考えの方もいるかもしれませんね。
 私は少し異なる意見です。公安系のような激務な仕事であっても、面接は圧迫面接を用いるべきではないと思います。

圧迫面接の必要性を考える②

 ここで誤解がないようにしておきますが、こういった公安職に高い精神力やメンタルコントロール、ストレス耐性は必要です。
 確かに、警察官のような、凶悪犯やあるいは悪質な交通違反者から、厳しく当たられることはありますので、一定以上の精神力は必要であるとは思います。ですので、精神力などを確かめるということはある程度必要ではあります。そのために、適性検査などを実施していると考えています。もちろん、適性検査だけではすべてはわからないと思いますが。
 それでも、面接という場で、必要以上に厳しく接する必要性は理解に苦しみます。警察官や消防士などは、合格者は入庁の際に、「警察学校」や「消防学校」に入校します。そこで、公安職として働くための、知識や体力、技術はもにろん、精神性も鍛え、甘えをそぎ落とすのではないかと思います。

圧迫面接の必要性を考える③

 面接中は、学生などの若い応募者にとって、最も苦しく耐えがたい時間です。何を聞かれるのか?何を見られるのか?うまく答えられるのか?等々。緊張感は振り切れているのではないでしょうか。
 では、そういった緊張する応募者は、公安系の仕事に就く可能性はないのでしょうか。程度にもよると思いますが、緊張して、カミカミの喋り方でも採用してくださる自治体もあります。そこは、人手不足だから誰でもいいから採用したのでは?というわけではありません。
 これは、私が2~3人程度から受けた報告なので、可能性は高いとは言えませんが、知りうる限り、大阪府警察の面接官はトレーニングを受けた面接官で、圧迫面接とは異なっているのではないかと推察しています。大阪府警察は、あえて緊張させず、面接の導入部分から和やかに進むようです。また、応募者が話したことについて、「〇〇ということで合ってますか?」など、応募者の話に理解を示しており、面接報告をしてれた方からは、「面接を受けて志望度が上がった。あんな警察官になりたい」とモチベーションが高まっているようでした。

圧迫面接の必要性を考える④

 反対に、圧迫面接を導入(意図しているかは不明)されているところは、本当に遠慮がありません。先に伝えた通り、表情・声・態度で応募者に失礼な態度を取ります。(当事者たちは失礼な態度とは考えていないでしょうが。)
 例えば、大股を開き、腕組をして応募者を見るといった具合です。
 また、攻撃的な、あるいは否定的な反応を示し、応募者を困惑させます。例えば、応募者が志望動機を述べた後、「今の志望動機では納得できない。ホントは第一志望でないのでは?他にうちを受けた理由ははないの?」などと否定し応募者の感情を揺さぶります。
 上記の内容程度であれば、別に大丈夫でしょ。と思われる方もいるかもしれません。
 確かに、こういった事もあると、公安系を受ける応募者は、ある程度事前に理解はしているようですし、先輩から脈々と受け継がれている噂話もあるので、適応できるように準備もします。
 しかし、いざ面接室に入ると別です。そうでなくても、うまく答えられるか不安で仕方がないにも関わらず、圧迫というキーワードがつくことで、余計に緊張感が高まるのではないかと思います。

圧迫面接の是非

 果たして、威圧した状態の面接で一体何がわかるのでしょうか。そういった状態で平静でいられることも職業柄、重要だと思いますが、それはまさに現場で鍛えられるものかと思います。仕事が厳しいから圧迫面接をするというよりも、そもそも職場内にパワハラがあるのでは?と疑ってしまいます。
 それでも、圧迫面接が必要とお考えになる自治体・官庁もあると思いますので、導入すること自体を否定するつもりはありません。しかし、面接での評価の精度を過信してはいけません。
 人間ですから、百戦錬磨の面接官でも見誤ることはありますし、百戦錬磨だからこそ、間違えます。人間は誰でも一定のバイアス(偏った見方)が働きます。特に経験値が高い面接官ですと、「自分は厳しい面接を受けた。だからこの面接手法が良い」と過去の事例に囚われたり、「厳しい質問に答えた人が、今も活躍している」と一部の成功を全体の成功かのように錯覚してしまいます。面接官なら、十分留意する必要がある基本的なことです。
 そして、結果的にですが、たとえ合格、内定であったとしても、辞退されやすいのではないかと思います。この辺りは私の仕事の経験として得られたデータもまだまだ不足していますが、そういった傾向はあると思います。
 応募者は、公務員への志望度は高いため、たとえ酷い面接であっても、文句は言わないでしょう。文句を言われないことに安心して、目を向けずにいると、気が付けば辞退しています。まさにサイレントクレーマーのように。

終わりに

 私は、あくまで就職の支援者ですので、今回の内容は、応募者に肩入れした表現になっていると思います。
 ただ、あえて二言付け加えておかなければならないことは、まず、優しい面接官である必要はありません。下手に出るのではなく、威厳を保ちながらも、丁寧に接することです。大事なのは、採用面接は人権問題に繋がると考えることです。
 そして、「圧迫面接と感じるのは、応募者側の感情」です。今回は、客観的に見ても圧迫面接の可能性が高い事例があったので取り上げましたが、中には、普通の面接のやりとりに「圧迫」を感じる応募者もいます。
 なぜ普通のやり取りに圧迫を感じるのかというと、その方が質問の答えに困っていただけです。回答した内容に対して、「どうしてそう思うの?」と問われただけで、「厳しい、圧迫だ」と答えられないことで、自分が困ったことを圧迫感があると誤解をしている応募者も少数ながら存在します。
 面接官側からすればいい迷惑です。採用試験については、面接の精度を高めるための研究がされるなど、どんどん考えがアップデートされています。次世代を支える若人の良さを見つけられる面接官であってほしいと願います。
 面接については、noteにもたくさん投稿がありますが、私も自分の見解を書いてみたいと計画しています。




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